▲表題のコメントを読んでどう思われるだろうか。
まぁ、なぁと思う。
しょっちゅう、津波に襲われるのに…という記憶からの発言ということか。
コメントしたのは、蒲郡の市長さんらしい。
こんな感覚って、普通なのかなぁ。
津波に襲われるリスクなんて、太平洋に面しているかぎり、蒲郡も三陸海岸も同じであろう。
核心は、なにを主たる生業(なりわい)にしているか…ということなのだな。
そのあたりに理解が及ばない。それがこの蒲郡の市長さんの常識の限界なのだろう。
以下、新聞から抜粋。
愛知県蒲郡市の金原久雄市長が記者会見で、東日本大震災で津波被害に遭った三陸海岸について「歴史的に津波被害が残っている所に、どうして家を造ったのか不思議だ」と発言した。
被災地では今も多くの住民が避難生活を強いられており、物議を醸しそうだ。
金原市長は、発言の趣旨を問われ「三陸は歴史的にも被害が散見され、明治、昭和にも津波があった。
先人たちも造るなと言ってきたのに、家が立っているほうがおかしい」と繰り返した。
東海、東南海地震で想定される蒲郡市の津波にも触れ「地形的、歴史的にみて、水位は上がることはあっても東日本大震災のような津波は絶対あり得ない」と話した。
十一月六日に任期満了の金原市長は、今期限りでの引退を表明。
▲補足、感想など
蒲郡市の地図をみてみると、太平洋側に渥美半島が突き出ていて、守られた形になっている。
なるほど、これならば「津波」には強いだろう。また、農業等も充分に可能な土地なのであろう。(してみると、上掲の記事の言葉、塹壕に潜りこんだ兵士から、今、砂浜でバンザイ突撃を繰り返している兵士を批判した言葉のように聞こえるなぁ)
しかし、この蒲郡市の市長の発言は、三陸海岸というものへの理解に乏しい、いわば、三陸海岸沿いに暮らす人々に対して冷たい発言だろう。
三陸海岸ということころは、山が海近くまで押し寄せてきている。だから、リアス式海岸と言われるわけだが。
元々、農業に適した場所ではない。
その不利な部分を補うように、黒潮と親潮がぶっつかる漁業の適地が、目の前の沖合の海にあるのだ。
だから、漁業で暮らす人が多い。
漁業を主たる収入としている人々にとって、海岸近くで暮らすことの方がメリットが大きい。
特に漁師にとって、船の管理をするためには、すぐ近くに暮らすしかないのだ。
台風でもくれば、船を陸上へ上げなければならない…日々、気象の・海の変化に対応するためには、海岸を離れるわけにはいかないのだ。(どれだけ津波に襲われる危険性が高くとも)
この部分だな。この事実へ蒲郡の市長さんは理解が及ばない。
まぁ、常識として知らないのだろうなぁ。
だから、記事のような三陸海岸沿いに暮らす漁師にとっては「神経を逆撫でするようなお馬鹿な発言」となるのだ。
まぁ、最後っ屁のような発言ではあろうが、市の代表者というには「お粗末すぎる発言」と糾弾されてもやむをえまいな。