▲丸紅がカーギルという世界最大の穀物メジャーに並ぼうとしている。
しかし。
相手が穀物だからなぁ。天候とか、災害、病気等に左右される不安定なしろものだ。
丸紅は余程の決心が必要だろう。
今、丸紅の経営者は、渾身の力で「決断」しようとしている。
以下、新聞から抜粋。
「高い障壁が立ちはだかっているのは事実」(丸紅幹部)
丸紅は、米国の穀物3位のガビロン社の買収交渉を進めている。
全株式を取得すれば、丸紅の年間穀物取扱量は4000万トン規模となり、世界首位の穀物メジャー、米カーギル社に並ぶ。
かねて目指してきた、「和製穀物メジャー」の称号獲得に一気に手が届きそうだ。
だが、社長は意気揚々としながらも、不安を隠さない。
「穀物に強みを持つ丸紅としてはまたとないチャンスだが、資金をどうするか」──。
そもそも丸紅の新規投融資額は年間平均3000億円。
金融機関などに出資を仰ぐ可能性もあるが、手中に収めるためには、 「約3000億円は必要」(関係者)で、これだけで投資枠が埋まってしまう。
他の成長分野に充てる投資余力がまるでなくなってしまうことが、経営陣の不安の タネなのだ。
市場の見方も厳しい。
買収金額が約3000億円となれば、丸紅の2012年3月期末の 自己資本の33%に相当する。
「収益が穀物価格に左右され、一極集中リスクが大き過ぎる」(市場関係者)という
わけだ。
現に、米S&P社は、 「リスク量と自己資本のバランスが著しく悪化した場合には、信用格付けに マイナス影響が及ぶ可能性もある」と、格下げを示唆したほどだ。
ただ、丸紅は収益性の低い事業を売却し、資金確保に向けて動くとみられている。
着実に事業領域を拡大してきた穀物部隊は売上高を5年間で5倍に伸ばし、丸紅を 世界6位にした実績がある。
リスクを取ってでも戦略の実行に踏み込むか──。
丸紅は失敗が許されない決断を迫られている。
▲補足、感想など
マンガでゴルゴ13を読んだ人なら、理解が速いだろう。
「蟷螂の斧」という号があって、トウモロコシの先物を扱っていた。
大豆にせよ、米(コメ)にせよ、人間は食べずには生きられない。
だから、絶対に必要なものだということは理解できる。
しかし、こういう農作物は冒頭でふれたように様々な要因が入り組んだ形で価格が決定される。
記事にあるように、仮にガビロン社を買収してしまえば、丸紅にとって--収益が穀物価格に左右され、一極集中リスクが大き過ぎる—ということだろう。
それでも。
記事を読んだ限りでは、どうやら、買収を決断しそうだな。
丸紅の現経営者にとって、文字通り、渾身の「決断」だなぁ。
そういえば、こんなシーンを昔みたことがあるなぁ。
ブリヂストンが米ファイァストーンを買収した時の感じに似ている。東芝が米ウエスチングハウスを買収した時の感じに似ている。(そうか、あの時、社長の西田さんは、本社すらも売ってしまわなかったか。丸紅だって、大阪本社・東京本社を売ってしまえ。それで現金をつくれ。別に本社なんてレンタルで充分ではないか)
なるほど、こういう大きな「決断」を乗り越えて、今というものがあるということなのだな。
なるほど、こういう大きな「決断」を乗り越えて、今というものがあるということなのだな。