▲なにか、もう手垢のついた技術が、ずーっと生き残るという感じではある。
いろんな新技術が生まれてくるのだが、その新技術の原価を下げることができず、もう使い慣れたというか、手垢にまみれたような技術を使いこんでいる内に、コストパフォーマンスがよくなってきた—そんな感じだ。
このブログでふれたハードディスクとブルーレイディスクとの関係のようだ。
ブルーレイなどの光学ディスクの技術は、10年前くらいかなぁ、随分もてはやされた。
しかし、ハードディスクの大容量化、信頼性の向上などで、使い勝手のよさとあいまって、わざわざ光学ディスクで保存するという意味合いが薄れたようだ。
同じように、未来のディスプレイとしてもてはやされた有機el
が、使いなれた液晶の高細密化によって、その魅力が薄れてしまったようだ。
そういえばと思う。
テレビも様々な候補があった。
液晶、プラズマ、後、キャノンがものにしようとしていた技術もあった。
今時点では、シャープが電卓の表示板からテレビまでもってきた「液晶」のみが生き残りそうだ。
新しく生まれる技術の「運」というようなものを感じる。
以下、新聞から抜粋。
ソニーとパナ、有機EL事業売却へ コスト減難航
5月25日(日)
次世代テレビの「本命」として有機ELディスプレーの開発をしていた
ソニーとパナソニックが、ともに有機EL事業から撤退する。
大型化に伴う製造コストの引き下げなどが難航したためだ。
有機ELの大型テレビ開発から日本勢が事実上、姿を消す。
韓国メーカーが開発してはいるが、割高で市場は伸びていない。
ソニー、パナソニックとも、「産業革新機構」が出資する
ジャパンディスプレイ(JDI)にそれぞれの有機EL事業を売却する。
ともに6月中にも基本合意する見通しだ。
JDIはタブレットやスマートフォンなどに使う中小型画面に絞って開発を進める。
両社とも、不振のテレビ事業を立て直すには、課題の多い有機ELに投資を続けるよりも、
高精細の「4Kテレビ」など液晶テレビの開発に集中する方がよいとの結論に達した。
▲補足、感想など
冒頭で「手垢のついた技術」だと書いた。
でも、液晶という技術を卑しめているつもりはない。
使う人の「要求」に対応しやすい—ということなのだろうな。
ハードディスクの「大容量化」、液晶の「高細密化」というような「顧客の要求」に。
新規の技術というものが、必ずしも「顧客が求める要求」に応じるのに適したものではなかった—ということかもしれない。
また、新規の技術のブレークスルーするタイミングが「顧客の要求」する方向と合致しない—ということかもしれないな。