▲どこにおかしさを感ずるのかなぁ。
個人の土地をその所有者がどうしようと勝手ではないか。
国交省から、個人の土地に対して、ああせい、こうせい—と言えるのか。
そして、その個人が国交省の言っていることを聞かなかったからどうこう—責任が--とか言えるのか。
そもそも。
そんなところに核心があるのではあるまい。
この鬼怒川という河川の堤防部分として、現状の部分だけで、「十分もつ」と国交省は、判断した—ということであろう。
もし、鬼怒川の治水のために必要だとするならば、国がその部分を買収していた筈ではないか。
つまり、国交省のいいかたは、自分で「現況の堤防部分で十分もつ」と判断したが、結局、そこが決壊したことで、堤防に隣接した私有地でその所有者がああしたから、こうしたから—と責任転嫁しているように聞こえる。
これは違うだろう。
現況のままの堤防でもつと判断したが、過去100年以上の記録からも予測できないほどの降雨量があったために「決壊」した---というべきであり、堤防に隣接した私有地がどうだこうだ--なんて、なんの関係もないことだ。
余計なことをいって、責任転嫁ととられない—ことの方が余程大事ではないのか。
以下、新聞から抜粋。
鬼怒川砂丘、掘削中止を業者拒否 国交省「影響否定できず」
茨城県・鬼怒川の氾濫で、国土交通省は、自然堤防の役割を果たしていた川岸の砂丘を
掘削して大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設した民間業者に昨年4月、「洪水時に(周囲の住宅などに)浸水する恐れがある」と掘削の中止を要請したが、拒否されたと明らかにした。
国交省は緊急措置として掘削部に大型土のうを設置していたが、今回の水害では、土のうを越えて川の水があふれる「越水」が発生。住宅や田畑に大きな被害を与えた。
国交省は「掘削や土のうの設置状況が氾濫に影響を与えた可能性は否定できない」とし、引き続き検証する方針を示した。
▲補足、感想など
要請?
相手は、個人、私企業であろう。
お願いする—ではないのか。
じゃ、なぜ、その部分を買収しなかったのだ?
むしろ、その方がおかしいではないか。
冒頭でふれた。
国交省は、現況の堤防部分で「鬼怒川の治水には十分もつ」と判断していたのだろう。
たまたま、今度の水害で、決壊したことで、結果的に「判断ミス」となってしまったということではないのか。
その自分の判断ミス(結果的にそうなった)を、隣接した私企業がどうしたこうした—という言い方をすると、国民からは「責任転嫁」と聞える。
私企業に責任転嫁するな。
そうではなくて。
鬼怒川の堤防決壊は、「過去100年以上の記録から予測できないほどの降雨量があったせい」だし、また、こういう降雨量があるのは、「地球の温暖化」のためだ。
そう素直に説明するほうが、国民からすればよほど聞きやすい。
※追記。
原因について、国土交通相が発表したので転記したい。
--ここから--
2015/10/05(月)
関東・東北豪雨の影響で、茨城県常総市の鬼怒川の堤防が決壊した原因を 究明する国土交通省関東地方整備局の調査委員会が5日、会合を開き、堤防から水があふれる 「越水」に加え、水が地盤に浸透して堤防が落ち込む「パイピング破壊」が 決壊を助長したとの結果をまとめた。
2015.9月14日
茨城県常総市を流れる鬼怒川の堤防のうち、今回の豪雨で決壊した箇所は、100年に1度の大雨が降っても堤防が壊れないようにするための国の基準に、 高さや幅が1メートル程度足りない「暫定堤防」と呼ばれる区間で、国が拡幅工事を進めるため、去年から用地買収を進めていました。
国土交通省関東地方整備局によりますと、鬼怒川の堤防のうち、今回決壊した区間は地盤からの堤防の高さと上端部分の幅がいずれもおよそ4メートルでした。
これは、100年に1度の記録的な大雨で川が増水しても水が堤防を乗り越えたり堤防が壊れたりしないように国が定めた基準より、高さが1メートル50センチ、幅は1メートルほど足りない状態だったということです。
こうした区間は「暫定堤防」と呼ばれ、鬼怒川では、今回決壊した区間も含めて半分以上の56%が該当していたということです。
国土交通省は「暫定堤防」のかさ上げや拡幅工事を順次進める方針で、今回決壊した区間についても、去年用地買収を始めたところだったということです。
--ここまで--
技術者からみて、妥当と思える発表だと思える。
※追記。
原因について、国土交通相が発表したので転記したい。
--ここから--
2015/10/05(月)
関東・東北豪雨の影響で、茨城県常総市の鬼怒川の堤防が決壊した原因を 究明する国土交通省関東地方整備局の調査委員会が5日、会合を開き、堤防から水があふれる 「越水」に加え、水が地盤に浸透して堤防が落ち込む「パイピング破壊」が 決壊を助長したとの結果をまとめた。
2015.9月14日
茨城県常総市を流れる鬼怒川の堤防のうち、今回の豪雨で決壊した箇所は、100年に1度の大雨が降っても堤防が壊れないようにするための国の基準に、 高さや幅が1メートル程度足りない「暫定堤防」と呼ばれる区間で、国が拡幅工事を進めるため、去年から用地買収を進めていました。
国土交通省関東地方整備局によりますと、鬼怒川の堤防のうち、今回決壊した区間は地盤からの堤防の高さと上端部分の幅がいずれもおよそ4メートルでした。
これは、100年に1度の記録的な大雨で川が増水しても水が堤防を乗り越えたり堤防が壊れたりしないように国が定めた基準より、高さが1メートル50センチ、幅は1メートルほど足りない状態だったということです。
こうした区間は「暫定堤防」と呼ばれ、鬼怒川では、今回決壊した区間も含めて半分以上の56%が該当していたということです。
国土交通省は「暫定堤防」のかさ上げや拡幅工事を順次進める方針で、今回決壊した区間についても、去年用地買収を始めたところだったということです。
技術者からみて、妥当と思える発表だと思える。