▲当たり前だろうって。
でも。
この言葉は核心を言い当てている。
先日の御嶽山の噴火は。
ワニに近づいて腕を食いちぎられたとかいうニュースがあったが、これと同じだろう。
つまり、ワニがどのような生物かを知らずに近づいた—ということだ。
自己責任といえば、そう。
また、それは日本人が、このところ、なにかあれば他者に責任を押し付ける傾向があることに警鐘を鳴らしたものだろう。
ハッキリ言えば、もっと勉強しろ—ということだ。
もっと、本を読め。もっと賢くなれ。
もっと、事前に調査をしろ—ということを警告しているのだ。
2011年の東日本大震災の後でも、なんとか計画がしていなかった—とかの、他者への責任転嫁が目立った。
そもそも、と思う。
日本という国は、「厄災の多い国」なのだ。
その厄災について知らずして近づくというのは、上で例示した、なにも知らずにワニに近づくという所業とかわりはあるまい。
自分を含めて、もっと勉強しよう。もっと本を読もう。
いたずらに、他者に責任を転嫁すまい。
以下、新聞から抜粋。
火山学者が記者に応じる様子が反響を呼んでいる。
記者が、火山による被害を出さない方法を聞いたのに対して「火山には登らないことですね」と、答えだった。
内容については「正論だ」と賛同する声も多い。
2011年1月に爆発的噴火を起こした新燃岳(1421メートル)の研究を続けている、鹿児島大学准教授のiさんだ。
■「コメントにならなくてごめんね」
取材に来たある記者が「被害を出さないようどうすべきか?」
と聞いたところ、
iさんは 「火山に登らないことですね」と答えた。
記者が「え?」と面喰らっていると、
iさんは 「今回のような噴火は防げない。運が悪かったとしか言えない。それを避けるためには、火山には登らないことですね」
と説明。
その答えを聞いて記者は言葉を返せず、黙ってしまったようだ。
iさんは 「『教訓は?』とか,『今後は?』という話なら,イロイロ答えたよ」
とも。
半日後にはNHKに「火山災害ホームドクター」として登場
NHK Eテレで放送された番組「学ぼうBOSAI」に、iさんは登場している。
その中に、似たエピソードが登場。
新燃岳が噴火を起こす前の段階で、地元が子どもに霧島の自然に触れてもらおうと、ツアーを計画していた。
目的地は新燃岳の火口からおよそ2.5キロの場所を想定。
町がiさんにアドバイスを求めたところ、iさんは「研究者であっても、噴火は容赦してくれない。
僕だって死ぬ可能性がある。そんな場所に、みんなを連れていくわけにはいかない」
などと反対し、コース変更が決まった。
iさんは、真意を改めて説明。
「今回の事故から学ばなければいけないことは,『活火山の登山には噴火リスクが伴う』ということ。
そのリスクをどこまで許容するかは個人の判断。研究者はその判断材料を提供できるだけです」
気象庁が「噴火警戒レベル」を設定して監視している火山は全国に30あるが、「レベル2(火口周辺規制)」以上なのは、活発な活動が続く桜島(レベル3)や、阿蘇山(レベル2)など8つのみ。
御嶽山も、今回の惨事が起きるまでは「レベル1(平常)」で山頂付近への登山は規制されていなかった。
▲補足、感想など
iさんの言うことは、まさに「正論」だ。
「リスクをどこまで許容するかは個人の判断」だと。
個人の判断---というより、個人の「能力」だろうな。
だから、もっと勉強しよう。もっと本を読もう。もっと、情報を集めよう。
いたずらに、他者に責任を転嫁するような言動をとるまい。
大事なことを繰り返したい。
日本という国は厄災の多い国だ。
それは温泉が多いとかの日向(ひなた)の部分と丁度反対にある「日陰の部分」なのだ。
多い厄災のことを良く知った上で、この国の環境を楽しみたい。