▲いや、自惚れだ—と批判されそうだが--。
まぁ、そう外れてもいまい。
まず、新聞から抜粋。
中国株バブルが崩壊。
株安が共産党の支配体制を揺さぶりかねないと、当局は株式相場の下支えに必死、市場の流れには抗しきれない。中国経済の失速がグローバルに及ぼす衝撃波に身構える段階に来ている。
「これは上海市場の天安門事件だろうか」。市場関係者がささやき合っている。
証券監督管理委員会など当局が、「悪意ある空売り」を取り締まっている。
対象となった米ヘッジファンドのシタデルは、FRBのバーナンキ前議長が顧問を務める、米国のヘッジファンドだ。
「悪意」がどうかを認定するのは、中国当局。
効果を挙げ、株式市場が小康を取り戻したかに見えたが、7月27日、上海市場は前営業日比8.48%の下落幅を記録。
「上海版ブラックマンデー」と奔流に押し流された。
中国人民銀行は8月11日に人民元切り下げを始めたが、8月24日に再び8.49%下落。
翌25日も7.63%下げた。
24日は月曜日で、世界主要市場の株安に波及し、「中国版ブラックマンデー」に格上げ形容されている。
6月に5100ポイント台を記録していた上海総合指数は3000ポイント付近をうろついている。
2カ月半で4割下落。
中国株の売り圧力がなぜ衰えないのか。
理由はハッキリしている。割高だからだ。
香港と中国本土に二重上場している企業の株価を見ても、中国本土はピークで5割、足元でも3割程度割高。
ではなぜ割高なのかというと、共産党自身が今年春先にかけて、株高を煽っていたからだ。
6月の高値5100台は、1年前に比べれば約2.5倍の水準である。
今回の中国株バブルが深刻なのは、習政権が進めようとしていた「新常態」政策が、揺らいでいること。
投資と外需を原動力にした10%の成長は、環境破壊や格差拡大という副作用を考えると、もう継続できない。
消費と内需主導の7%程度の安定成長に、中国経済を軟着陸させる必要がある。その政策指針は間違っていない。
問題は習政権が「新常態」に舵を切ったとたん、中国経済が失速してしまったこと。
背景に、「反腐敗キャンペーン」が、消費を萎縮させてしまったこと。
例えばマカオのカジノの収入は、今年上期には前年同期比で4割落ち込んだ。
自動車販売も、フォルクスワーゲンや現代自動車の現地販売が急減。
事態は悪化しているというのが、現地の実感。
そもそも、春先に当局が株高を煽ったのも、景気失速を懸念していたからにほかならない。
株高による資産効果で消費を刺激して、経済を軟着陸させようとした。
ところが、株バブルが崩壊し、保有株の値下がり損で自己破産する投資家が相次いでいる。
株安による逆資産効果が、消費にブレーキをかけつつあるのだ。
日米欧の中央銀行が行ったように、中国人民銀行も政策金利を下げてマネーサプライ(通貨供給量)を増加させようとしている。
公共事業の執行も、急いでいる。
ところが、現実は空回り。背景には、すでに借金の山が積み上がっていることがある。
2008年のリーマン・ショックを中国は乗り切ったとされた。
4兆元にのぼる景気対策によって、インフラ投資や設備増強を行って、10年には国内総生産(GDP)で日本を抜き、世界第二位の経済大国の座を手にしたのだ。
しかし引き換えに、中国全体の債務が約4倍に膨れ上がっだ。
もっとも、中国を見る世界の眼差しは、根っこにある問題からはほど遠い。
中国がこのタイミングでこけたら、世界経済も巻き添えを食ってしまう。
そんな懸念から、IMFのラガルド専務理事ら大立者は、当局による市場介入に対し大目に見ている。まずは火事を止めてほしい、というわけだ。
米マッキンゼーによれば、債務の主体は企業や金融機関である。
中国の場合、純粋な民間部門ではなく、国有企業や政府系金融機関がウエートを占める。
4兆元対策の投資先は採算の覚束ないインフラ事業や過剰設備である。
公共事業のメインプレーヤーである国有企業、金融機関はこの期に及んで、さらに債務を積み上げてまで利益の上がらない投資を行うことには、二の足を踏むだろう。
既視感を覚えないか。
そう、90年にバブルが崩壊した後の日本である。
成長モデルを見いだせないまま、公共投資による経済対策を続けた結果、借金の山を積み上げた。
中国の場合も、「国進民退」と呼ばれる国有企業優位の構造にメスを入れて、民間主導の経済に舵を切らなければいけないのに、実際には株価対策でみられるような当局による介入がまかり通っている。
振り返れば、今年6月に始まった中国株バブルの崩壊は、そうした中国経済変調の屈折点として記憶されるに違いない。
中国が今すぐ頼れるのは外需だ。
実際、輸出は対前年比プラスに回復しつつある。
が、注目すべきは輸入だ。
昨年11月からマイナスが続いており、いかに中国の内需と産業活動が不活発かを示している。
隣家延焼の恐れに、韓国はパニック状態となっている。
韓国のGDPの輸出依存度は5割を超え、しかも輸出の25%強は中国向けで、その比率は米国の2倍。
日本や米国がブレーキを踏むのを尻目に、ここ数年は企業の対中直接投資を目いっぱい増やしてきた。その中国シフトが今や完全に裏目に出た。
韓国政府が9月1日に発表した8月の貿易統計によると、輸出は前年同月比14.7%減で、09年以来で最大の下げ幅となった。
もし中国株バブルの崩壊が不動産やシャドーバンキングに及べば、韓国経済はもたない。
韓国のメディアは金切り声を上げる。
日本としてはすでに変調を来している韓国経済が失速した場合の、とばっちりには十分備えておく必要があるだろう。
影響が大きそうなのは、自動車を中心に中国シフトのアクセルを踏んでいたドイツである。
ドイツ企業はメルケル首相のトップセールスもあり、中国市場で着実に地歩を固めてきた。
ドイツが巧みなのはブランド力を売り物に、伸び盛りで付加価値の高い分野でシェアを高めてきたことだ。
トヨタ自動車を抜いて今年上期に全世界の販売台数が世界トップになった、フォルクスワーゲンはその典型である。
同社の販売高の4割は中国市場。
皮肉にも、その路線は今まさに逆風に見舞われようとしている。
日本企業は尖閣摩擦以降、中国市場で韓国やドイツ企業のようにふるまうことができなかった。
それが、結果として傷口の拡大を防いだ。
とはいえ中国が世界同時不況を誘発してしまうような事態は、日本にとっても大きな打撃となる。
しばらくは、中国株と中国経済から、目が離せない。
▲補足、感想など
中国の株式バブル崩壊による日本に痛手は小さいようだ。
なにか、中国人のやり方って、「手堅さ」がない。
なにか、これっと思えば、素早く動く。
まぁ、それで当たる人もいるのだろう。
しかし、大部分は失敗する。
手堅く、地道に働き稼ぐ—ということが苦手な民族といえるのかもしれない。
今回の株式バブル崩壊は、中国民族のもつ特性である「素早く動く」ということが、裏目にでた例かもしれないな。
日本人は根っこが農耕民族だから、中国人のように「素早く動く」ということが苦手だ。
地道にコツコツ働くということの方が、性に合っているということだろう。
そして、世界の人達は、そういう日本人の特性というものを信用してくれるのだろうな。