▲アメリカのハリウッド映画なんて、クソ食らえというような映画だな。
日本的な様式美にあふれた、まぁ、一層、ガラパゴス化に邁進した—そんな映画だ。
まぁ、外国では売れまい。見る人がいるやらも分からない。
これは、日本人の宿命だなと感じる。
外国人から理解されまい。でも、それがなんだというのだ。
日本人は、喜んでかつ誇りをもって、この孤高の道を歩んでいくさ。
えっと、ちょいと粗筋にふれておこうか。
扇野藩の元藩士の瓜生新兵衛は、藩の不正を訴えたものの叶えられず、妻の坂下篠とともに藩を離れます。
それから8年、京で隠遁生活を送る二人しかし、刺客は絶えず、篠は病に倒れました。
篠が命を落とした初夏。新兵衛は篠の願いを叶えるために郷里に戻ることにします。
篠の願いとは、かつての盟友で篠と最初に縁談の話が合った榊原采女を助けること、そして毎年楽しみにしていた郷里の散り椿を代わりに見ることでした。
扇野藩では城代家老の石田玄蕃と、次期藩主の側用人候補の榊原采女の間で権力闘争が起きていました。
采女と新兵衛、そして今は沈黙を保つ篠原三右衛門、また今は亡き坂下源之進はかつて地元の平山道場で四天王と呼ばれた剣の達人でした。
8年前の不正疑惑は石田と扇野和紙の専売している田中屋、そして勘定方の采女の養父が関わっているとされ、采女の父は謎の死を遂げ、勘定方だった坂下源之進は切腹しました。
采女の養父を切ったのは、その切り口から四天王の誰かではないかという疑いが残りました。
8年後、扇野藩に戻ってきた新兵衛の存在に戸惑う周囲の人々。
▲補足、感想など
ちょいと詳しすぎるか。
まぁ、全体を言えば、勧善懲悪ものと言えよう。
ちょいと、他者の感想の抜粋をみようか。
--ここから--
「なんて切ない…」と、途中まで萌えた。
最初の不自然な距離感が納得!…と、思ってたら、後半、…おや?
その中途半端なハッピーエンド?は、原作だと納得の結末なのだろうか?
ん〜、片思いで良くない?
ただ、ただ、映像美の眼福。
2018/10/08
静謐さと重厚さに彩られた美しさ、こんな時代劇を観たかった。
潔さ、人への想いに溢れた傑作。
岡田准一という俳優はこんなにも凄かったのか。
佇まいは正に剣豪、しかも実戦的な殺人術に長けた達人にしか見えない。
この人は俳優ではなく武士、侍なのだろう。
アクションではなく「殺陣」を見せつけてくれます。
圧倒されました。
黒木華は和服が似合う完璧な女優。
奥田瑛二、石橋蓮司は相変わらず悪そうないい味が滲み出てました。
物語を文体、行間の美しさで魅せる様は、まるで古典純文学を堪能しているかのよう。
俳優の素晴らしい演技と美しさは、時代劇を再興させるとともに新たな段階へと引き上げてくれました。いいね!
--ここまで--
上にも、書いてあるように、映像美の眼福。
ただ、筆者はいくつかが気になった。
1.日本刀のもつ「重量感」が希薄すぎないか。
そりゃ、振り回すものだから、映画においては、かなり軽量となっているのだろう。
しかし、人の身体を切り裂くのだ。重量がなくして可能なはずがない。
どうも、采女の左手での片手突きなんて、うそっぽい感じがした。
2.昔のマカロニ・ウエスタンのような印象をもった。
殺陣を見せる映画だとは理解しているが、あれだけの人数を簡単に切り殺せるのかな—と感じた。
いや、上で書いてある日本映画の様式美、映像美を貶すつもりはない。
余計な戯言と受け止めてほしい。