▲今秋は、ヨーロッパ諸国も「コロナ後」に踏み出すようだ。ドイツがもう、感染者数を考慮外とするという決断をした。要するに、感染者数を考えても意味がない、重症者数・死亡者数を意識して対コロナウイルス対策を考えるとしたものだ。まず、新聞から抜粋。
2021/08/24(火) ドイツは新型コロナウイルス感染拡大抑制策の導入の是非を決定するにあたり感染者数ではなく、入院患者数の動向を参考にする方針に転換する。メルケル首相が23日、発表した。ドイツは感染者数の7日平均を主要な目安としていたが、ワクチン接種を完了した人が増える中、ロックダウン(都市封鎖)などの措置が必要か判断するにあたり、別の指標を目安にするよう声が上がっていた。メルケル首相は「多くの人がワクチンを接種しているため、人口1万人当たりの感染者数が50人に達しても、包括的な感染拡大抑制策はもはや必要ないとの結論に達した」とし、 医療システムが逼迫しているか判断するにあたり、連邦政府と各州政府は入院患者数の動向をモニターすると述べた。新たな目安について、連邦政府は16州の州首相と近く協議する。ドイツでは人口の約59%が接種を完全に済ませている。
▲補足、感想など
明確には言及していないが、明らかに「コロナ後とは、コロナウイルスと共生する社会」なることを認識した発言だろう。既に「コロナ後」に突入したアメリカの様子をみよ。感染者がどうたらなんていってはおられない、コロナウイルスとは、普通の風邪みたいなもの—ぐらいにしなければ、「通常の経済活動はできない」ということだ。メルケルさんの決断は、「コロナ後のアメリカ」状態に近づけるための第一歩なのだ。日本も同じだ。まず、なによりも「コロナ後とは、コロナウイルスと共生する社会」になるということを、日本の国民に「認識してもらう」しかあるまい。もう、コロナウイルス、怖い・怖い---てなことを言っている時ではないのだ。どううまく・軽度で感染するか--ということを考えるタイミングが来ている。このあたり、新聞記事をみておこう。
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コロナ共生社会、感染症法に課題「はしか並み」の運用遠く
新型コロナウイルス感染防止のために国民の行動が制約されるようになって1年半がたつ。政府は希望者へのワクチン接種が完了する秋以降、感染症とうまく付き合う経済・社会の仕組みをうまく描けていない。感染症法の壁がある。田村憲久厚生労働相は7月9日の記者会見で 「コロナの感染症法上の位置づけをどうするか当然考えていかないといけない」と表明した。ワクチン接種が進み、感染が拡大しても重症化リスクが低いのであれば、公衆衛生の厳格な措置は必要性が少なくなる。感染症法は感染力や致死率によって疾病をランク分けし、対応を変えている。コロナは「新型インフルエンザ等感染症」との位置づけで、結核などと同じ2類相当といわれている。季節性インフルエンザやはしかと同じ5類に下げれば、保健所が患者らを厳格に管理することはなくなる。例えば、コロナの患者発生時に感染経路を調べる「積極的疫学調査」で特定された濃厚接触者は14日間、健康観察と外出自粛を求められる。検査で陰性が確認されたワクチン接種済みの人も含めて原則、対象になる。 感染症法は1897年制定の伝染病予防法を引き継ぎ「隔離」を基本に据える。まん延防止を目的とするため、公衆衛生に関わる保健所が各種の調整を担い、患者は自由にどの病院でも入院できるわけではない。飲食店の時短営業を要請する根拠の新型インフルエンザ等対策特揩法も「感染症法と相まって」と明記し、人の接触を減らして感染を防ぐ発想で共通する。インド型(デルタ型)の猛威で現実にそぐわない場面も目立つ。医療従事者が家族の感染で濃厚接触者になり、医療現場に穴が開く事例が相次いだ。厚生労働省は8月18日、ワクチン接種済みなどの条件付きで出勤を例外的に認める通知を出さざるを得なかった。保健所も業務逼迫で積極的疫学調査を縮小した。ところが、具体的に検討し始めると問題は根深い。7月21日、厚労省内の勉強会では担当者の説明を聞いた幹部からため息が漏れた。「インフルエンザほど軽くないし、はしかのような対処の道筋も見えない」致死率でみると季節性インフルエンザは0・02~0・03%で新型コロナの1・4%よりずっと低い。はしかは0・1~0・2%とされているものの、子どもの予防接種率は全都道府県で9割台に逹する。5類に下げれば、入院や検査などの患者の自費負担が生まれるほか、医撩機関では感染対策が緩む可能性もある。若者を含めほとんどの国民が接種するのか、ワクチンで新たな変異型ウイルスも防げるのか―。課題は多い。厚労省内の検討は結局、8月に入ってからの爆発的な感染拡大でいったん停止した。菅義偉首相は17日の記者会見で「現在、隔離などの感染対策は十分にする必要がある]と法的扱いの変更について否定した。同時に「一連の対応を総括する中で、そうしたことも考えていく必要がある」と語った。ワチン接種一巡後のコロナ共生社会に向け感染症法の課題が横たわる。
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「コロナ後宣言」をそう先に延ばすことはできまい。経済のことを考えても見よ。目処はやはり今秋だろう。10月~11月頃だろう。そして、そこにあるのは、「コロナウイルスと共生する社会」だということを認識しよう。最後は、「日本で一番、情報を集めることのできる菅首相の決断」に委ねられている。
★追記
橋下さんが正論を言っている。それをみよう。
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橋下徹·2021年8月20日
専門家の意見が絶対視される風潮に政治が負けて、政治が国家を動かし切れていない。医療体制全体を動かすことができるのは政治。ところがそこに訪問医が自分の視野を基に、政治家に対して医療の素人のくせに!と言い放つ。訪問医は政治行政の素人
そういえば、市長時に部活の外部委託を試みた際、部活に一生懸命だった教師たちから教育の素人のくせにと言い放たれた。彼ら彼女らには、教員の負担過重問題や日本のスポーツの在り方についての視野はなかった。コロナ対応に向けて国家をどう動かすか。専門家の意見を聞きながら政治家が政治判断すべき
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★日本のコロナウイルスへの感染者数と死亡者数をみてみよう。