▲どこに一連の現象の核心があるのだろうか。元白鵬を含むモンゴル系の力士がもつ「強ければいい」「相撲に勝つ力士が一番偉い」と思っているということだろう。「弱いやつがごちゃごちゃ言うな」と思っているのだろうなぁ。相撲というものは、多くの観客を獲得するために、格闘技の本来的にもつ「毒」を薄めたものだということを本質的に「理解」していないのだろう。そこにモンゴル系の力士達の弱点が潜んでいる。代々受け継いできた文化の「厚み」の差とも言えよう。
※元横綱白鵬、親方人生の窮地に 宮城野部屋再興は不透明2024年3月5日 親方人生の窮地に立たされている。大相撲の宮城野部屋の先行きが不透明になっている。宮城野親方(元横綱白鵬)が弟子の北青鵬(引退)による兄弟弟子への暴力行為の一部を把握していながら放置した責任を問われ、4月から部屋が一門の管理下に置かれる事態を招いた。優勝45回を誇る平成の大横綱は親方としての第二の相撲人生で窮地に立たされている。日本相撲協会は宮城野親方を「師匠としての素養、自覚が大きく欠如している」として重い処分を科した。「委員」から序列最下位の「年寄」への2階級降格と3カ月の20%報酬減額に加え、所属する伊勢ケ浜一門が宮城野部屋を預かることも決まった。芝田山広報部長は「一門預かりは厳しい状況じゃないかと思う」と話す。殺虫剤スプレーに点火して放射したり、睾丸に平手打ちをしたりなどのまな弟子の愚行を1年以上にわたって野放しにしていた代償はあまりにも大きかった。3月の春場所は一門の玉垣親方が師匠代行を務め、4月以降は同一門が宮城野部屋を指導・監督する。具体的なスキームは協会執行部と伊勢ケ浜一門で現在検討中だ。過去には2010年に木瀬親方(元幕内肥後ノ海)が暴力団関係者の観戦に関わった不祥事により、同じ出羽海一門の北の湖部屋が木瀬部屋を預かることになった例がある。力士ら31人が北の湖部屋へ転属し、2年後の12年に木瀬部屋は再興が認められた。今回の宮城野部屋について、協会が発表した報告書には「(一門預かりの)期間は未定」とあり、部屋の存廃の見通しは不透明だ。宮城野親方の立場はもとより厳しい。現役時代に元横綱日馬富士による貴ノ岩暴行の現場にいながら黙認したことなどによる3度の処分歴などから、協会規則などを順守する旨の「誓約書」にサインし、ようやく親方になることが認められた経緯がある。その誓約を破る形にもなった今回の一件で、芝田山広報部長によれば「協会から排除すべきだ」との厳しい意見もあったという。同じ一門の浅香山親方も本紙のコラムで「再び不祥事が起これば、宮城野親方に次はないだろう」と厳しい見通しを示した。異例の重い処分を受けた宮城野親方への同情的な声は少なく、将来、木瀬部屋のように部屋を再興できるとはいい切れないムードも漂う。宮城野親方は「横綱大関を育て、協会に恩返ししたい」と親方業への情熱を常々口にし、伯桜鵬や天照鵬、輝鵬らアマチュアの逸材のスカウトに熱心だった。それだけに「(過去の処分歴などから)コンプライアンス面で人一倍注意しないといけない立場だったのに、本人にその自覚が乏しかった」(一門の関係者)ことが悔やまれる。そもそも、07年に起きた時津風部屋力士の暴行死事件後、協会員が何よりも心がけるべきは「暴力との決別」だったはずだ。力士の育成に加えて大事な「力士を守る」という親方の本分を果たさず、クリーンさを追求する角界の取り組みに泥を塗った点でも、宮城野親方の責任は重いといわざるを得ない。
▲ちょっと古いが、日馬富士の引退を巡る騒動の際の筆者の文章を転記しよう。
※日本人が勝てないから、モンゴル人を追い出したと-モンゴル人
▲勝てないから—か。まぁ、強弱はそうかもしれないな。でも、日馬富士関が引退した理由は、そんなところにあるのではない。相撲は、日本の神事から出発して、江戸時代に発展し、現在に至ったものだ。世界中のありとあらゆる格闘技の中で、一番、「稼げる格闘技」となっているようだ。稼げる格闘技である理由は、それだけ観客が多いからだ。この「観客が多い」という部分に着目してほしい。そもそも、土俵という舞台と、例えば「押出し」という形で勝負がつく—という点などの着目してほしい。江戸時代において、日本人は楽しめる格闘技を作り上げるため、ルールとか見せ方を工夫してきたのだ。血を見ない—なんてものもそうだ。長くみても飽きない・面白い—そういう格闘技を作り上げてきたのだ。そして、上位になればなるほど、横綱相撲などいう名称で別格のうまさ、品格を要求してきた。こういう長期間において、少しづつ日本人の「好みに合う格闘技」に仕立て上げたのだ。こうして、日本人が愛し、支持する相撲というものが継続してきた。相撲は、日本人に支持され、愛されることで、続いてきたし、「稼げる」ものとなった。「強いだけ」では、日本人は支持しない。横綱は横綱なりの、大関は大関なりの「相撲のうまさ」と「行動の品格」を要求してきた。今度の日馬富士関の引退について、外からは「日本人が勝てないから追い出した」と見えるのかもしれない。上でふれたように、核心は、「相撲がこれからも日本人に愛され支持されるための措置」なのだ。その行動に「品格」が欠ける横綱には、やめてもらうしか無い。そうでなければ、日本人にそっぽを向かれるからだ。以下、新聞から抜粋。
大相撲の横綱日馬富士が引退を表明したニュースは、故郷モンゴルでも大きく報じられた。「英雄」の突然の引退に、多くの大相撲ファンらはやりきれない思いを抱えている。「とても感謝している。僕が日馬富士を守る!」ウランバートル市内の団地に住むイルムーン君(8)は、28日、記者にこう話した。その願いもむなしく、引退が現実になった。4歳のころ、心臓に重大な疾患があると診断された。モンゴルで心臓病の子供に医療支援する日本のNPO「ハートセービングプロジェクト」の助力でモンゴルを訪れた日本人医師の診察を受け、昨年12月に日本人医師による手術を受けた。NPOに日馬富士が深く関わっていることを知ったのは、その時だ。NPOによると、日馬富士は日本人医師がモンゴルを巡回する費用を負担したり、自ら描いた絵の売却益を寄付したりしてきた。 イルムーン君の父親のロトゥバヤルさん(35)は「日本人医師と日馬富士は息子の命の恩人。日馬富士を許してあげて」。
▲補足、感想など
冒頭でふれた。日本人だから、モンゴル人であるからなんてなんの関係もない。日本人に長く愛され支持されるためには、「横綱という地位にそぐう品格と行動」が要求されるということだ。横綱という地位に応じた品格にそぐう行動のできない横綱には、やめてもらうしかない—ということに過ぎない。そのことに不満なら、モンゴルで相撲に似た興行をしてみれば分かる。どれだけの人間が見に来るか? 日本における相撲というものが、これだけの観客を得ることができるのは、長い歴史と、その歴史によって作り上げられた「日本人に愛され支持される格闘技」であるからだ。核心の部分を見間違えるな。
※2017年11月17日金曜日引退は避けたいと日馬富士関
▲どこらに核心があるのかなぁ。格闘技の内、日本の相撲は世界の中では最高の収入が得られるものだという。日本人が、長い間、工夫して、「見せる格闘技」「大衆に支持される格闘技」というものをこしらえたということだろうな。でなければ、力士に「格闘技中、最高の収入」を得るものになる訳があるまい。逆にいえば、日本人から支持され続け・愛され続けなければ、「相撲に未来」はないのだ。だからこそ、力士の振る舞いに品格というか品位のようなものが求められているのだ。まぁ、ハッキリ言って、日馬富士は引退せざるを得まいな。酒乱に近いのだろう。酒乱に近い横綱ってありえまい。「日本人大衆から支持されなかったら」相撲は終わるのだ。以下、新聞から抜粋。
テレビ番組出演で人気の北村晴男弁護士(61)が、10月25日に鳥取市内での酒席で大相撲の幕内・貴ノ岩(27)=貴乃花=に暴行を加えた横綱・日馬富士(33)=伊勢ケ浜=の代理人弁護士に就任する可能性が、浮上した。関係者によると北村弁護士とは部屋関係者を通じて縁があり、福岡―東京間を日帰りで往復した15日に日馬富士が接触したと思われる。また、関係者によると、今回の件について日馬富士は「日本の角界にこれからも貢献したい、引退だけは避けたい」などともらしているという。
▲補足、感想など 日馬富士の数年前の記事を読んでいると、この人、朝青龍関に似ているのだなぁ。
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2012/10/01(月) 相撲協会が「悪童」の怨念に背筋を寒くしている。めでたく第70代横綱に昇進した 日馬富士。だが、早々にその品格にクレームがついた。協会関係者が嘆く。「テレビ取材が入っているのに、稽古場でビールを飲むわ、ガムを噛みながら取材に 応対するわで、素行の悪さが全国に知れ渡ってしまった。これに協会幹部は “さすがに早すぎる”と頭を抱えている」実は、横綱昇進の推挙について協会の審判会議では意見が真っ二つに割れた。「土俵上ではダメ押しや立ち合い前の威嚇といった眉をひそめる挑発行為を 平気でするし、稽古もサボりがち。全勝優勝をしなければ昇進を認めないという 強硬な意見も出たぐらいです。まァ、日馬富士のお手本は、あの朝青龍ですからね。陰で“ミニ朝青龍”と呼ばれて いますよ」 いわずもがなだが、朝青龍といえば、東京・西麻布の路上で暴行事件を起こして 土俵から強制退場を食らった悪童だ。その朝青龍と日馬富士は自他共に認める 師弟関係にある。「親密さは引退後も変わらない。今年の名古屋場所後には故郷モンゴルで 2人一緒に登山をしてはしゃいでいた。朝青龍が先場所の千秋楽にわざわざ来日し、 我が物顔で支度部屋まで入ってきたことにはさすがに驚きました」
--ここまで--
あぁ、少し、今、問題となっている部分も転記しておこうか。
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貴ノ岩は日馬富士から 兄弟子に対するあいさつが足りないなどと注意されていた。その時、着物の帯に差していた貴ノ岩の スマートフォンが鳴った。操作しようとした瞬間に暴行が始まった。日馬富士がテーブルのビール瓶で、近くに座っていた貴ノ岩の 頭部を殴打。「人が話をしている時に…」と激怒し、血を流して倒れた相手にのし掛かるようにしながら、 素手で殴打を繰り返した。カラオケのマイクや曲を入れる端末機、灰皿まで振り上げたという情報もある。同席者は「周りが気付かないほどの速さでゴーン!という大きな音が聞こえた。そのまま20~30発は 手で殴っていた。貴ノ岩は両手で防ぎながら、殴られ続けていた」と証言。日馬富士の後輩、 照ノ富士も数発食らったという。荒れた日馬富士は止めに入った白鵬を突き飛ばし、後輩横綱の鶴竜に 「お前がしっかり指導しないからだ」とかみついた。宴は重苦しいムードで終わった。酒癖の悪さは何年も前から指摘されていた。感情の起伏が激しく、いったんキレると元に戻れない性格。ある40代の親方は「あの横綱は酔うと手が付けられなくなると聞いていた。でもまさかこんなことになるとは…」 と驚いていた。
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どこらまで、本当のことかは分からない。でも。冒頭でふれたように、この人って、「横綱としての品格」を保てる人なのか。日本人から愛されなければ、相撲には未来はないのだ。相撲はプロレスではない。悪役が必要な訳ではない。相撲の未来を考えたとき、「振る舞いとしての品格を保てない」人には、引退してもらうしかあるまいな。
※(大相撲)宮城野部屋は当面閉鎖か 2024年3月11日
大相撲の元幕内北青鵬による暴力問題で、宮城野親方(元横綱白鵬)が師匠の立場を外れた宮城野部屋が春場所後に当面閉鎖される方向であることが10日、日本相撲協会関係者の話で分かった。所属する伊勢ケ浜一門が一門内の別の部屋に力士全員を移す方針を固め、協会に案を提出。今後は八角理事長(元横綱北勝海)ら協会幹部が協議する。関係者によると、力士の転籍先は元関脇旭天鵬が師匠の大島部屋などが候補に浮上。宮城野親方は伊勢ケ浜部屋付きなどが検討され、宮城野部屋付きの間垣親方(元幕内石浦)は力士、宮城野親方とは別の部屋への転籍が調整されている。春場所は大島部屋付きの玉垣親方(元小結智乃花)が師匠代行を務めたが、部屋の存続は案から外れて消滅。一門では将来的に宮城野部屋の再興を視野に入れており、力士が別々の部屋に分かれることは案に入っていないという。協会に説明した浅香山親方(元大関魁皇)は「すぐに決めることはできない。いろいろと話し合ったところで判断されると思う」と述べた。
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