▲正しく恐れるということは大切なことだ。
まず、記事から抜粋。
2020/03/13(金)
新型コロナウイルスの影響により、3月に入ってから日本経済が完全に沈滞してしまいました。
日本全国で、宴会シーズンなのに飲食店では宴会のキャンセルが相次ぎ、ホテルは宿泊もラウンジもガラガラ。飛行機や新幹線の予約もキャンセルが多く、高速道路からも観光バスがなくなり空いています。
中国人観光客の大半が消えてしまったことに加え、安倍総理のイベント自粛要請と学校休校の措置により、企業と国民の双方が一気に自粛モードに入った結果ではあるのですが、冷静に周りを見回すと過剰な自粛、“自粛”を通り越した“萎縮”になってしまっているように見受けられます。それはなぜでしょうか。
● 勝手に「1-2週間が瀬戸際」と言った専門家会議
ここで改めて自粛に至った経緯を振り返ると、最初のきっかけは、内閣官房に設置された専門家会議が2月24日に、「これから1-2週間が急速な(感染の)拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際となります」という見解を示したことです。
この専門家の見解を受けて、安倍首相が2月26日にイベントの自粛を、そして27日に小中高校の全校休校を要請しました。
ところで、この経緯の中で私が1つ疑問に感じていたことがあります。どうして専門家は「1-2週間」という具体的な数字を発表したのだろうかということです。
そもそもコロナウイルスは新しい感染症ですので、当然ながら専門家も明確な根拠や確証を持って「1-2週間」と具体的な数字を示せるはずがありません。単に専門家の切迫感の表れなのでしょう。
ところが、政治的には具体的な数字を出すのは重い判断です。この「1-2週間」がたったら本当に瀬戸際を超えたのか、と問われることになるからです。
普通なら「当面の期間」などといった表現にするでしょう。案の定、今週が2週間後に該当するので、安倍総理は3月10日にイベント開催の自粛を10日程度継続するよう要請する羽目になりました。
ちなみに、2月24~27日の前後に政府内でどのような議論や意思疎通が行われていたか、私が官邸周辺を中心にさまざまな関係者から情報収集したところ、どうやら専門家会議は官邸の完全な了解を得ないまま「1-2週間」という数字を発表した可能性が高いように感じます。
専門家会議の議論の中身を仕切っているのは厚労省のはずなので、官邸と専門家会議をつなぐべき立場にある厚労省がここでも大きなミスを犯したのです。
● 過剰な自粛をあおる2つの原因
それはともかく、日本全体の過剰なまでの自粛の背景にあるのは、もちろん安倍総理のイベント自粛要請ですが、ここで改めて“自粛”の正確な意味を調べてみると「自分で自分の行いを慎むこと」(広辞苑)となります。そして“慎む”の意味を調べると「あやまちや軽はずみなことがないように気をつける。慎重に事をなす」とあります。つまり、「自粛イコール何でも中止」とはならないではないのです。
実際、2月26日の新型コロナウイルス感染症対策本部(第14回)で安倍総理は、「この1、2週間が感染拡大防止に極めて重要であることを踏まえ、また、多数の方が集まるような全国的なスポーツ、文化イベント等については、大規模な感染リスクがあることを勘案し、今後2週間は、中止、延期又は規模縮小等の対応を要請することといたします」と述べています。中止は選択肢の1つに過ぎないのです。
それにもかかわらず、イベントのみならず宴会や旅行も含め、経済活動の凄まじいまでの自粛が起きているのは何故でしょうか。私は2つの原因があるのではないかと思っています。
1つは、コロナウイルスについて専門家の間でも意見が分かれている中で、感染症の専門家の方々の中にはちょっと極端な持論を気軽に言い過ぎている人がいて、それが結果的に国民の不安心理を過剰に煽っているのではないかということです。
メディアに出演している専門家の中に数名そういう人が見受けられますが、政府の専門家会議のメンバーも同様です。そもそも2月24日に「これから1-2週間が瀬戸際」と言ったのも、本当に2週間で沈静化するか誰も分からない中では無責任と思います。
また、メンバーの1人は会見で「戦いは数カ月から半年、年を超えて続くかもしれない」と発言していますが、それが本当に事実か分からない中でこういう表現をすると国民の不安を煽るだけであることを考えると、それを公の場で平気で言っていることには違和感を覚えます。
▲補足、感想など
上の発言は、岸博幸さんの発言なのだが、どうも違和感を抱く。
岸さんって文系か?
この違和感って、昔感じたことがあるような。
あぁ、東電の福島原発について、東電社内で、原子炉内を検査するロボット製作を進言したら、原子炉の安全性を「疑う」ような行動をやめろ—とかいった重役がいた---という話と通底しているようだ。
文系の頭の回転だけはいい—という人がいる。
頭が切れすぎて、「通常人が思いつかないような余計なことまで、考えつくのだ」。
技術系なら、もっと素直な発想をする。
リスクがあるなら、それなりの対策をとればいいじゃないか---と考える。
ロボットだろうと機械の移動であろうと、原因に対して効果のある行動をとればいい—と考える。
上の医療系の専門家も実務者であるから、1~2週間、集団行動をストップさせれば、とにもかくにも、パニック的な感染を防げる—と発想したものだろう。
表題でもふれた。
相手は、正体不明な病気なのだ。
正体不明な病気に対して、「正しく恐れる」ということこそ、こういう場合にとる正しい発想というか、正しい真っ当な判断だと思える。
岸さんの曰くは、いわば、現在時点で、「なんとかパニックは防げたという時点での発言」であり、いわば、「後出しジャンケン」のような発言だ。
上で紹介した、東電重役の「原発の安全性を世間の人間に疑いをもたせるような行動にでるな」てな、もう、頭の回転だけはいい---という実務者ではない、頭でっかちの発言だろうな。
この岸さんの発言に対して、日本人からの書込みがあった。いくつか拾ってみよう。
-ここから-
4:
>>1ならお前が感染してみたら?
352:私自身の感染はそこまで気にしていないなーどうせ発症しないで終了だろうし
6:
過剰かどうかは終わってみないとわからんだろ
200:
海外の状況見てると過剰とは言えないし、未だ不明な部分が多い
479:現時点で過剰とは思えないよね。つか、もっとやるべきだよな。
651:そう思う症状和らげる薬ができるまでは過剰に気を付けるしかないかと
696:
ホントそれ陽性オッサンあんなに簡単に拡散しちゃってんだから
8:他の国でも同等以上の対応してるのに?そんなに日本で被害少ないことが不満か?
9:
過剰とは思わない、まだまだユルユル。
11:こういうのは過剰と思うくらいが丁度いいんだよ
20:ダイヤモンドと東洋経済は前から狂ってるよ日本下げ欧州素晴らしいばかり
528:
この人、TBSでダイプリの感染者も日本の感染者と合算して平気で日本は感染者が1000人超えてるとか言ってたよ要は番組の希望通りしゃべる風見鶏
319:不安を煽って記事売るためその記事で不安を煽るなゆうてんだから笑える
18:
逆、逆で批判を繰り返すバカはいらない。
21:こいつ長々と書いてるけど専門家会議の会見見てないな。3週間になるかも知れんしもっと伸びるかも知れん間は最初から言ってるよ。それにピークまでの期間じゃなくて、まだ手が打てる正念場の期間だと言ってる。
29:
そりゃあ「国民の自己責任」にされた以上自分で自分の身を守ろうと過剰になるわな
870:
実際下請けがだして事業所閉鎖に追い込まれたせいで出した下請けが事業所全体の消毒費用支払ったなんて事例が出てきてるしな過剰に思えるような対策しないと後で失うものが大きすぎる
33:
EUみたいな事になったら手遅れ
35:イタリアの惨状を見てどこが過剰だと言えるのか?
425:
>>35むしろ日本の対応は間違ってなかったんだなと思った
36:
もうサッカーのチャンピオンズリーグ、各国リーグまで中止になってるからな
38:
政府の初動的にイタリアみたいになっててもおかしくなかった日本国民の危機意識の高さ衛生管理の高さでなんとかなってる
157:
だから安倍が「専門家の意見を聞いていない」と政治判断で学校休校まあ専門家でも正しい答えなんて出せんわな政治判断しか対応策が無い
55:
世界中どこでもじゃんこれから増えてくだろ
58:
別に日本だけじゃねえよ、馬鹿か?中国イタリアは勿論、アメリカも続々自粛
14:もう過剰だったと言い切れるのか。責任とらない書き物の仕事はうらやましいな
-ここまで-
大切なことを繰り返そう。
未知の病気に対して、「正しく恐れる」ということは真っ当な判断だ。
★追記
山中先生が、このあたりについて、コメントされていた。
政府の自粛要請について、山中伸弥教授「今よく言われるのは『エビデンスはあるんですか』と、これはエビデンスを待っていたらいつまでも対策はできない。人類初経験エビデンス何かどこにもない。その間何もしなかったら手遅れになる」
山中先生が、このあたりについて、コメントされていた。
政府の自粛要請について、山中伸弥教授「今よく言われるのは『エビデンスはあるんですか』と、これはエビデンスを待っていたらいつまでも対策はできない。人類初経験エビデンス何かどこにもない。その間何もしなかったら手遅れになる」
これが、実務家・技術職の発想だ。
岸さんの曰くが、いかに東電重役並の「頭デッカチ」の発言か理解できる。
岸さんの曰くが、いかに東電重役並の「頭デッカチ」の発言か理解できる。