2021年2月12日金曜日

特殊防諜班 標的反撃 今野敏著 講談社文庫 2009年4月刊行 感想

 

アマゾンのレビューをみると、評価はバラバラだ。

 少し、話を膨らませすぎた—ということかもしれない。

 でも、と思う。

 アメリカの小説などを読むと、「話を膨らませるネタ」の不足というようなものを感じる。

 また、南米での日本の漫画アニメの評でも同様に「話を膨らませるネタの不足」というものを感じてならない。

 日本には、2千年近い日本人の試行錯誤の蓄積がある。その巨大な蓄積が、日本人に妄想?を導きだして、アニメ、漫画のネタの元になっているのだと思う。

 南米にいる日本のアニメ評者にしても、漫画・アニメのネタを提案するという場面をみたことがない。つまり、歴史の・試行錯誤の蓄積がない。蓄積のないことが南米の漫画家にアニメ・漫画の原案につき提案力を与えることができないのだ。 

 ちょいと話しがそれた。

 表題の本は、ユダヤの10支族とか、サンカなどにもふれている。

 荒唐無稽といえばそれまでだが、荒唐無稽な話題が小説に奥行きを与えているという気がする。

 筆者の感想だけではなんなので、アマゾンでのレビューを転記しておこう。

 --ここから--

5つ星のうち4.0

なかなかいい。一気にシリーズ読破!ユダヤ、ナチ、これらの関係本が読みたくなった。深く知りたい。


5つ星のうち3.0 ライトなハードボイルド

相変らずのハードボイルどっぷり。

バックボーンにある、宗教や民族が、あまりなじみがないので、リアリティがあるんだか、ないんだかわからない。いや、逆にそれが、物語としてはいいかもな。

今回は、主人公の真田が守り続けているヒロインの前に、気になる男が現れる。この男は、敵なのだが……。

静かに進む前半に比べて、ラストはすごいスピード感。そのせいで、あまりにも人間の心理が薄いなぁ、と思ったりもした。まぁ、軽い感じで読むのが、ベストですね。


5つ星のうち1.0 スパイ小説

ロシア人エージェントから、陸上自衛隊員とインテリジェンスが我が国の支配階級支族、芳賀一族を守るというストーリー。芳賀一族は、人の心を読み取ったり、未来を予期する特殊能力を持った設定になっている。一族の末梢と国内企業の乗っ取りを官民連携して阻止する様を、格闘アクションを交えてスリリングに描いている。特に、尾行、監視、格闘、銃器などの記述は生々しくて読み応えがある。ユダヤと日本との関わりについては僅かしか触れられていなくもどかしいが、それについてはある程度の予備知識を前提としているのかもしれない。内容が内容なだけに、屋外で読む際にはブックカバーをつけて読んだ方が身のためだろう(冗談です)。

 --ここまで--

  ちょいと、日本のアニメ「閃乱カグラ」の設定をみようか。

 --ここから--

『閃乱カグラ』の舞台となるのは、学生数1000人を抱える名門マンモス進学校「国立半蔵学院」だ。 それは表の顔で、実は現代にも生き続ける忍のなかでも“善忍”を育成するために 作られた機関「内閣特務諜報部諜報一課付特殊機密諜報員養成所」(通称、忍学科)である。

この国立半蔵学院忍学科に籍を置く5人の少女たちの愛と勇気の軌跡をアニメでは描く。闇の世界に生きる"悪忍"となるべく励む少女たちとの究極の爆乳ハイパーバトルが幕開く

 --ここまで--

 なんというか、日本の2千年近い試行錯誤を踏まえた上で、この突き抜けたようなハチャメチャな荒唐無稽さこそが、日本のアニメの核心部分だし、魅力となっていることがわかる。

 閃乱カグラの画像も張っておこう。