2018年9月26日水曜日

貴乃花親方の引退について思う


このブログで何度もふれた。
 相撲というものは、日本人から愛され支持されなければ、そこでもうおしまいなのだ。
 相撲に携わる人間は、どういう言動をとってもいいが、それは、上の「この言動は、日本人から支持され、相撲というものの維持発展に役立つものか」というのが、判断基準であろう。

 その判断基準というものから、貴乃花親方のこの半年以上の騒動をみるべきだろう。
 まず、記事の抜粋から。

 大相撲の貴乃花親方は25日に記者会見を行い、日本相撲協会に引退届を提出したことを明かした。
 貴乃花親方は、弟子の貴ノ岩が元横綱・日馬富士から暴行を受けた昨年の事件について、今年3月、協会の対応に問題があったとする告発状を内閣府に提出していたが、弟子の付け人への暴力が発覚し告発を取り下げていた。

 この告発状について、協会から調査を依頼された外部の弁護士の見解として、「告発状は事実無根」と結論づけられた旨を通知する書面が8月に協会から届いていたことを明かし、「認めないと親方を廃業せざるを得ないと有形無形の圧力を受けてきた」と主張した。
 また、協会が7月の理事会で、すべての親方は5つある一門のいずれかに所属しなければならないと決定したことをめぐり、「私はいずれかの一門に入るための条件として、告発の内容は事実無根な理由に基づいてなされたものであると認めるようにとの要請を受け続けております」と説明。

 そして、「真実を曲げて、告発は事実無根だと認めることは、私にはできません」とした上で、「一方でこのままでは、私はどの一門にも属することができません。これでは貴乃花部屋に所属する力士たちは相撲を続けることが困難」になるため、引退を決意したと語った。
 貴乃花の会見を受け、同日、相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)がマスコミの取材に応じ、「告発状が事実無根であることを認めないと一門には入れない、というわけではありませんし、そういったことを言って貴乃花親方に圧力をかけた事実はありません」と否定した。

 突然の貴乃花親方の引退宣言の裏で、何があったのか。協会の内情に詳しい関係者は語る。
 「貴乃花親方は6月に貴乃花一門を自らの意思で離脱し、現在は無所属となり、旧貴乃花一門は阿武松グループに名称を変更していました。しかし、一門ではない阿武松グループは協会から助成金も得られず、知名度も現役時代の実績もある貴乃花親方を、協会としてはいつまでも“浮いた存在”にしておくわけにもいかない。
 そのため、協会は今週27日の理事会で貴乃花親方と阿武松グループをどこかの一門に引き取らせる方向で協議する予定でした。
 各界や一部マスコミ関係者の間では、どこが引き取るのかと密かに話題となっていましたが、まさか貴乃花親方が突然引退を発表するというのは予想外の展開で、みな驚いていますよ。
 正直、今の貴乃花親方は完全に暴走している感があり、各界内に援軍が出てくるとは考えにくいです」
「圧力」はあったのか
 では、貴乃花親方が主張するように、協会からの「圧力」はあったのだろうか。
 「協会としては、貴乃花親方を今のような不自然な立場に置いておくと、また何をしでかすかわからないので、旧貴乃花一門と一緒にどこかの一門に入れることでコントロールできる状態にしようとしていたのです。なので、結果として貴乃花親方が排除されたかたちになったとはいえ、協会側が意図的に排除しようとまでは考えていなかった。
 もっとも、協会内、さらにいえば理事会の内部も一枚岩ではなく、貴乃花親方に共感する人もいれば、逆に“貴乃花親方憎し”の人もおり、なかには『貴乃花親方を絶対許すべきではない』と話す人もいます。
 そういう声が貴乃花親方本人の耳にも入り、さらには、告発状は事実無根とする報告書や、一門に入らなければ親方ではいられないという理事会の決定なども重なり、『圧力を受けた』と感じたのではないでしょうか」(別の関係筋)
 相撲ジャーナリストの荒井太郎氏は、次のように語る。
 「なぜ突然、貴乃花親方はこのタイミングで拙速に引退を発表したのか、真意が図りかねます。 
 芝田山広報部長は会見で、貴乃花に圧力をかけた事実はないと言っていますし、27日の理事会で所属する一門が決まっていない貴乃花親方の処遇について協議する予定だったとしており、協会側はきちんと手続きを踏もうとしている。芝田山広報部長の説明は具体的だと感じました」
 25日時点では、協会は貴乃花親方に引退届ではなく退職届を提出するよう求めており、今後の展開が注目される。

補足、感想など

 貴乃花親方の告発状の中身がどんなものか—筆者は知らない。
 記事を読んで思うことは、「貴乃花親方という人は、相撲協会からすれば、厄介者だ」ということだろう。

 別の言葉でいえば、トラブルメーカーということだろうな。
 そして、貴乃花親方の作ったトラブルが、冒頭でふれた判断基準である「相撲というものが、日本人から愛され、支持される」ためのものではない—と相撲協会から判断されたということか。

 トラブルメーカーをすべて拒否するものではないが、相撲を維持発展させるための判断基準から外れるとなれば致し方あるまいな。

 貴乃花親方は、相撲から離れて別のことをすればいいではないか。
 元気でやる気さえあれば、今からなんでもできるさ。