▲カナダのコンビニ大手が、セブン&アイhdを買収しようという話は、かってのウォルマートが西友かなにかを買収した話に類似したものと思える。粗雑な感覚で日本のコンビニを経営できるものか。たかが、おにぎり一つに、サンドウィチ一つにどれだけ精力をつぎこんでいるか--そのあたりをしらずして、日本式コンビニを経営なんて無理なことだ。表題のカナダの猛者なんて---、カナダの物知らずだろう。
※米セブン本家を争奪 日本支配に挑むカナダの猛者2024年8月23日 セブン&アイ・ホールディングス(HD)が、カナダのコンビニエンスストア大手、アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けている。「元祖コンビニ」である米国セブン―イレブンからみれば、実質的な親会社が日本のセブン&アイから、カナダの会社に変わるかどうかの分かれ目だ。日本とカナダ企業が米セブン本家を争奪する構図と言える。約30年前に経営破綻した米社を立て直してきた日本流のコンビニモデルが正念場を迎えている。セブン&アイへの買収提案の具体的な内容はいまだ明らかになっていないが、セブン&アイ幹部は「傘下にある米国のコンビニ事業が大きなねらいだろう」という。すでに日本より北米事業のほうが利益は多く、成長余地も大きい。日本の視点で今回の買収提案をみると、海外企業による過去最大級の日本企業買収ということになるが、米セブン―イレブンから見ると違う風景がある。「実質的な親会社が日本企業からカナダの企業に変わる」ということだ。■30年苦労して育てた米セブンが標的に 今から100年近く前、1927年に米国ダラスの製氷所の従業員が、氷と一緒にパンや卵を売ったのが、セブン―イレブンとコンビニのルーツとされる。セブンイレブンは日本でも1974年からイトーヨーカ堂グループ(現在のセブン&アイグループ)が展開したが、本拠地の米国では激しい競争の中で、苦境に陥った。 経営破綻した米セブン―イレブンに対して1991年、イトーヨーカ堂グループが出資・支援し、2005年に完全子会社化を決めた。過去30年以上にわたり、セブンイレブンの「本家」である米社が、日本企業の傘下にあるという構図が続いてきたわけだ。クシュタールが米国市場に参入したのは2001年で後発だ。その後、M&A(合併・買収)を軸に事業を広げて、米セブン―イレブンのライバルに育った。そして、今回そのライバルを飲み込もうと買収をしかける格好だ。今回の買収計画は株主などのステークホルダーにとって、妥当なものなのかどうか――。言い換えれば、「元祖コンビニを保有する会社としてふさわしいのは、日本企業なのか、カナダの同業なのか」という問いになるだろう。セブン&アイ主導で、米国事業は一定の成長を遂げてきたことは間違いない。経営破綻から再生させただけでなく、ガソリンスタンド併設の売店のイメージが強い米国のコンビニエンスストアを進化させようと力を注いできた。当初は方針が浸透せずに、日本側の思惑通りに売り場や商品は改善しなかった。「当社は世界中のセブンイレブンの先生だったが、今はジャパン社の生徒として優れた仕組みを学ぶ時」。2003年に筆者が、米セブン―イレブン本社を取材したとき、当時のジェームス・キーズ最高経営責任者(CEO)は語っていた。強調していたのは「タンピンカンリ(単品管理)」の重要性だ。日本で「コンビニの父」とも呼ばれた鈴木敏文・元セブン&アイ会長が確立した商品管理の手法を、米国でも取り入れようとしていた。日本で成功したおにぎりや弁当にならって、サンドイッチなどの食品を強化してきた。2021年に2兆円以上を投じて買収した同業スピードウェイに対しても、日本流のノウハウによって商品力を強化する途上にある。ただ日米の関係が常に良好だったわけではなく、感情面も含めて微妙なバランスの中で事業を進めてきた。米国の象徴と言われたロックフェラーセンターの買収を1989年に決めた三菱地所が米世論の猛反発をうけたような事態になったわけではないが、日本側に買収された米セブン―イレブンの幹部たちの心の中には「もともと本家は米社だ」という誇りがあった。■米国でくすぶる「再上場構想」を押さえ込む 2005年に日本側がグリップを強めようとした時も一筋縄ではいかなかった。セブン&アイが米セブン―イレブンを完全子会社化し上場廃止にしようとすると、米社側は株式買い付け価格が低すぎるとして抵抗した。難航した末、何とか実行した後に米セブン―イレブンの経営陣を刷新した。その後、表向き米社の経営は順調だったが、関係者によると、2010年代半ばには、米社側で再上場の意向がくすぶっていたという。再上場で米国市場の成長戦略を加速させようという構想だったが、日本のセブン&アイ側が抑え込んだ。 そうした動きから透けて見えるのは、米セブン―イレブンの強い独立心だ。「日本の本社の言いなりにはならない」という意識があっても不思議はない。今年5月には、セブン&アイ取締役であるジョセフ・マイケル・デピント氏の年77億円という巨額役員報酬が注目された。 同氏は米セブン―イレブンCEOでここ数年の北米事業拡大の立役者であるが、セブン&アイグループの中で米社の存在感がさらに高まってきたことも映す。セブン&アイ関係者からは「表向きは日本に従う米国の幹部らの本心はどうなのか、疑問に思うこともある」といった声も聞かれる。 そして現状、米セブン―イレブンはインフレ下の顧客買い控えで苦しい状況にある。既存店売上高は11カ月連続のマイナスが続く。直近四半期の決算発表では海外コンビニエンスストア事業は大幅減益だった。投資家らからは、クシュタールといった競合相手に比して、販売などが劣勢なのではないかとの懸念も出ている。折しも明らかになったのが、今回の買収提案だ。クシュタールは、カナダが起源だが、地続きで文化も似ている米国で巧みな買収を繰り返し、成長してきた実績がある。そごう・西武などセブン&アイの買収戦略には失敗例も目立つのに対して、クシュタールの買収戦略に株式市場の評価は高い。クシュタールはセブン&アイに対して「友好的な」提案をしたと発表した=ロイター 米セブン―イレブンが2021年に同業スピードウェイを買収した際、クシュタールも水面下で獲得に動いていたとみられる。同社は米国M&A市場での大きな「出物」を手にできず、成長の選択肢が狭まった中で、これまで対決してきたセブン&アイそのものを取りにきた。 ■クシュタール、創業者が指揮するM&A戦略 クシュタールのM&A戦略の特徴は、いまも会長として現役で活躍する創業者、アラン・ブシャール氏が指揮していることだ。昨年欧州で買収を実施したが、相手側の社員らを「ファミリー」に迎え入れることに自信を示し、理念共有の重要性を説いた。「過去の成功の秘訣であり、これから先、数十年も自信をもっている」とメッセージを出している。M&Aへの強い意志がにじむ。 ■セブンイレブンには鈴木敏文氏の哲学が隅々まで浸透していた 対抗するのが、日本流のコンビニモデルということになるが、実はこれも、もともとは、鈴木敏文元会長のカリスマ性に裏打ちされたものだった。同氏は創業家ではないものの、日本流コンビニの創始者として日米で強い求心力をもっていた。独立心の強い米セブン―イレブンは、長く鈴木敏文氏のカリスマ性によって統治されてきた面がある。もちろんクシュタールが親会社になった場合、彼らをうまく統治できるかどうかは未知数だ。ただセブン&アイは、買収提案を退けるためにも、日本流コンビニ経営がこれからも成長に資することを、あらためて示す必要があるはずだ。鈴木氏は2016年に引退しているので、カリスマに頼らずに実績を重ねて求心力を発揮するしかない。米国以外のアジア圏などでのグローバル展開も、米国発祥のセブンイレブンのブランド力と日本流の食品強化のノウハウで市場開拓していく方針だ。仮にクシュタールが買収に成功すれば、グローバル展開に弾みがつくだろう。「元祖コンビニ」のブランド力は、いまのクシュタールがもつ「サークルK」などを大きく上回るからだ。1980年代、日本の経済力が大きく伸びて、米国などで日本に学ぼうという機運が高まり「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という言葉も流布した。だがその後の日本企業をみると海外企業の大型買収で長期的成果を上げた例は限られており、セブン&アイは貴重なモデルケースである。仮にカナダ企業が買収に成功した場合、日本企業によるコンビニ世界展開という物語は終止符を打たれる。胸躍るシナリオを続けるには世界で通用する経営力を示さなければならない。
※セブン買収、8兆円規模でも成算 カナダACTのM&A戦略セブン&アイ買収提案2024年8月27日 セブンイレブンのブランド力やフランチャイズシステムが高く評価されている。セブン&アイ・ホールディングスに買収提案をしている、カナダのアリマンタシォン・クシュタール(ACT)は26日、買収で食品部門を強化していきたいとの考えを明らかにした。これまでのM&A(合併・買収)からみると、セブン&アイの上場来高値時(2244円)の時価総額を約5割上回る8兆円規模となっても推し進めてくる可能性がある。 1980年にカナダのケベック州でコンビニエンスストア1号店を出したのが始まりのアリマンタシォン。転機となったのは2003年の「サークルK」運営会社の買収だ。総額8億380万ドル(約1200億円)を投じ、本格的に米国市場へ参入した。その後もM&Aを駆使して成長してきた。24年4月期の売上高は692億ドル(約10兆円)と、04年4月期(43億ドル)から20年間で16倍に拡大した。04年8月末に28億カナダドルだった時価総額は748億カナダドル(約8兆円)まで増えた。 04年以降で75件のM&Aをしてきたが、ほぼ5年おきに大型買収を手がけている。12年にはノルウェーのスタトイル・フュエル・アンド・リテール、17年の米CSTブランズ、23年にも仏トタルエナジーズの給油所の一部を買収した。キャッシュフロー計算書では13年4月期に26億ドル、18年に53億ドル、24年に42億ドルをM&Aに費やしている。今回のセブン&アイへの買収提案の詳細は明らかになっていない。そこで過去、買収相手をどう評価してM&Aをしてきたかを検証してみる。M&Aの現場では株式時価総額と純有利子負債の合計である事業価値(EV)とEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)を比べてEV/EBITDA倍率を使うことが多い。事業価値を稼ぐ力の何倍で評価したかを示し、買収資金を何年で回収できるかの目安にもなる。QUICK・ファクトセットで過去のM&AのEV/EBITDA倍率をみると、03年のサークルKは5.4倍、17年の米CSTは最大の10.3倍となっている。また19年に相手の経営陣の同意を得ないまま買収を提案したオーストラリアのアンポルでは、当初の提案価格を2度にわたり引き上げている。2回目の引き上げ時のEV/EBITDA倍率は17倍だ。新型コロナウイルスの感染拡大で買収自体は取りやめになったが、必要とあれば高い価格でも買収に乗り出す傾向がでている。 セブン&アイの24年2月期のEBITDAは1兆549億円。買収成立時で最大の米CSTと同じ10.3倍で評価した場合、EVは10兆8659億円となる。純有利子負債(QUICK・ファクトセット、2兆2840億円)を差し引くと、株式価値は8兆5819億円(足元は約5兆3000億円)だ。23日時点の発行済み株式数ベースで、1株約3300円となる。足元の株価(26日終値2038円)に6割程度のプレミアム(上乗せ幅)があり、24年2月につけた上場来高値(2244円50銭)を5割上回る水準だ。豪アンポル並みにEV/EBITDA倍率を引き上げると、さらに上積みされる。アリマンタシォンの24年4月末の手元資金は18億ドルにとどまる。仮に8兆円規模で現金買収となった場合、大規模な資金調達が必要となるが、アリマンタシォンによると「資本市場での豊富な経験があり、今回も十分な財務力がある」ので問題はないという。財務は健全だ。大型のM&Aを手がけながら自己資本比率は過去20年、30%超を維持してきた。財務規律として、調整後EBITDAに対する純有利子負債の割合を示すレバレッジ比率(有利子負債比率)の上限を2.25倍に設定している。24年4月末は2.21倍で、米S&Pグローバルの格付けも投資適格のトリプルBプラスだ。約8兆円(約550億ドル)を、すべて社債や銀行借り入れなどの有利子負債で調達したとすると、規律の上限を超えるのは確実だ。ただ、M&Aなどのリサーチを手がけるカナダのテブズ・キャピタルのタイラー・テブズ氏は「一世一代の取引として有利子負債比率で4倍台、少なくとも3倍台半ばまでは許容するのでは」との見方を示す。BMOキャピタル・マーケッツのタミー・チェン氏は有利子負債比率を3.75倍と推定し、「我々のシナリオでは210億ドルの有利子負債と、40%の希薄化が伴う250億ドルのエクイティ(株式)、さらに米国規制に対応するため資産売却などを通じて40億ドルの現金による調達が必要」とみる。資本調達についてテブズ氏はアリマンタシォンのお膝元の「ケベック州の年金基金が資金の出し手となる可能性もある」と指摘する。ケベック州貯蓄投資公庫「CDPQ」は運用資産が4520億カナダドル(約48兆円)に達し、再生可能エネルギーやインフラなど日本での投資実績もある。セブン&アイはアリマンタシォンからの提案を社外取締役による特別委員会で検討を進める。買収の成否はアリマンタシォンがどのくらい財務リスクを負うかにもかかっている。
※コンビニエンスストア大手セブン-イレブンが年明けから全国の店舗で随時本格販売を始める「セブンカフェドーナツ」。レジカウンター横のカフェマシンに並べて専用ボックスが設置される。同社はドーナツを、2013年に販売を開始し年間約5億杯を売り上げる大ヒット商品となった、セルフ式入れたてコーヒー「セブンカフェ」に次ぐ新たな主力商品に位置付ける。すでに関西地区では本格販売が始まっており、一部インターネット上などでは外観や味が「まるでミスド(ミスタードーナツ)」と話題を呼んでいるが、東京都内ではまだ10店舗で実験販売されているだけ。販売している店舗を見つけて、さっそく購入してみた。さらにミスドだけでなく、他のコンビニの袋入りドーナツも含めて食べ比べをしてみた。ちなみにローソン、ファミリーマート、サークルKサンクスの3社の製造元は、すべて山崎製パンだった。まずは都内で販売されているドーナツの種類だが、チョコオールドファッション、ふんわりリング、ダブルチョコレート、もちもちスイートリング、いちごチョコオールドファッション、ホイップの6種類。このうち関西でも販売されているのはチョコファッションだけ。そのほかの5種類は、現時点では関西で扱われていないもよう。
(1)チョコオールドファッション
まずはチョコオールドファッションから比較してみよう。これは文字通りミスドのチョコファッションの「そっくりさん」だが、ローソン、ファミマ、サンクスの袋入りにもそっくりさんがいる。まずは見た目だが、大きさが全然違う。完全な円形ではないので一番長い部分の直径で比べると、セブンだけが9cmで、ミスド、ローソンが10cm、ファミマは12cmでサンクスは11cm。生地の割れ方もセブンだけが著しく、セブン以外の袋入りのほうがミスド似。生地の味もミスドと3社の袋入りは実によく似ていて筆者には同じに感じられたが、セブンの生地はごつごつしていて硬め。ザクザクしているともいえるが、キメが粗い印象を受けた。コーティングされているチョコレートは、ローソンだけがビターでミスド、セブン、ファミマ、サンクスはミルク系。このうちセブンは若干薄め。ローソンはビター系だから目隠しされてもわかるが、他の2社はミスドとの判別は難しい。というわけで、チョコファッションとのそっくり度はファミマとサンクスが同率首位。ちなみにカロリーはミスド353、セブン339、ファミマ495、サンクス492。
(2)ふんわりリング
お次はふんわりリング。ミスドだとハニーディップとシュガーレイズドが近いが、シュガーシロップのコーティングモノなので今回はハニーディップで比較してみた。袋入りでこの商品のそっくりさんを出しているのはローソンだけなので、ミスドのハニーディップ、セブンのふんわりリング、ローソンのシュガーで比較してみた。まずは大きさだが、これもミスドが直径10cm、セブン9cm、ローソン10cmとセブンだけが小さい。生地はミスドが一番しっかりしてはいるが、3つともほとんど差はない。だが、コーティングに使われているシュガーシロップの味がまったく異なり、ミスドは名前の通りハチミツ味。セブンとローソンは普通のシュガーシロップだが、セブンのほうが味は薄い。コーティングの厚みではローソンが一番。見た目も味もこれだけ違うと、おそらく誰でも見分けはつく。筆者個人の主観では、ハチミツ味のインパクトが強いミスドがイチオシ。
(3)もちもちスイートリング
次はもちもちスイートリング。ミスドならポン・デ・リング。コンビニではローソンのもっちリングきなこ。
肉眼だと大きさはわずかにローソンが小さそうに見えるが、定規で測ってみると実は3つとも同じ。シュガーコーティングの厚みはローソンが一番薄く、セブンが一番厚い。シュガーシロップの味は、ミスドがハチミツ味、ローソンがきなこブレンド、セブンが普通のシュガー味だが、やはりセブンの味は薄め。生地の弾力自体に大きな差はない気がするが、セブンの生地はわずかに塩気が効かせてある気がする。シュガーシロップの味はそれぞれまったく違うし、見た目も違うので、これもおそらく誰でも見分けはつく。筆者個人の主観でいえば、これもハチミツ味がインパクト抜群なのでミスドがイチオシ。同じ形状でいちごチョコをコーティングしたものでは、セブンが関西限定で売っているもちもちいちごリングが、ミスドのポン・デ・ストロベリーや、ポン・デ・リースストリベリーによく似ている。ただ、東京では売られていないので、ミスドとコンビニ2社で比較してみた。大きさはミスドとローソンが直径10cmでファミマだけが11cm。生地はプレーンのバニラで食感はほぼ同じ。ただ、いちごチョコの部分はミスドとローソンがほぼ同じ味でやや薄め。しっかり味がするのはファミマ。デコレーションは今売られているものがクリスマスバージョンなのでミスドも派手めだが、ファミマはミスドを上回る派手さ。筆者個人の主観で言えば、ちゃんといちごの味がするファミマが一番おいしい。関西で売られているセブンのもちもちいちごリングは、見た目はローソンのバージョンとほぼ同じ。ミスドが通常バージョンに戻せば、ミスド、セブン、ローソンはほぼ同じ外形だ。ちなみに、セブンはオールドファッションにいちごチョコをコーティングしたいちごチョコオールドファッションを販売しているので、このいちごチョコと比較してみると、セブンのいちごチョコの味はミスドやローソンと同程度で薄めだ。
(4)エンゼルフレンチ
フレンチクルーラーにチョコがけしたミスドのエンゼルフレンチのそっくりさんは、セブンからは出ておらず、コンビニではローソンとファミマが出している。まず大きさが全然違い、ミスドは直径8cmでコンビニ2社はともに9cm。中身のクリームはミスドがホイップのみ、ローソンがカスタード+ホイップで、ファミマがカスタードのみ。基本のシュー皮のおいしさは湿り気度に反比例する。生地のおいしさではミスドが断トツ。ローソンのホイップは少ししか入っていないので、ほぼカスタード味。コンビニ2社のカスタードの味は、ほぼ同じ。
(5)ダブルチョコレート
最後はミスドとセブンが一騎打ちになっている、ダブルチョコと、エンゼルクリームのそっくりさん。ダブルチョコはミスド、セブンともに同じ名前。サイズもほぼ同じだが、表面にミスドがチョコレートクッキーのクランチをまぶしているのに対し、セブンはなし。生地の味もチョコの味もほぼ同じ。クッキークランチだけが見分けるポイントだろう。エンゼルクリームとホイップは、表面の揚げ色がセブンのほうが濃く、ミスドは碁盤目状に模様が入っているが、セブンは模様なし。生地の味も中身のクリームもほぼ同じ味だが、クリームの分量ではセブンに軍配が上がる。
●ハイレベルな山崎製パンの袋入り
味の好みは人それぞれなので、支持するドーナツも人それぞれだろうが、もっぱら筆者の主観で言わせてもらうなら、味の面でセブンにアドバンテージがあるものはほとんどない。ホイップのクリームの量も、ナイフで切って比べてみたらセブンの方がミスドより多かったというだけで、普通にかじったら気づかない気がする。そして今回あらためて思ったことは、山崎製パン製のコンビニ袋入りバージョンのレベルの高さだ。明らかにミスドに負けているのは、フレンチクルーラーのチョコがけものだけだと筆者は思う。袋入りでこれだけのレベルを出せるのなら、わざわざ専用ボックスを使う意味がどこまであるのかと思ってしまう。セブンの製品は店舗で揚げているわけではないので、アツアツというわけではない。第一アツアツじゃ、チョコもシュガーコーティングもどろどろに溶けてしまう。冬場だからだろうが、買ってすぐ食べても1日置いても、味の劣化はほとんどない。 2年前、サンクスのある店舗がレジ横の専用ボックスでオールドファッション、ポン・デ・ショコラ、ポン・デ・ストロベリーのそっくりさんを販売していたが、1カ月ほどで撤去されてしまった。店長によれば「売れなかった」のだそうだ。今回のセブンの場合、これだけ話題になっているので発売当初は大いに売れるだろうが、問題は継続的に売れるのかどうかだ。果たしてドーナツはコーヒーに続く2匹目のどじょうとなるのか。東京で販売が本格的に開始される年明けが楽しみだ。
※S&P、セブン&アイへの買収提案「信用力の悪化圧力に」2024年8月20日 米格付け大手S&Pグローバル・レーティングは20日、セブン&アイ・ホールディングスがカナダのコンビニエンスストア大手、アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けていることについて「提案が実現するかどうかに関わらず、セブン&アイの信用力への下方圧力になる」との声明を発表した。S&Pはセブン&アイに「シングルA」の格付けを付与している。S&Pはセブン&アイについて、仮にアリマンタシォンからの買収提案を受け入れない場合でも株主から企業価値向上に向けた要請が強まるとみている。「成長投資や資本効率改善、株主還元圧力が高まり、信用力への下方圧力が強まる可能性が高い」(S&P)という。セブン&アイは19日、アリマンタシォンから買収提案を受けていると発表。社外取締役を委員長とした特別委員会を立ち上げている。セブン&アイ取締役会は特別委の結論を踏まえて買収提案を受け入れるか判断する。セブン&アイは4月、有利子負債がEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)の何年分かを示す「有利子負債EBITDA倍率」の26年2月期の目標を修正。従来の「1.8倍未満」から「1.8〜2.5倍」へ引き上げた。S&Pグローバルは「株主要請の高まりが同社の経営改革に大きな影響を与えている」とみている。
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