2012年1月5日木曜日

シャープは未来が読めない。

▲シャープの前途が混迷してきたようだ。
 端的にいえば、現経営者が、シャープという会社でなにを作ればいいのか…判断に迷っているということであろう。
 10年前くらいから、液晶に特化してつっぱしってきたが、韓国・中国などの価格の安い商品に追い詰められてしまった。

 その時、液晶の次の商品がないことに気がついた…ということだ。
 なにか、太陽光発電に…とか、大型液晶で…とか一応なにかあるのだが、これという商品を見つけることができないでいる。
 結果として、原点に帰ろうと、白物家電か。
 昭和40年始め頃に帰ったようだなぁ。

 以下、新聞から抜粋。

 シャープは、白物家電と大型ディスプレーを中心とした業務機器の両事業を強化し、合計の売上高を2015年度までに現在の1・5倍の1兆円、営業利益も1・5倍の1000億円にそれぞれ増やす。

 売上高(約3兆円)の約7割を占めるデジタル家電事業に依存した収益構造を改めるのが狙いだ。
 売上高に占める比率は2割程度にとどまるものの、利益が出やすい白物家電、業務機器の両事業を成長戦略の中核に位置付ける。

 白物家電は、中国や東南アジアなどで、除菌イオン発生機能を備えたエアコンや冷蔵庫などの販売が好調だ。

 同社はインドネシアなどに数百億円を投じて複数の工場の新設を検討している。

 業務機器は、テレビ会議や電子黒板など幅広い用途に使えて成長が見込める60型以上の液晶ディスプレーの生産を強化する。

▲補足、感想など

 昭和40年代始め頃かなぁ。もう半世紀近くも前の話だ。
 その頃は、現シャープは、早川電気とかいっていた。
 冷蔵庫等の白物家電をつくるのだが、どれも品質がもう一つで、松下等に較べて評判が悪く、業績の足をひっぱっていた。

 確か、当時、倒産のウワサもあったような記憶がある。
 そんな最悪の時期に、電卓に活路を見出してなんとか乗り越えてきた。

 電卓の表示部分であった液晶を、今のように大型にもってこれたのは、現シャープの技術者達だ。
 つまり、今、シャープという会社は、電卓→液晶 という昭和40年代始めからの「技術の波」の終焉を迎えているのだ。

 さて、昭和40年代始めの最悪期のタイミングで、「電卓」にぶっつかったように、次の「電卓」を見つけることができるかな。

 そもそも、白物家電なんて、シャープは得意ではあるまい。(なんせ、これで潰れかけたのだからなぁ)

 今こそ、シャープの技術者の「底力」が試されようとしている。