▲宮崎監督が引退する会見のほぼ全部が、ユーチューブにのっていた。
ほぼ全編を聞いた感想などを箇条書きとしてみたい。
あ、宮崎監督の仕事のやり方のような説明があって、この部分を押さえていないと、「引退の決意」の意味が分からないなぁ、と感じた。
筆者の聞きかじりと監督の説明をまとめて説明すると。
絵コンテという新聞などの4コマ漫画のようなものを作って、「絵」と「筋」と「時間」を決めている。
1枚の絵コンテで恐らく「数十秒」程度のアニメが出来上がるのだろうなぁ。
<掲示板で、航空業界の人から、「風立ちぬ」で表現されていた技術的なことについての「つくりこみの凄さ」について賞賛していた。この絵コンテというものを作る段階で、そこまで宮崎さんは勉強したといことであろう>
これを宮崎監督は、一日、机に座って7時間から10時間以上も作っているのだ。
それが、宮崎さんの「やり方」だ。
い、上のような「やり方」しかできないのだ—と宮崎さんは繰り返し強調されていた。
年をとると、目が悪くなり見えづらくなることもあるが、なにより「集中力」が続かなくなる。
集中力を維持するということは、「体力」のいることなのだ。
上で、一日の時間を7時間から10時間以上とか触れたが、若い頃は一日14時間でもできた。でも、「風立ちぬ」を作った時は、もう7時間しかできないのだ—と。
つまり、これが5年間かかった理由だ。
もう、ことし73才になる。すると、一日7時間か → 5時間になる可能性があろう。すると、5年が → 7年とか8年とかになる。
こう考えると、もう物理的に長編ものは無理なのだ。
だから、引退するのだ—と。
う、ジブリの将来について聞かれて。
これに対して、自分が若い頃には、あんなものがやりたい、こんなものがやりたい—といわばタネのようなものを一杯抱えていた。
今のジブリにいるアニメーター達が、宮崎さんという「重し」がとれた時、「我こそは」と頭角を現してくれるかどうか—ではないのか—と。
→これは潔い言葉だな。組織だけを残すということに価値を見出していない。
実力者でてこい—と挑発しているということだろう。
え、会見全体についての感想
会見で思ったのは、宮崎さんの「潔さ」だ。
絵コンテを一日7時間つくることができない—そういう年齢になった。
その「自分の加齢」というものへ「降参だ」と手を上げたということなのだな。