▲前回はいつだったろう。8畳の書斎に7つの本棚というのが筆者の書斎での陣容なのだが、本棚の前に買った本がドサッと山積みとなって、どうしても入れ替えざるをえなくなった。まず、本棚の中のすててもいい本を探して、それを廃棄することにした。最初に目につくのが、昭和40~50年代の文庫本だ。酸性紙というのか、背扉の部分が茶色に変色し、ページの周辺部分も変色してしまっているのだ。酸性紙なんて言葉は、もう今では死語になっているのだろうなぁ。ウイキペディアで、概略を押さえておこう。
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酸性紙(さんせいし、英語: acid paper)は、製造過程で硫酸アルミニウム(硫酸ばんど)等を用いて製造された酸性の洋紙。酸性紙はヨーロッパでの工業化に伴う紙の需要に応じ、生産技術が開発された19世紀半ば(1850年代)から大量に製造されるようになった。20世紀に入り、紙の大部分がそれまで主だった植物の繊維から製造した紙から、木材を化学処理してセルロース繊維を取り出したパルプを原料とした酸性紙に取って代わられた。このパルプを網で漉き濾し、乾燥させたものが紙である。これ以前の技術の紙はインクが滲み、活字や図画などを印刷するには適さなかった。しかし、それを解決するため、製造工程の途中で紙に滲み止めにロジン(松やに)などを原料とした(サイズ剤、サイジング)が施されるようになった。陰イオンを持つ鹸化ロジンエマルションを、同じく陰イオンを持つ紙の繊維のヒドロキシ基に定着させるためには、硫酸アルミニウムを添加して、錯体のロジン酸アルミニウムを形成させる必要がある。しかし、硫酸アルミニウムの持つ硫酸イオンは空気中の水分と反応して紙の中で硫酸を生じ、紙を酸性にする。この硫酸は紙の繊維であるセルロースを徐々に加水分解する作用を持ち、経年変化で次第に紙を劣化させる。酸性紙は前述のようにセルロースの劣化が起こりやすいため、製造から50年から100年程経過した紙は崩れてしまう。この問題は図書館で特に問題視され、早くから酸性紙を使用していた分だけ欧米では深刻であり、1970年代頃からアメリカやヨーロッパ諸国を中心に「酸性紙問題」として社会問題となった。酸性紙に塩基性のガスを噴霧し、中和する作業も行われるようになったが、作業の効率に限界があるため、後回しになったものが次々と劣化している。これらの問題を解決すべく、酸性紙の崩壊が社会問題化してきた1970年代に中性や塩基性の滲み止めを塗布して製造した中性または塩基性の紙である中性紙が広く用いられ始めた。中性紙は酸性紙と比べて劣化が少なく、50年程度の寿命であった酸性紙に比べ、3倍から4倍の年数保持できるとされているため、今日では書籍や重要度の高い資料へ使用される紙の多くは中性紙に切り替えられるなど、出版界や産業界で利用が拡大している。
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次に、技術系の本は内容が古くなってしまい、これも廃棄の対象となった。その他、欧米の小説が筆者には読めなくなった。どこか、内容が「単純で」「ドギツク」感じるようになったためだ。また、欧米と日本の経済を比較する類の本も読めなくなった。なにか、比較する根底に人種差別的な色合いを感じるためだろうなぁ。結果として、日本人が著者の本が殆どを占めてしまった。