▲いや、なんのことかというと、昨年の「慰安婦発言」の影響についてだ。
もう、一年を経過したようだ。
大阪市民からもそこそこ理解してもらっている—という意味だと解釈してよかろう。
昨年の「慰安婦発言」は、日本でまた外国を含めておおいに物議を醸した。
でも、この発言は、橋下さんという人が、将来日本のリーダーとなるべく「頭角を顕した瞬間」でもある—と筆者には思える。
なんだっけ。
政治家がよく使う言葉に、「千万人と雖(いえど)も吾往かん」というのがある。
普通の政治家はまぁ「言うだけ」「かっこだけ」だ。
しかし、橋下さんの場合、これを実際にやってのけてしまうのだ。
昨年の橋下さんの「慰安婦発言」は、文字通り「千万人と雖も吾往かん」そのものだ—と理解すればまぁ、当たっていよう。
以下、新聞から抜粋。
日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は、旧日本軍の従軍慰安婦は必要だったとの自身の発言から丸1年を迎え、「少しでも国民に認識を持ってもらえたなら、政治家として良かった」と述べ、問題はなかったとの認識を示した。
橋下氏は「歴史問題は外交での争いに使われる。事実と違うことを言われれば、異議を申し立てるのは当たり前だ」と主張。
市政運営への影響については「全くない」と否定した。
橋下氏の慰安婦発言は当時、大阪府、市両議会で協力関係にあった公明党が強く反発するなど、国内外に波紋を大きく広げた。
橋下氏は2013年、慰安婦制度について「あれだけ銃弾が飛び交う中、精神的に高ぶっている猛者集団に休息を与えようとすると、慰安婦制度が必要なのは誰だって分かる」などと発言。「当時は世界各国が持っていた」と強調。
「慰安婦制度は、今は認められないが、風俗業は必要だ。だから沖縄に行った時司令官に会い『もっと風俗業を活用してほしい』と言った」と。
▲補足、感想など
発端は、記事にあるごとく、米軍の司令官の言っていることの「嘘っぽさ」に反発したものだろうな。
軍隊にいるのだ。性欲は抑制できるはず—とか言ったのだろうな。
そんな馬鹿な!! でな感じで、反発して橋下さんが風俗云々—と言い始め、更に慰安婦発言へと拡大したものだろう。
不用意な発言といえばその通り。
しかし、不用意であろうが、予期せぬ出来事であろうが、ここで「政治家としての本質」の部分が問われているのだ。
それが常識であり、もっと敷衍すれば「その人のもつ教養」であろう。
つまり、「政治家としての教養」を問われているということだ。
先日、このブログで滋賀県・嘉田さんの「政治家としての教養」ということを取り上げた。
日本を・世界を大きく俯瞰するためには、そのポストに見合うだけの「教養」が必要だ。
橋下さんの場合、突発的な・不用意な発言にも係わらず、充分に大阪市民を、日本人を納得させるだけのものであったということであろう。
ここは、橋下さんの「叡智」を讃えたい。