▲なんだろうなぁ、この齟齬感って。
外から中国を見る目の厳しさに反発するように習近平さんは、外に向かって強気の発言をするし、派手なパフォーマンスをやる。
先日の英国への訪問等、記憶に新しい。
自分の弱点をつかれないように、外の向かって攻撃的となる—って。
独裁国家ゆえの「ゴマカシ」し放題ということかもしれないな。
どんなに派手なパフォーマンスをしようと、お金が空から降ってくる訳ではない。
確か、中国は西欧諸国の金融機関からお金を借りている。
あれは、どうしても返さざるえまい。
その期限がじわじわ近づいているのではないのか。
以下、新聞から抜粋。
中国の外貨準備高は帳面上、世界最大で3兆6500億ドル(約443兆1465億円)だが、それなら、なぜ、米国債を取り崩しているのだろう?
直近の7月から9月だけでも、2290億ドル(約27兆8028億円)を売却している(米財務省速報)。
従って、中国の外貨準備には史上例をみない詐欺的作為がなされているとみるエコノミストが増えている。
ドル資産が、ブラックホールに吸い込まれるように消える恐れが強まった。
CIA筋の調査で、中国から不正に流れ出した外貨は3兆800億ドル(約373兆9428億円)とされる。となると、15年6月末の外貨準備高は、5700億ドル(約69兆2037億円)でしかない。
複雑な要素が絡む。
第1に、最も重要な外貨準備指標は「経常収支」である。
この数字をみると15年3月まで1年間の統計は2148億ドル(約26兆788億円)。
ところが、外貨準備は同期間に2632億ドル(約31兆9551億円)減少している。
外貨が流失しているから、数字の齟齬が起こるのだ。
そこで架空の数字をつくりかえ、粉飾のうえに粉飾をおこなう。となると「GDP(国内総生産)が世界第2位」というのも真っ赤な嘘。
GDPのなかで、「投資」が締める割合が48%、どう考えてもあり得ない。
例えば、経済圏構想「一帯一路」は財源が400億ドル(約4兆8564億円)である。
ベネズエラに投資した額は450億ドル(約5兆4648億円)前後、アンゴラへの海底油田への投資は焦げ付いたという情報があり、リビアでは100ものプロジェクトが灰燼に帰した。
以下、スリランカ、ジンバブエ、スーダン、ブラジルなど。
世界中で中国が展開したプロジェクトが挫折している。つまり、対外純資産が不良債権化している。
オーストラリア、カナダ、ニュージーランドなどでは鉄鉱石鉱区を買収し、開発していたが、鉄鋼不況に遭遇して工事を中断。あおりで、豪ドル、カナダドル、NZドルが下落した。
13年末の海外直接投資残高は6605億ドル(約80兆2111億円)だったが、15年3月には9858億ドル(約119兆7155億円)と急激な増加が見られる。
15年3月末の対外債務残高は、直接投資が2兆7515億ドル(約334兆1421億円)、証券が9676億ドル(約117兆5053億円)。
合計3兆7191億ドル(約451兆6475億円)となる。
つまり外貨準備は事実上、マイナスである。
だから、海外投資家は一斉に中国から引き揚げを始めたのだ。
▲補足、感想など
冒頭でふれたように、中国は西欧諸国の金融機関からお金を借りている。それを返還しなければならない。
そのあたりにふれた、文章をご紹介する。
--ここから--
中国の抱える債務はGDPの282%である。
2015年末に400兆円、16年末に600兆円の償還時期がくるが、返済は無理。
つまり借り換え、「証文の書き換え」が目の前に来ている。
5兆円にものぼった中国国富ファンドの日本株保有も、手元資金不足に陥って、売却していた。
なぜなら、日本企業の株主リストは公開されており、豪のオムニバス・ファンド(=中国国富ファンドの別動隊)の名前が見つからなくなった。
中国は日本株をほぼすべて売却していた。
中国は保有する米国債を取り崩し、備蓄した金も売却している。
次に地方政府の債券発行を認め、さらには住宅ローンの貸し出し分を担保の銀行融資枠を拡大し、10月には銀行金利の上限も撤廃した。
加えて、人民元建ての中国国債をロンドンでも売り出して、金集めを展開している。
これは末期的症状ではないのか。
--ここまで--
この2つの記事から読み取れることは、中国はお金に困っているということだ。
西欧諸国の金融機関という借金取りに追いまくられている状況だと言ってもよかろう。
で。
習近平国家主席は、外に向かって「強気な、強硬な」発言を続けているのだ。
自分の「弱点」を見透かされないために---だろうな。
国のメンツというもののために、中国をどこにつれていくつもりなんだ?
習国家主席という人は。