▲科学と占いとは異なる。
そういえば、十数年前の阪神大震災でも、なんだっけ、新潟県のあたりで起こった地震でも、前もって予想されていた…とかいうニュースがあとから流れる。
そう、占いならなんでも言える。
富士山が噴火するぞ…とか、小惑星が地球にぶっつかってくる…とか。
それぞれ発生する可能性がない訳ではない。
ただ、科学は分からないことを分からないといい、可能性はあるとしても現時点ではいつ発生するか予測できない…というだけだ。
このあたりだなぁ。
この2つをもっと明瞭に区別せよ。もっと意識して認識せよ。
科学とはどんくさい、はっきりものが言えない、どろくさいものなのだ。
見た目の派手さに騙されるな。
以下、書き込みから抜粋。
2008年に東京電力社内で、福島第1原発に想定を大きく超える津波が来る可能性を示す評価結果が得られた際、原発設備を統括する本店の原子力設備管理部が、そうした大津波は現実には「あり得ない」と判断して動かず、建屋や重要機器への浸水を防ぐ対策が講じられなかったことが27日、分かった。
東電関係者が明らかにした。
12月に中間報告を出す政府の事故調査・検証委員会も経緯を調べており、研究の進展で得た津波リスク評価の扱いや対応が適切だったかが焦点となる。
関係者によると、新たな津波評価について同管理部は、学術的な性格が強く、深刻に受け取る必要はないと判断したという。
▲補足、感想など
この記事は、誰をどう非難したいのか?
巨大な津波が起こるかも…と警告されていたのに、無視した。だから東電が悪い…と結論づけたい訳か。
この記事を書いた記者は、よほど単純な頭なのだろう。冒頭でふれた「占い」と「科学」の区別がつかない人なのだろう。
日本周辺ならば、どこで地震が起こってもおかしくないし、太平洋側なら大津波が発生することも当然だ。
そんなことは誰でも知っていることではないか。
東電であっても、当然、津波に対して、地震に対して予防策を講じていた。
じゃ、なぜ、この春のような事故となったのか…という問いとなるだろうなぁ。
それは、備えが二重・三重になっていなかった…というところにあるのだろう。
事故の核心は、バックアップの不足だ。
その点については、東電は非難されて当然だ。
いかに大きな津波の発生の可能性を指摘されても、企業には費用対効果というコスト面からのチェックがある。
発生の可能性の不明な・低いと判断されるものにいちいち対応できる訳があるまい。
(このあたりが科学というものであり、技術というものであり、そして最終的な経営判断だ)
そのあたりで東電を非難するのは筋違いだろうなぁ。
東電のミスは、非常用発電機の燃料タンクが津波で流失した場合のバックアップ体制の不足というところに核心があるのだろう。
この部分さえ、三重ぐらいにしておけば、なんの事故も起こらなかった筈だ。
東電の大きな判断ミスといわざるをえない。