▲当然だろうなぁ。
一民間企業がどういう経営判断をしようが、国が絡む訳にはいくまい。
仮に国が関与して、どこかでその民間企業が行き詰まれば、その責任が取れるのか?
つまり、民間の一企業のことは、その経営者にすべてを委ねるしかないのだ。
あれっ、すべてを言ってしまったな。
いや、なにかというと、日産とルノーの経営がどうたらとフランスの大統領が日本の安倍さんと話し合いたい—とか言い始めて、それに対する回答が表題だ。
まさしく、正論であろう。
まず、安倍さんの記事から抜粋。
安倍晋三首相は11月30日午後、フランスのマクロン大統領と訪問先のアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで会談した。
日産自動車元会長のカルロス・ゴーン容疑者の逮捕を受け、日産自動車と仏ルノー、三菱自動車の3社連合の今後について議論した。
日本政府によると、首相は「(3社連合は)日仏産業協力の象徴だ」との認識を示した。
今後については「民間の当事者で決めるべきで、政府がコミットするものではない」と強調した。
日仏首脳は3社連合が安定的な関係を維持することが重要だという点では一致した。
会談はルノーの筆頭株主であるフランス政府が要請した。
ブエノスアイレスで始まった20カ国・地域(G20)首脳会議の合間の時間を使って短時間の会談を行った。
現在、ルノーは日産に43.4%、日産はルノーに15%をそれぞれ出資。
日産側は「不平等」な資本関係を見直したい考えだが、フランスのルメール経済・財務相は資本比率の維持を主張しており、溝がある。
▲補足、感想など
西欧諸国における製造会社がうまくいかないのは、西欧諸国における牢固たる階級社会のせいであろう。
そして、その背後にあるのは「教育のおかしさ」だ。
つまり、一握りのエリートを輩出しても、油だらけになって、作業服を着たまま、そこらに寝っ転がって、徹夜徹夜を続けながら技術開發をするという技術職を生み出すことができないためだ。
例えば、マツダのスカイアクティブなんてエンジンをみてみよ。
--ここから--
2015/09/28(月)
◆自動車メーカーにあるまじきVWの背信行為
ディーゼルエンジン(DE)の排ガス規制に対し、独フォルクスワーゲン(VW)が自動車メーカーにあるまじき背信行為を行い、
世界に大きな波紋を投じている。日本ではマツダのSKYACTIV技術によるDE車が評価を得てその復活が進んでいるだけに、
影響が懸念される。
だが、良くも悪しくもディーゼルへの注目が高まるので、同社の革新的なDE技術への認知が広まる機会ともなりそうだ。
この事件を受けて念のためマツダに問い合わせると、VWが不正を行った排ガス性能を制御するようなソフトは、当然のことなが
ら「搭載していない」(国内広報部)。
さらに世界各国・地域での排ガスなどの審査についても適正な認証を得ていると強調する。
VW事件の震源地である米国でのマツダ車の販売は、1-6月で前年を2%上回り堅調に推移している。
また、北米へのDE車は「発売を検討している段階」(同)と未投入なので、DEを巡る当局の調査などによる混乱は起こりようがない。
◆ディーゼル開発はNOxとの闘いの歴史
VWが蛮行に手を染めることになったNOx(窒素酸化物)は、大気中の濃度や気候によって人体に有害な光化学スモッグを起こす厄介なシロモノだ。
DEの排ガス技術開発は、主にNOxとの闘いであったといっても過言でない。
DEはガソリンエンジンよりも
高圧縮状態で、軽油と空気の混合気を自然着火させて燃やす。
燃焼室は高温、高圧になるため軽油と空気が十分に混ざる前に着火しやすく、
これがNOxやススなどのPM(粒子状物資)を増やすこととなる。
「クリーンディーゼル」と呼ばれ、各国・地域の最先端の排ガス規制をクリアするDEでは通常、NOxの低減には触媒、
あるいは排ガスと尿素水を反応させるなどの後処理を施している。
尿素水方式は大型トラック用のDEで実用化されているし、
トヨタ自動車も今年開発した2.5リットルと2.8リットルのSUVやピックアップトラック用の新世代DEに採用した。
マツダのSKYACTIV-Dと呼んでいるDEには、そもそもNOxの後処理装置がない。
DEでは常識外れともいえる
低圧縮比にしたエンジンでの燃焼により、NOxなどの抑制につなげているのだ。
つまり、DEでは通常18程度となっている
圧縮比を、『CX-5』などに搭載されている2.2リットルのSKYACTIV-D(2012年発売)では14.0とし、世界の自動車用DEでは最も低くした。
◆常識外の低圧縮燃焼でディーゼル復活をけん引
このような低圧縮比では、寒冷時や始動時などエンジンが温まっていない状態では混合気が着火できなくなる。
DEの低圧縮比は、まさに常識外だった。しかし一方で、低圧縮比だと排ガスが飛躍的にクリーンになることも分かっていた
マツダは、吸気バルブを開けるタイミングを遅くし、1度閉じた排気バルブを吸気中に再び少し開けるといったバルブの
独自制御などにより、難題だった低圧縮比での燃焼技術を確立した。
低圧縮化によってエンジンは比較的コンパクトにでき、排ガス関連システムの簡素化によってコストの縮減や軽量化も実現できた。
マツダの国内販売は、14年に1.5リットルも加わったSKYACTIV-Dシリーズ搭載車が高い評価を得て快走している。
15年上期(1-6月)は国内市場全体が前年同期比11%減と低迷するなか、マツダ車は15%増の13万9100台と大きく伸ばしている。
このうち5車種を販売しているDE車が前年実績の約3倍に相当する6万2000台と、伸びをけん引している。
国内総市場の乗用車に占めるDE車比率は、足元で3%程度にとどまるが、00年代のほぼゼロ状態から
SKYACTIV-Dの投入を契機に復活が進んでいる。DE車の力強い走りや燃費および排ガス性能が再評価され始めた矢先のVWショック。
しかし、販売店を含むマツダ陣営にはSKYACTIV-Dの特質をしっかりとユーザーに訴え、引き続きDE復活の先導役を担ってもらいたいものだ。
--ここまで--
「吸気バルブを開けるタイミングを遅くし、1度閉じた排気バルブを吸気中に再び少し開けるといったバルブの
独自制御」--という部分が核心なのだが、こういう工夫が一握りのエリートから生まれると思うか?
これこそが、日本のような「その他おおぜい」の技術者が、作業服を着たまま、そこらに寝っ転がりながら徹夜徹夜を繰り返して、やっと見出した工夫なのだ。
「その他おおぜい」なりゃこそ、できる。
日本の教育制度が、西欧の牢固たる階級社会における教育制度より、「優れている」ためだ。
フランス・ルノーという会社には、上のマツダのような技術者を生み出し得まい。
だから、ロクな車も造れないのだ。
マクロン大統領がなにを言おうが、こういう教育制度の違いからうまれた「技術格差」はいかんともしがたい。
日産とルノーの関係は、その「技術格差」により、自然と落ち着くところに落ち着いていくだろうな。
ちょいと、ルノーがらみの記事をのせておこう。
--ここから--
2018/03/08
経常黒字6074億円
貿易赤字6666億円
[ロイター] -
日産自動車(7201.T)が、フランス政府保有のルノー(RENA.PA)株15%の大半を買い取る方向で協議していることが、関係筋の話で分かった。
関係筋3人によると、日産会長のカルロス・ゴーン氏が示した提案を巡り、両社と政府当局者らが話し合っている。
ただ、合意にはなお大きな障害があり、政府の承認もまだ得られていない。フランスと日本サイド双方の利益を均衡させる必要があるという。
日産・ルノー連合の広報担当者は「メンバー各社の株式持ち合い比率を変更する計画はない」と話した。
フランス財務省の当局者は、ルノー株を日産に売却する用意があるとの指摘を全面否定した。
仏政府保有のルノー株、日産が買い取りに向け協議=関係筋©
REUTERS 仏政府保有のルノー株、日産が買い取りに向け協議=関係筋
同筋によれば、統合推進に向けた準備段階として、オランダの暫定組織が日産、ルノーと三菱自動車(7211.T)の経営を監視する仕組みも提案した。
ルノー株終値は約5.6%高の94.44ユーロ。
日本側の市場ルールに基づくと、日産がルノーへの出資比率を現在の15%から25%以上に高めれば、ルノーは日産の議決権をすべて失うとされる。
フランス政府がルノー株の大半かすべてを売却すれば、マクロン大統領にとって政治リスクとなる可能性もはらむ。
同筋によると、同国政府は影響力を失うことに加え、統合グループの本社所在地によって、雇用や税収などに影響が及ぶとの懸念もなお抱いている。
フランス政府が提案を受け入れるためには、雇用や投資、経営参加のほか、主要な戦略決定を巡る拒否権付きの「黄金株」などの分野で、強力な譲歩や保証が必要と、同筋は話している。
2017/03/26(日)
フランスの自動車大手ルノー(Renault)が25年以上にわたり、
ディーゼル車とガソリン車の排ガス試験で不正行為を行っていたことが15日、
AFPが入手した仏不正捜査当局の報告書で明らかになった。
カルロス・ゴーン(Carlos
Ghosn)最高経営責任者(CEO)を含む経営幹部もそれを認識していたとしている。ルノー側は不正を否定している。
報告書は、ゴーン氏を含むルノーの経営陣全体が「詐欺的な戦略」に加担していると指摘。
この報告書に基づき、仏検察当局は1月に同社の捜査に着手している。
ルノー側は疑惑を全面的に否定している。
AFPの電話取材に応じたティエリー・ボロレ(Thierry
Bollore) チーフ・コンペティティブ・オフィサー(CCO)は「ルノーは不正を働いていない」と述べ、
ルノー車はすべて法定の基準に従っていると強調した。
報告書はルノーの排ガス制御に関する決定に関して、
ゴーン氏が承認を他の人物に任せた形跡がない以上、最終的には同氏の責任になると記している。
報告書によると、試験中に有害物質の排出量を少なく見せる装置が「多くの車両」に搭載されていた。
路上走行時の排出量は試験時に比べ最大で377%多かったという。
報告書は最近の車を主な対象としているが、
捜査当局はルノー元従業員の証言も踏まえ、
こうした不正が1990年から行われていたとみている。
--ここまで--