▲Mrj
の機体が初披露された。
「美しさ」という言葉を聞くと、ゼロ戦をつくった堀越二郎さんの言葉を思い出す。
その堀越さんの後輩達が、このmrj
を作り上げたということで、堀越さんの言葉をそのまま引き継いだものであろう。
ここで、堀越さんのいった「美しさ」という意味をもう一度確認しておきたい。
掲示板への書き込みなのだが、核心にふれている。まず、それをご紹介したい。
--ここから--
美しいものを作れ、は堀越技師の言葉だったか?(筆者注、堀越技師はゼロ戦の設計者)
『美しいものは機能性が高い』…のではなく、『機能性の高いものは自ら美しさを持つ』という意味。
『自分が美しいと思えるもの』には『正しい設計が宿っている』ということ。
七試艦戦の失敗を経て、9試単戦(97式艦戦)、12試艦戦(零戦)と開発していく中で行き着いた結論らしい。
--ここまで--
これなのだ。
美しいものをつくれ--とは、「機能性の高い・正しい設計が宿っているものは、自(おのず)から美しさを持つ」--という意味なのだ。<例えば、日本刀のように、例えば戦艦大和のように-->
この言葉を踏まえて、記事を読んで頂きたい。
以下、新聞から抜粋。
式典会場の格納庫にMRJ初号機は入ってきた。
機体側面には赤、黒、金色の筋。イメージカラーだ。
空気抵抗を減少させる翼端の「ウイングレット」に向かい、せり上がった
主翼。
「きれいだよ、絶対、きれいだよ。ノーズから、コックピットに入るラインがいい。そう思わないかい」。
インタビューで、三菱重工の大宮会長は顔をほころばせた。
「空力的な美しさが、機体の美しさにつながっている」関係者によると、この「美しさ」は機体性能を追求した結果がもたらしたという。
MRJのアピールは米プラット・アン
ド・ホイットニーを採用したこと。
ライバル機に比べ2割低いという燃費性能をもたらしたが、同じクラスのエンジンに比べ、直径が大きい。
そのまま主翼につり下げると、脚を長めにしなければならな
い。地上高が高くなるため、整備や貨物の積み込みが難しくなってくる。
そのため、設計陣は主翼の先端をせり上げることで、地上高を抑制した。
こうして、翼を広げたような形状が生まれたという。
「機体表面のアルミの滑らかさも美しさの秘密」。
MRJのエンジニアであるk三菱航空機技術本部長は語る。
「日本の製造業の持つ、作り込みのすごさのおかげです」と解説する。
航空評論家のaさんは「旅客機としてはオーソドックスだが、細部に丁寧さがみられる」とコメントした。主翼の付
け根などに空力上の特徴があり「ライバルの機体などに比べ、10年は空力的に進歩しているのではな
いか」と評価。
零式艦上戦闘機などの名機を生み出した三菱重工業。
「美しい飛行機を作りたい」と語っていた航空技術者、堀越二郎のスピリットが受け継がれているという。
「空力性能を追求した設計の結果、この形状になりました」とk本部長は振り返りつつ、付け加えた。
「美しい飛行機は性能がいいも
のです」
▲補足、感想など
冒頭の話及び記事を読んでみると、三菱飛行機の技術者達が、自分達は堀越さんの血を正しく受け継いでいることを「誇り」とともに語っていることがよく分かろう。
要するに、このmrjの機体は、「自(おのず)から美を獲得した」と言っているのだ。
堀越さんの「言葉」どおりに。