▲志らく師匠が、「モンスター」という言葉を使って、物議を醸したとか。
でも。
筆者も使ったし、そう極端な言い方でもあるまい。
まず、なにがひっかかるのかわからないが、その記事から。
2019/12/17(火)
志らく、元農水次官が殺害した発達障害疑いの息子に「モンスター」発言が物議
親の責任も追及
懲役6年。これは短いか、否か。16日、農林水産省の元事務次官・熊沢英昭被告が長男を殺した事件の裁判が行われ、被告に懲役6年の実刑判決が下された。
そんな中、『グッとラック!』(TBS系)で、立川志らくが、その息子を「モンスター」と呼んだことが波紋を呼んでいる。悲しき息子と父親のやり取りを振り返りながら見ていこう。
「学生時代、同級生にイジメられた腹いせに、母親に火のついたライターと包丁を突き付けるなど暴力を振るっていたという長男。のちに熊沢被告のツテで病院に就職するも退職し、引きこもり状態に。
それでも被告は、長男に寄り添おうと一緒にコミケに参加。朝から晩まで、長男が作った小冊子を売っていたと言います。さらに、同被告は息子と何とか関わろうと、ツイッターのダイレクトメッセージで1000件以上、会話をしていました」(芸能ライター)
やがて、それまで母親にのみ向けられていた暴力の矛先が、熊沢被告にも初めて向けられたのだ。ある日、被告が彼のゴミ屋敷を見て、「ゴミを捨てなきゃ」と言うと、長男は「ゴミを捨てろとばかり言いやがって」と、見たことのない凄まじい形相で、頭を殴打してきたのだ。凶行はこれが契機だったとされている。ちなみに、殺された長男は発達障害の一つ、アスペルガー症候群の疑いと診断されていることも分かっている。
こうした経緯をまとめたVTRを見た上で、有識者に意見を求める中、志らくは「かなり同情的な意見もあるけれども
1つ同情できないのは、こういうモンスターの子どもがいきなり生まれたわけじゃない、ちっちゃいころから徐々に徐々に育ててしまったのは親なんですね」と、親の責任論を追及。
「それを作ってしまったのは親の責任というのはある」と繰り返し、育て方に疑義を呈したのだ。
だが、これについてベンチャーキャピタリスト・堤達生氏が「たまたま身近にも似たようなパターンを見ていたことがある」とし、「本当にやっている。ありとあらゆることを……ありとあらゆることをやってるんです」と涙ながらに、親の苦しい胸の内に寄り添っていた。
SNS上では、そんな志らくの「モンスター」発言に、「志らくひでえな発達障害の被害者をモンスターって言ってるし!コメンテーターが涙ぐんで状況を代弁してんのに、TBSはサイコパスみたいなMCでいいの?」「なんで被害者ディスってんの?」といった反対意見も。
一方で、「ほんとオヤジさんは頑張ったと思う」「マジで長男がクソすぎる」「アスペルガーなんだよね、、、治せないから本人も周りも壮絶なんだよ。バイト先にいたけど手のほどこしようがなかった」と、追い込まれたゆえの犯行と見るユーザーも多い。
▲補足、感想など
なんたらとかいう病名はまぁいい。
記事を読んでて筆者が思うのは、親が子供に対して「甘すぎる」という印象だ。
親が子供を「突き放す」・意識的に「子離れする」という感じがないところが、筆者も気になった。
18歳くらいで、どこか地方とか、なんなら外国へやって、一人暮らしをさせればよかったのだ。
それをしなかったばかりに、モンスターを育ててしまったということではないのかな。
母親が甘いのはまぁいい。
父親は、もっと、子供を突き放すべきだ。
そのあたり、筆者は、志らく師匠の意見に同意する。
長文だが、子供を引きこもりにしない方法とかいう文章があった。ご紹介したい。
-ここから-
2018年8月28日
50代の引きこもりを、80代の親が養う「8050問題」が取り沙汰されています。その根本原因は何なのか?
我が子を引きこもりにしないための教育法を考えます。(『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』午堂登紀雄)
※本記事は有料メルマガ『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』2018年8月13日号を一部抜粋したものです。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:午堂登紀雄(ごどう
ときお)
米国公認会計士(CPA)。1971年生まれ、岡山県出身。中央大学経済学部
国際経済学科卒。株式会社エディビジョン代表取締役。一般社団法人
事業創造支援機構代表理事。
物理的にも精神的にも孤立している?
親が子どもにできることは
高齢者が「中高年ひきこもり」を養うという地獄
「8050問題」をご存知でしょうか。8050とは、80代の親が、引きこもり状態にある50代の子を養っていることを示しています。特にひきこもりの長期化で、親子共々が高齢化し、社会から孤立・生活に困窮している世帯が増えているのです。
では、これの何が問題かというと、生活保護世帯の増加につながるだけではなく、絶望して殺人事件にまで発展するケースが出ることです。
そのため、政府もようやく2018年秋から、「40~64歳の引きこもりの実態調査」を実施するということです。
何十年間も引きこもったまま、親が高齢になり、自分も歳を取って、家ごと社会から断絶されると、もはや社会復帰の可能性はゼロ。その人そのものが社会から存在しないことになってしまい、親の死後は生きていけないリスクも指摘されています。
そこで今回は、わが子を引きこもりにしないための教育法や、抜け出させる策について考察したいと思います。
引きこもりは精神的にも孤立している
本来、心が成熟した人間は、ひとりでも誰かと一緒でも、満足できる時間を過ごすことができます。仮に物理的な状態としては孤独であっても、精神面では孤独ではないですし、自ら人間関係を遮断するわけでもありません。
しかし引きこもりは、自分の方から人との関りを避けて、物理的にも精神的にも孤立している状態です(なお、ここで言う引きこもりは、ウツや精神障害、疾病等で引きこもっている人を指すものではありません。それは医学的治療を受けるレベルの人ですので、ここでは対象外としています)。
引きこもりになる人の多くは、プライドと自己愛が強すぎるのです。だからちょっとでも人間関係がうまくいかないと、すべてが嫌になります。
強烈な自己愛のため、自分の意見が受け入れられないとか、仕事ぶりを注意されただけで自分の全人格を否定されたように感じ、それがガマンできません。それでいて、むきたてのゆで卵のようにナイーブで傷つきやすい性格を持っています。
さらに、承認欲求も非常に強い傾向があり、他人から認めてもらわなければ自分の存在価値を確認できません。
そのため「誰も自分のことをわかってくれない」「認めてもらえない」「無視された」などと過剰に反応し、過剰に傷つきます。
たとえば「独りランチ」が続いただけで、会社で孤立している、皆から浮いている、無視されていると感じてしまう。しかし実際には、周りは本人の気持ちを軽んじようなどという発想をそもそも持っていないことがほとんどなのですが、なぜか彼らは自分に敵意があるかのように受け止めます。
なぜ「引きこもり」になるのか?
なぜそういう性格が形成されるかというと、多くの場合、幼少期に親から十分な愛情を受けていないことに起因すると言われています。愛情不足で育ったために大人になっても強い愛情飢餓感を抱き、それが自己愛へと形を変えて自分にすがるようになります。
だから何より自分が大事なのです。誰かに愛してもらいたい。周りに評価してもらいたいという欲求が強い。
愛情不足とは単に放置されるといったことにとどまりません。高すぎる親の期待、親の価値観の押し付け、厳しすぎるしつけや服従の強要、過保護、子への迎合など、様々な精神的虐待を含んでいます。
そのため、適切な自我や自己肯定感が育たず、つねに他人や社会からの視線を気にして、自分の思い通りにならないと、自分の存在が否定されたかのように感じてひどく傷つくのです。
それを恐れて身動きが取れなくなり、人との接触を避けるようになります。人と関わることがなければ、自分が傷つくこともないからです。
親が子どもにできること
こうした事態を防ぐために、親ができることは何でしょうか。
それは、子が適切な自己肯定感、自己有能感、自尊心、主体性を持てるような子育てをすることです。
具体的には次のようなことが挙げられます。
<愛情をたっぷり注ぐ>
親から「なんでこんなこともできないんだ!」「そんな子は知りません!」などと言われて育つと、子は自分の存在に不安定感を感じてしまいます。
しかし親が子に無償の愛情を注ぐことで、子は「自分はここに存在していいんだ」「世の中は自分を受け入れてくれている」「自分は大丈夫」という感情を抱くことができます。それが「社会は自分の敵ではない」「人は自分に攻撃してはこない」という安心感が持てます。親は子にとっての安全基地ですから、子が甘えたいときは、親はどっしりと構え甘えさせることです。
<子どもの意志を尊重する>
親があれこれ先回りしたり、親がすべて決めたり、親の価値観を押し付けたりすると、子は自分の頭で考える機会を奪われ、自ら主体的に何かに取り組むという姿勢を失ってしまいます。
そこで、子の判断を促し、それを尊重することです。たとえば塾や進学などで親の価値観を押し付けない。勉強しろとか宿題しろなどと強制しない。大人でも強制されるのは嫌ですが、子どもはもっと鋭敏に感じてしまうものです。
そして子がやりたいということは、なるべくさせてあげる。子の好奇心の目をつぶさないようよく観察し、子が夢中になれることを見つけるサポートをすること。そして子が没頭できる環境を整えてあげることです。
自分で考えて自分で判断し、何かに没頭した経験は、集中力を養い、主体性を育み、自分はできるという自信につながります。
子のために親ができること
<親が精神的に成熟しておく>
親自身が情緒不安定だとか、夫婦喧嘩が絶えないという家庭では、子は自分の居場所がないと感じ、やはり精神面でも不安定になります。
親は子の前では仲よくし、何があってもアタフタすることなく「大丈夫」という態度を崩さないことです。それが子にとっての全幅の信頼感につながります。
親が他人の悪口や陰口を言う精神性では、子は無意識に耳にフタをするようになり、人の話を聞かない子になってしまいかねません。
そして、子に対してウソはつかない。約束は守る、守れない約束はしない、もし約束を破ったら子に対しても誠実に謝ることです。
<子の話をしっかり聞く>
親子の会話は信頼関係、つまり人間関係の基礎になります。なのに、いつも親は子の話を遮って「そんなことはいいから」とか「言い訳するな」とか「忙しいからあとで」などと対応していると、子は親に言っても無駄となり、親に対して不信感を抱きます。
それがつまらない話でも言い訳であっても、お小遣いの値上げ要求でもスマホを買ってくれというおねだりでも、最後までじっくり聞くことです。
そして前述のとおり、否定や批判ではなく、子の意志をなるべく尊重してあげること。「親は自分のことを受け入れてくれる」「親は自分のことに関心を持ってくれている」という実感は、自尊心や自己肯定感につながります。
<ネガティブな言葉を使わない>
親の思考は言葉に現れ、それが子に伝わります。親が豊富な語彙で論理的に語り掛ければ、子の思考回路もそうなります。罵声や乱暴な言葉、否定的な言葉を投げかければ、子もそうなります。
子どもは自分に対する親の評価をそのまま受け入れ、そのとおりに行動するようになります。
だから「おまえには無理」と言われれば、「そうか、自分には無理なんだ」と信じますし、「バカ」と言われればバカのように振る舞います。「〇〇ちゃんを見習いなさい」などと他人と比較されると卑屈になる。だからこそ、家庭内ではポジティブで発展的な言葉を使うことです。
<挑戦を称え、失敗を認め、努力をほめる>
失敗や間違いを叱ると、できることしかやろうとしなくなります。そこで親は子が果敢に挑戦した結果の失敗は叱らず、むしろ称えることです。
テストの点数が悪くても叱らず、「次はどうすればいいと思う?」と対策を一緒に考える。100点をとっても「100点とってえらいね」と結果を褒めるのではなく、「頑張ったね」と100点を取るためにやってきた努力を褒める。努力を褒めれば、点数に関係なく「努力すること」を重視するようになるからです。
「引きこもり」を抱える親はどうするべきか
前述のような人格形成は幼少期の親との関わり合いが大きな原因とは言え、すでに現実に引きこもりの子を抱えてしまった場合はどうすればよいのでしょうか。
親ができること、その方法のひとつは、やはり家から追い出して「ひとり暮らし」をさせることです。
引きこもりは、引きこもることができる場所があるからできることですが、親子ともに共依存関係に陥っていることが引きこもりを長期化させます。
実家にいて親に依存していると、生活設計を考える必要がないですから、自立心が育まれない。そのため、どうしても精神的に未熟になりがちです。
親の方も「自活しろ」と言えず、むしろ子がそばにいたほうが安心だと依存している(あるいはあきらめている)わけです。
多くの場合、親は子よりも先に死ぬ
そうやって親子が相互にもたれあい、何の職業的スキルも経験も経ないまま年月を重ね、ずるずると婚期を逃してどうにもならなくなってしまう…。
しかし、たいていの場合、親は自分より先にこの世を去るわけで、親の年金という収入源もいつかは消滅します。家事をしてくれる人もいなくなる。
自立できていないのに、その後の約30年以上の余生を親無しで生きていかなければならないという、大きな問題をはらんでいるのです。
だから仮に経済的にはしんどくても、当初はあまり人と関わらないアルバイトなどで稼いで自分で家賃を払い、水道光熱費を払い、自分で家事や食事をして、自分ひとりの力で生活を成り立たせる。そうやって「自分ひとりでもやっていける」という自信が、社会復帰への足掛かりになります。
どうやって「自立」させるのか?
ただし引きこもりの場合、そもそも会話が少なく親子の信頼関係が希薄である場合が多いため、いきなり「出ていけ」などという乱暴な対応は、本人を意固地にしてむしろ関係を悪化させることになりかねません。
少ないサンプル数ではありますが、引きこもりから抜け出せない家庭では「親が見栄っ張りで、他人の目を過剰に気にする」「親自身が引きこもりを社会的落伍者と捉え、周囲に隠そうとする」「子の長所や個性を無視し、あきらめている」という傾向があります。
そこでまずは、親は子を愛している、信用しているという姿勢を見せ、少しずつ会話する頻度を増やすこと。引きこもりは悪いわけでもないし、本人にも長所があり才能があり、価値があることを認めること。
そのうえで、子がどうしたいのか、どういう考えを持っているかを否定せず引き出してあげること。親の意向を押し付けるだけでは反発するので、子が感情的にならず自分の将来展望に思考が及ぶようになるまで、辛抱強く受け入れ続けることです。
自治体や専門家への相談も視野に
そうした自発性の芽が出てきたら、親には親の人生があり、子は子の人生があること、親自身ももう支え続けるのは難しいということ、そして自立してほしいと伝える。
場合によっては、子をその家に残して、親が別の住まいに引っ越すなどの手段が必要かもしれません。
むろん、それもできないほど重症の場合は、社会復帰支援や職業訓練支援といったサポートが必要で、それは自治体や専門家に相談する必要がありそうです。
-ここまで-
比較的まともな文章だと思う。
特に、親が成熟しているということの大切さにふれている。
ときには、意識して、子供を突き放す—ということができるのも、「親が成熟していればこそ」だ。
それが、親としての常識なのだ。
その意味では、上の記事の親は、「非常識」だろう。