▲原因が真菌ではないか—と。
真菌というのは、例えば水虫のようなもの、黴(かび)の類らしい。
人間の脳に黴が生える—というイメージなのかな。
環境が清潔になりすぎて、人間の抵抗力のようなものが弱ったということが理由の一つかもしれないな。
以下、新聞から抜粋。
認知症の中でも症例が多いアルツハイマー病の患者の脳に、真菌の痕跡を発見した結果が、発表。
これにより、アルツハイマー病の原因は伝染性病原菌なのか、という疑問が再び浮上。
研究を行ったスペインのチームは、まだ決定的な証拠は得られていなものの、この問いの答えが「イエス」であることが判明すれば、アルツハイマー病は抗真菌療法による治療の対象となる可能性があると、オンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に発表した研究論文で指摘。
「アルツハイマー病が真菌性疾患である、または真菌感染がアルツハイマー病のリスク因子である可能性は、患者への効果的な治療に対する新たな展望を開くものだ」と述べている。
チームは、分析対象としたアルツハイマー病患者11人の遺体の全てで、脳組織と脳血管に「数種類の真菌種」の細胞や関連物質を発見した。
これらは、アルツハイマー病に
かかっていない対照にはみられなかった。
ネイチャーに掲載された別の研究結果では、アルツハイマー病の「種」が外科手術によって誤って患者から別の患者へと移植されてしまう危険性も指摘。
また、
研究者の中には、アルツハイマー病が伝染病なのではないか、あるいは、特定の細菌への感染が発症リスクを高めているのではないか、との説を唱える者もいた。
これまでの研究で、ウイルスや細菌に由来する遺伝物質がアルツハイマー病患者の脳内で発見されており、ヘルペスや肺炎を引き起こすウイルスが、アルツハイマー病の「病原体」である
可能性が示唆されていたと論文は指摘。
アルツハイマー病の「主病因」はこれまで、粘着性タンパク質の蓄積によって形成される脳の「アミロイド斑(プラーク)」とされてきたが、プラークを標的とする薬剤の試験は、期待はずれの結果に
終わっている。
今回の研究結果は、アルツハイマー病の考えられる原因のリストに、新たな仮説を追加するもの。
数種類の真菌の痕跡が発見されたことで「アルツハイマー病の臨床症状の進行と重症度が患者によって異なることを説明できるかもしれない」と研究チームは述べている。
また真菌の原因は、病気の進行がゆっくりであることや炎症反応がみられることなどの、アルツハイマー病の特徴とぴたりと符合すると研究チームは補足。
炎症は、真菌類などの感染性病原体に対する免疫反応の一つだ。
一方で研究チームは、真菌感染症がアルツハイマー病の原因ではなく、アルツハイマー病によって免疫力が低下したり、食生活や衛生環境が変化した結果である可能性も認めている。
論文は「アルツハイマー病の真菌感染の因果作用を立証するための臨床試験が不可欠なのは明白だ」「有効性が極めて高い上にほとんど毒性のない抗真菌薬が、現時点で多数存在する。
アルツハイマー病が真菌感染で引き起こされる可能性を調べるための臨床試験を設計するには、製薬業界と臨床医学者らからの協力が必要になる」と。
▲補足、感想など
どの程度、確からしいのか—筆者には分からない。
ただ、アルツハイマー症の患者を介護した人間が、また、将来アルツハイマー症となりやすい—というような噂と、整合性をもっているのかもしれない。
仮説は仮説であるが、これから臨床試験などで、確認されることを望みたい。