2012年1月15日日曜日

台湾総統選—馬英九氏が当選。

▲台湾で馬氏が当選した。

 そういえば、知人から聞いたことがある。

 台湾にも日本の松下政経塾のようなものをつくろう…という話があったのだそうだ。
 しかし、政治家に理念もへったくれもあるか…というのでその計画は潰れたらしい。

 要するに、中国系の人間には、台湾という国?が台湾として独立していようが、中国にとりこまれようがどうでもいい。
 どっちが「得」なんだ? どっちの方が儲かるのか?

 判断規準はその一点なのだ…と。

 まぁ、ついでながらこの部分が中国人の「もろさ」につながっているのだろう。
 国とか組織よりも、個人の損得勘定が優先するのだ。
 個人としては確かに賢いし竜のごとく強いが、組織となると豚のようになるとでいえばいいのか。

 清国末期のアヘン戦争の頃のグダグタぶりも国家の運命・未来がどうとかよりも、個人の「どっちが儲かるねん?」の勘定の方が優先する…そんな意識が背景にあるためだろう。

 このあたりが、日本の幕末との差だな。中国には勤皇の志士も新選組も出現しない。

 だから、理念では統一できない。

 現在、中国大陸は、中国共産党が独裁の形をとっているが、この形でしか中国という国はまとまらないのだろう。

 このことは、どこかで資本主義に切り替わったとき、中国はいくつかに分裂するということを意味している。 

 以下、新聞から抜粋。

 台湾で14日、総統選挙が投開票され、中国との融和を志向する馬英九総統(国民党主席、61)が台湾独立を志向する野党・民進党の蔡英文主席(55)を破り、再選された。
 有権者は対中関係の改善や経済運営の実績など安定を優先した。
 ただ、得票率は前回より下がり、台湾住民の間に急速な対中接近への警戒感が増していることを示した。

 馬総統は14日夜、台北市内で支持者を前に「清廉、繁栄、平和を追求する路線の勝利だ」と勝利宣言。一方、蔡氏は党主席を辞任する意向を表明した。

 台湾の最高指導者である総統を住民が直接投票で選ぶのは5回目。
 馬総統の2期目の任期は5月20日から4年。

 今回の総統選は事実上、馬総統と蔡主席の一騎打ちだった。
 馬総統は副総統候補の呉敦義・行政院長(首相、63)と組み、蔡氏と副総統候補の蘇嘉全・民進党秘書長(55)を下した。

 台湾総統選挙の得票結果 候補者 所属政党 得票数(得票率)
 馬英九 国民党 689万1139(51.6%)
 蔡英文 民進党 609万3578(45.6%)
 宋楚瑜 親民党 36万9588( 2.8%)

 選挙戦の争点は、中台関係と経済政策に絞られた。

 馬総統は2008年まで8年間の民進党政権下で停滞した対中関係の改善や、金融危機からの経済のV字回復など4年間の実績が評価された形。1期目に続き、中国との貿易・投資関係強化がさらに進む見通しだ。

 蔡主席は貧富の格差や失業への対策など低所得者層への配慮に重点を置く姿勢を強調して追い上げたが、4年ぶりの政権奪還はならなかった。

▲補足、感想など
 李登輝前総統が民進党の蔡氏を応援していた。
 先の大戦から60年以上が経過した。
 李登輝さんのように、日本の教育を受けた人達も徐々に少なくなっていく。

 李登輝さんは、台湾はどうあるべきか…と考える。中国ではない、台湾という国として、自主的な運営を行いたいと考えているのだ。
 そこらあたりが、国を統べるものの「理念」というか「理想」とでもいうべきものであろう。

 ところが、戦後、台湾に逃げ込んできた外省人にとっては、台湾という国家?というものに馴染みがないというか執着がない。
 そこで、冒頭でふれたように、「要するに、どっちが得やねん? とっちが儲かるねん?」という判断規準しかないのだ。

 馬氏を選択したということは、上の中国人(外省人)的思想というものが台湾に充満しつつあるといことであろう。
 まぁ、いたし方あるまい。

 李登輝さんのような人間が片隅に追いやられる時代が来たか。
 台湾が日本から少しづつ離れつつあるという表現を使ってもいいのだろうな。

(このことは、尖閣諸島などの領土問題も、一層激しくなろう。やはり、尖閣諸島は国有化して、自衛隊を駐屯させるべきであろうなぁ)