▲技術者として考えるに、この日経新聞の主張は無理な話だ。
治水というものは、国家の政治において最大の問題なのだ。
治水こそ、政治の根幹といっていい。
まず、個人でどうこう対応できるものではない。それを考えてもみよ。
日経新聞の主張を見てみようか。
2019/10/14(月)
「もう堤防には頼れない」 国頼みの防災から転換を
首都を含む多くの都県に「特別警報」が発令され、身近な河川が氾濫する事態を「自分の身に起きうること」と予期していた市民は、どれほどいただろうか。
近年、頻発する災害は行政が主導してきた防災対策の限界を示し、市民や企業に発想の転換を迫っている。
2011年の東日本大震災は津波で多数の死傷者を出し、防潮堤などハードに頼る対策の限界を見せつけた。
これを教訓に国や自治体は、注意報や警報を迅速に出して住民の命を守る「ソフト防災」を強めた。
しかし18年の西日本豪雨でその限界も露呈した。気象庁は「命を守る行動を」と呼び掛けたが、逃げ遅れる住民が多かった。
堤防の増強が議論になるだろうが、公共工事の安易な積み増しは慎むべきだ。
台風の強大化や豪雨の頻発は地球温暖化との関連が疑われ、堤防をかさ上げしても水害を防げる保証はない。人口減少が続くなか、費用対効果の面でも疑問が多い。
▲補足、感想など
じゃ、どうするのだ?どう対策するのだ? と問われたら、なにも答えることもできまい。日経新聞の記者は。
上の主張など、河川関連の技術者とか、土木の大学教授などに一応、意見とか聞いて書いたものなのか?
単なる思いつきで書いたものだろう。
炭酸ガスが大気中に増加したとき、気候が過激に振れやすくなるというのは、前から予言されていたことだ。
炭酸ガスの排出を減らすとか固定化してどうこう---という話を聞くが、技術的にめぼしいものはないようだ。
せめて、家の垣根を生け垣にする—というささやかな対策さえ、そうご近所で見たこともない。
現在の台風の強大化は、炭酸ガス増加に伴う「気候が過激に振れやすくなる」という現象の一場面であろう。
だから。
温暖化に連動して、台風などが強大化してしまうのだ。それに現実の堤防などの施設の強靭化が伴っていない---という「対策の遅れ」が表面化したということだろうな。
日経新聞の主張では、こういう治水対策の遅れに対して、個人でなにか対策を考えよ—てな主張らしいが、個人での対策は今の時点では無理だろう。
まずは、治水対策として、堤防の強靭化ということではないのか。
周辺の議論をみようか。
--ここから--
2009/10/12(月)
「温暖化対策の切り札」とも言われる二酸化炭素(CO2)の地中封じ込め技術(CCS)の実用化に向け、北電など32社が出資、
設立した「日本CCS調査」(東京)は11日、苫小牧沖で実験地選定のための地質調査を始めた。
CCSは、火力発電所などの排ガスからCO2を化学的に分離し、地下千メートルより深い地中に封じ込める。
国は2020年の実用化
を目指し実証実験を行う予定で、苫小牧沖は有力候補地の一つ。
地質調査は経済産業省の委託事業で実験地選定のデータ収集が目的。
スタッフ約20人が船2隻に乗り込み、1~4キロ沖合で
船からエアガンで海底に空気を放ち、海底に設置した地震計付きのケーブルで地中に振動が伝わる時間を計測した。
調査は11月上旬
まで続く。
【気象】日本付近で急速に発達する低気圧が増加 過去60年間でおよそ1.6倍/東北大:2010/03/20(土)
◇急速に発達する低気圧が増加
日本付近で急速に発達し暴風などをもたらす低気圧が過去60年間でおよそ1.6倍に増え、
発達の速度も速くなっていることが東北大学の研究グループの分析でわかりました。
研究グループは、地球温暖化が進めば、こうした傾向がさらに強まると指摘しています。
ここ数年、日本付近で急速に発達する低気圧によって暴風や高波の被害が出るケースが
相次ぎ、4年前の平成18年10月には宮城県沖で漁船が座礁し乗組員16人が死亡しました。
東北大学大学院の花輪公雄教授の研究グループは、日本付近で中心の気圧が1日に
18ヘクトパスカル以上低くなって急速に発達した低気圧を過去60年間にわたって分析しました。
その結果、こうした低気圧は、60年前は年に5つ程度だったのが、10年に0.5ずつの割合で
増え続け、最近ではおよそ1.6倍の年間8つ程度に増えていたことがわかりました。
また、低気圧が発達するまでの速度もおよそ10%速くなっていました。
低気圧のほとんどは千葉県銚子市沖の太平洋で発達していましたが、
この海域の北側と南側では上空の気温の差が60年間で2度ほど広がっていたということです。
花輪教授は「地球温暖化の影響で温度の差が広がり、低気圧が発達しやすくなっていることが
わかった。温暖化が進めば、こうした傾向がさらに強まると予想される」と話しています。
この研究成果は、今月、東京で開かれる日本海洋学会で発表されます。
2017/06/02(金)
地球温暖化の原因となる温室効果ガスの二酸化炭素の平均濃度は、去年、国内に3か所ある気象庁の観測点すべてで400ppmを超え、これまでで最も高い値を観測しました。
気象庁は、岩手県大船渡市と沖縄県の与那国島、それに南鳥島の3か所で、地球温暖化の原因となる大気中の二酸化炭素の観測を続けています。
気象庁によりますと、この3か所の去年1年間の平均濃度は、大船渡市で407.2ppm、与那国島で407.1ppm、南鳥島で404.9ppmと、おととしに続いて、いずれも400ppmを上回り、これまでで最も高い値を観測しました。
この二酸化炭素の濃度について、国連のIPCC=「気候変動に関する政府間パネル」は、今世紀末の気温上昇を2度未満に抑えるための目安を、世界の平均で420ppm程度としていますが、国内の観測点では、観測開始以来、毎年2ppm前後の上昇が続いていて、この傾向が続くと、あと10年前後で目安に達する可能性があります。
気象庁は「二酸化炭素の平均濃度は上昇が続いているので、排出削減など温暖化対策をどう進めていくのか、引き続き検討する必要がある」と話しています。
エネ政策、妙手みえず 多様な電源・技術で備え
2050年という未来のエネルギー像を鮮明に描くのは「不確実性」が多すぎる--。
経済産業省はそんな理由から、50年のかっちりした青写真を描くのは難しいと考え、多くの電源・技術の選択肢を維持し、将来の予期せぬ状況変化に備えることにしている。(1面参照)
11年の東日本大震災で原子力は信頼を失った。
日本で使われる太陽光パネルは08年にはほぼすべてが国産だったが、中国製に押され、今では4割弱に落ち込んだ。
17年には中国が液化天然ガス (LNG)の輸入で韓国を抜いて世界2位となり、そのあおりでスポット価格は17年中ごろの約2倍に上昇した。
いずれもそれ以前には予想できなかった出来事だ。
今後も電気自動車(EV)は本当に普及するのか。
中東情勢は安定するのか不安定になるのか。
政府は電源構成に占める原子力の比率を30年度に20~22%にする計画だが、足元では2%。
再稼働は思うように進まず、国民理解も不十分だ。
一方で不確実性は可能性の裏返しでもある。
水素技術はトヨタ自動車など日本勢が得意とし、蓄電池もパナソニックがトップにつける。
商用化が進めば、政府が目標と定める温暖化ガスを50年に80%減らす目標にぐっと近づく。
30年あれば宇宙空間での太陽光発電や核融合発電も実現するかもしれない。
今は選択肢を多く手に持ち、その間に技術を育てれば、日本企業が有利に戦える分野も増える可能性がある。
--ここまで--