▲なにか鬼怒川など堤防決壊に関連して決壊場所の堤防を私企業が削ったとかで、ニュースになっていた。
まぁ、従たる原因となったかもしれない。
でも。
主たる原因は、過去100年の観測データからは予測できないほどの降雨量だった—ということだ。
その原因は、空気中での炭酸ガスの増加による温暖化現象によるものだ。
このブログでなんどもふれた。
空気中に炭酸ガスが増加すると、気象が「過激」にふれるのだ。
雨も風もより大きくなるのだ。
このことは、日本の河川の堤防全体を見直さなくてはならない—ということを意味している。
今、オリンピックなどで建設費が上昇しているが、それでも河川の堤防のかさ上げなどに、予算を増大させなければならない—ことを示唆している。
以下、新聞から抜粋。
【東日本豪雨】相次ぐ堤防決壊 ハード対策追いつかず
専門家「想定以上の水が流れ続けた」
今回の豪雨では茨城県の鬼怒川と宮城県の渋井川などで堤防決壊が相次いだ。
専門家は決壊の理由として「安全に水を流せる設計上の水位を何時間も超えていた」と指摘。
国土交通省も増えている異常気象を要因に挙げるが、予算や時間の問題で国の対策が追いついていないという現実もある。
国交省はハードに加え、防災意識の向上などソフトと両輪で
対策に臨む重要性を訴えている。
国交省などによると、
鬼怒川も渋井川も過去に氾濫を繰り返していた河川ではなく、
鬼怒川の決壊地点については水流の力が大きくかかる川の形状ではなかったという。
現地調査をした東京理科大の二瓶教授(河川工学)は、安全に水を流せる設計上の水位「計画高水位」を超える水が
長時間流れ続け、堤防に強い負荷が加わったと推測。
「平成24年の九州北部豪雨もそうだが、近年は計画高水位を上回って
堤防が決壊する例が増えている。堤防を造る際に想定している以上の
水が流れている」と説明する。
今回は積乱雲が帯状に並ぶ「線状降水帯」が南北に伸び、長時間にわたり激しい雨を降らせたとされる。
国交省によると、ちょうど線状降水帯が、
北から南に流れる鬼怒川の上空に重なったため、
広い流域が雨の受け皿になったという。
国交省は「それでも想定して整備を進めていかないといけない」と話す。
ただ、全国の河川は主に鬼怒川など国が管理する1級河川と、
渋井川など都道府県の2級河川に分かれ、総数は2万以上に上る。
河川ごとに堤防などの長期整備目標があり、基本的には周辺に
住宅がある流域には、全て目標を満たす堤防を整備する計画だが、
河川の多さから時間も予算もかかり、「目標に達している河川はほぼない」
(国交省)のが現状だ。
国の治水事業費は平成9年度の約1兆3千億円がピークで、
その後、不況などで公共事業の予算が削減され、
今年度は半減に近い約7800億円となった。
もう一つの主な治水対策となるダム整備は22年から整備中の事業の検証が始まり、現時点で対象の83事業中すでに
24事業の中止が決まっている。
新潟大学災害・復興科学研究所の安田准教授は
「われわれが直面する雨の規模は今までより大規模になっており、
事業費は手厚くすべきだ。昔より水防面で安全度が高くなり、
逆に住民の防災意識も鈍感になっている。意識の刷新が必要」と指摘している。
▲補足、感想など
住民の防災意識が鈍感となった—か。
まぁ、そうかもしれない。
戦後70年という歳月は、日本の河川を安全なものにしつづけてきた。
その意味では、「河川の決壊」など、殆ど起こらない—と日本人は考えているのだろう。
対して、地球規模での温暖化というものが、冒頭でふれたように「気象現象を過激にふれさせて」いる。
そのことが、日本のアチコチでの堤防の決壊を発生させている原因であろう。
中国での石炭の消費、ヨーロッパ諸国などでの天然ガスの消費などが遠因となっているのかもしれない。
原子力発電というものが、なかなか進まない現状では、この温暖化をストップできまい。
だから。
日本においても、河川の堤防の改修などを地道に続けていくしかない。
そのことを直視しよう。