2019年6月2日日曜日

ひきこもりって、甘やかされたモンスター。そりゃ、その通りだけど、そこから先の議論が後ろ向きすぎる


先の川崎の事件を契機として、ひきこもりを巡る議論が盛んになされる。
 なにかが契機となって、ひきこもる訳だが、ひきこもった本人も家族もどう対応していいのか分からないのだ。
 その「本人も家族もどうしたらいいか、分からない」という「虚を突いて」、悪徳業者がはびこる。

 家族も「どうしていいか分からない」から「寄るな、触るな」という対応を外に向けてしがちだ。
 でも、と思う。
 ひきこもっても、100人が100人、「ひきこもり」になる訳ではあるまい。
 数%は、そこから通常人となる。

 そういう、「こうしたら、ひきこもりから回復した」という事例を、世間でもっと共有すべきではないのか。
 上で「議論が後ろ向きだ」と言った理由はそのあたりにある。
 回復するコースというか、可能性が少しでもあるなら、やってみようか---という回復事例が、もっと世間で「常識」となるようにネットでも拡散すべきではないのか。

 で。
 筆者が、ひきこもりから回復したという事例をご紹介したい。

 --ここから--

2012/04/21()
 自分の身体を客観的に見て「体を整える」やり方で、引きこもっていた2人の息子を回復させた母親がいる。東京都に住む 山本光代さんだ。
 「引きこもりは、気力だけではどうにも解決できない」
 こう明かす山本さんは、引きこもっていた長男と次男の筋力が衰えていたため、母親自らが懸命に体のメンテナンスをすることに よって、回復を手助けしたという。
 大きな悩みがあるときに、ドキドキして呼吸が浅くなる経験をした人も多いに違いない。
 しかし、体の仕組みから考えていくと、 それは病気ではないと山本さんはいう。
 「感情がトラウマだったとすると、その記憶を思い出すと、体に出てくるんです。
 自分の体に感じたものは、心ではなくて、体が 覚えているんですね。
 だから、体が一緒に反応してくるということは、体を治さなければいけない」

■教師を辞めてカイロプラクティックの道へ 長男は見事大学卒業、次男は専門学校に
 山本さんは2年間、カイロプラクティックの学校で勉強。2005年、東京メトロ丸の内線南阿佐ヶ谷駅近くに「324カイロプラクティック オフィス」を開業した。
 カイロプラクティックとは、100年ほど前に米国で発祥した骨格を矯正する療法で、解剖学や神経学に基づいた手の技。
 筋肉の 硬い日本人向けには、まず筋肉をほぐしてから、骨格のゆがみや肩こり、腰痛などを整えていく。
 この療法を学び、実践したことによって、山本さんの長男は、大学を卒業し、国家資格の取得に向けて勉強している。
 また、 次男も自力で高校認定を取得。ITの専門学校にも入学し、就職活動をしているという。

 「息を吸うと、肋骨筋が上がったり下がったりすることによって、肺を膨らますんです。
 ところが、背中が曲がったり、骨格が曲がったり することによって、肺が膨らまなくなる。息の容量が少なくなってしまうんですね。酸素が足りなくなれば、血流が悪くなる。体の筋肉 が緊張して、血行に異常をきたし、『心拍変動』にも影響するのです」
 山本さんは、高齢者が将来、寝たきりや要介護にならないよう、筋力の低下を防ぐことが大事だという、日本整形外科学会が 2007年に提唱した「ロコモティブ症候群」に注目した。
 「歩いていない、動いていないということは、筋肉を使っていない。気持ちで動きたいと思っても、体がついていけなくなる。引きこもり の人たちもメカニズムは同じなのではないか」
 多くの人たちは、体は自然に動くものだと思っている。ところが、ねん挫などで痛みをかばう姿勢がずっと残っていたりすると、体の 左右のバランスが変わってくると、山本さんは説明する。
 つまり、右に傾いていれば、右足に負担がかかり、体は中心軸からブレるというのである。

 「どうしたら直接、体がほぐれるのかというと、温めてあげるとか、スキンシップをすることです。私たちはお薬を使えませんので、 アロマオイルを併用しています。嗅覚や皮膚からだと、すぐに効果が表れます。
 骨盤が曲がると、必ず首に来ます。気持ちがうつになったら、姿勢を正して後ろ向きになることはない。どうしても前かがみになるので、首に負担がかかる。うつのときでも、薬を飲む前に、 まず首を治して様子を見ることです。体が動くようになれば、気持ちも違ってきます」
 実際、引きこもっていた当事者たちも、こうした施術を受け、回復していったケースも少なくない

■肩の高さや体のバランスのずれが解消!筆者のカイロプラクティック体験記
 「肩の高さが、違いますね」。そう指摘を受けた筆者も、山本さんのカイロプラクティックを体感してみることにした。どうやら、左右の骨盤が違うらしい。
 用意されたメニューは、ヒバのオイルを入れた足浴と、手のほぐしだ。まずジャケットを脱ぎ、ベルトを外して、右と左の重さを片足ずつ測る体重計に乗ってみた。左右の体重計の差がゼロに近ければ近いほど、バランスがとれていることになる。ちなみに、左右差が8キログラム(約18ポンド)あると、内臓の具合が悪い。25キログラム(約55ポンド)以上あると、脳梗塞などの疑いがあり、
病院に緊急入院してもらったケースもあったという。
 「病気する人は、血流が変わってくるので、バランスが崩れているんですね」
 結果は、右67ポンド、左80ポンド。13ポンドも差があって驚いた。「左のほうに負担がかかっていることになります。肩が右のほうを向いていますよね。それに、立ったときに、手の位置や長さも左右が違う。なぜかというと、右の肘がよじれていますね」。右の掌が下に向かってよじれていた。
 「男の人は、肘が曲がると、目に来るよ」そういわれながら、右手をほぐしてもらい、意識しなくてもまっすぐになるよう調整してもらった。

 次に、手だけを入浴。湯には、神経を安定させる効果のあるヒバのオイルを入れた。そして、湯の中で問題のある指をほぐして
もらった。
 「右の人差し指が硬い。どうしても右手に問題がありますね」。1日中、パソコンを打ち続けている生活とも関係があるそうだ。さらに、ズボンをまくって、足温浴に挑戦。ヒバの香りが森林浴をしているような気分にさせる。ヒバは、防かび剤やシロアリ予防に使われる。水虫予防にもいいらしい。
 「足首の形は、左のほうに問題がある。ねん挫や骨折、子供の頃、階段や滑り台から落ちたことなどが、ずっと影響していることが多い。こうやって、自分の負の部分を知ることが大事なんですよ。自分でメンテナンスを心がけると、状況は変わってくるのです」
 取り揃えられているエッセンスオイルは常時、20種類以上。ローズマリーのオイルを湯に入れると、記憶力がアップするという。また、元気がない人には、オレンジの香りがいいらしい。このままの状態で右手から順番にほぐしてもらっていると、うつらうつら眠くなってきた。
 「肘を治すことによって、肩の位置も変わってきます。肩こりや首の調整をするときは、原因の手からほぐさないと意味がない」
 体がだんだん温まってきた。湯に浸かる右足が少し内側のほうを向いているのも、バランスが悪いからだという。
 そこで、アクチベーターという器具を使って、ダダダダダという振動を右のふくらはぎに当ててもらった。脊椎が瞬間的にリセットされる効果があるらしい。
 「時間が経つと、また戻ってしまう。ただ、3週間に1回くらい、リセットを繰り返していくことによって、変わっていくんですよ。期間は人によって違います」。こうして再び、体重計を測ってみた。左右の差は、わずか3ポンドほどの違いだ。原因は病気でなく、筋肉の硬さだった。
 「池上さんもクリスマスブーツ状態で、足としてはうまく機能されていない。ふくらはぎをもっとメンテナンスしてあげれば、疲れは取りやすくなると思います」

■心の回復は体を改善することから
 ここは、口コミだけで、宣伝はしていない。基本的に女性専用だが、紹介などがあれば男性でも対応しているという。
 「心が病んでいる人には、家で何かを説得するよりも、気持ち良くしてあげたほうが早いんです」。考え方を変換させる認知行動療法とは、また違ったアプローチだ。
 体の構造を勉強すると、自分の体を客観的に見ることができるというのは、当事者だけに限らず、興味深い話である。


2010/10/01()
 先日、内閣府が行った「ひきこもりに関する実態調査」の結果が公表された。
 「十五〜三十九歳の引きこもりは推定で六十九万六千人。この年齢層の五十人に 一人以上が引きこもっていることになる」
 引きこもりの原因は時代とともに変化しているという。
 「八〇年代の引きこもりはスチューデント・アパシー(無気力状態)が主な原因で、 ちょっとしたアドバイスで復帰できた。
 しかし九〇年代以降は、単位が取れなかったり就職に失敗したことがきっかけで 『自分は人生の落伍者』と思い込み引きこもる傾向にあります。
 最近の就職難も増加の原因のひとつと言えます」(和歌山大学保健管理センター・宮西照夫教授) 実際、家族が引きこもりになってしまった場合、必ず専門家に相談するべきと、宮西教授は言う。
 「引きこもりと言われる人のなかには統合失調症やうつ病を患っている方が少なからずいます。
 まず最初に専門家がそれを見極めなければ、治療が誤った方向に進んでしまうことになります。
 それも引きこもってから二〜三年以内に相談すること。
 それを過ぎると社会復帰がより困難になります」
 和歌山大学では、独自の『引きこもり回復支援プログラム』を行っている。
 「回復のためには、密室状態の家庭に第三者が入ることが必要。
 引きこもりの経験者から養成した『アミーゴ』というメンタルサポーターを、週に何回か自宅に派遣し一緒に遊ぶのです。
 引きこもる若者には、年寄りがいくら講釈しても効き目はありません。
 感性や興味が近い同世代の若者と本音をぶつけあう。
 そして徐々に食事などに連れ出し、家庭以外の新たな場所に 『居場所』を作ってあげるようにサポートしていくんです。
 ただし、一度外出できるようになったからといって『アミーゴ』の派遣をやめてしまうと、再び引きこもりに戻ってしまうこともあるので、 時間をかけて回復をはからなければなりません」
 同時に精神科医の治療も取り入れつつ行うこのプログラムでは、半年間で約九割が外出できるようになったという。 


 20141013日 
 過疎高齢化が進む中山間地域の活性化と、ひきこもりからの回復支援を組み 合わせた試みが、岡山県美作市で進んでいる。
 2012年に開いたシェアハウ スに、ひきこもりから脱しようとする人が入居し、共同生活や農作業をするう ちに、人と自然に話したり、何かに挑んだりするなどの変化が表れた。
 他にも 似たケースがあり、地元若者グループは、支援NPO法人と連携して事業化。
 「地域おこしで人もおこそう」と取り組んでいる。
 グループは、同市梶並地区の民家でシェアハウスを運営する「山村エンター プライズ」。
 市が委嘱する「地域おこし協力隊」出身の藤井裕也代表(27) らが12年11月、地方に基盤を持たない人が移住しやすい環境を作ろうとシ ェアハウスを開いた。
 個室のほか、共有の居間や台所がある。狙いは若者の移 住と過疎高齢化が進む地区の活性化の両立で、耕作放棄地での農作業アルバイ ト収入などで生活を支える仕組みだ。
 当初、ひきこもりの回復支援は想定していなかった。
 だが、2年間のひきこ もり経験がある20歳代前半の男性が開設時に入居。
 農作業などで住民らと接 するうちに会話が増え、気持ちが変化したという。
 1年後には演劇活動を始めた。
 その後、シェアハウスの様子がひきこもりの人の家族や支援者に口コミで広 まり、別のひきこもり経験者らも入居。
 グループは今春、ひきこもり回復支援事業「人おこしプロジェクト」に発展させた。
 対象は、「未就労・未就学の状態から抜け出したい」と希望する15~30歳の若者。
 週1回の日帰り体験や、 長期入居などを想定する。共有スペースで他の住人と少しずつ関わりながら 農作業アルバイトに出掛ける。
 シェアハウスの入居者8人のうち、ひきこもり経験者は現在3人。
 親類の紹 介で、今年6月に千葉市から来た山本大貴さんは人付き合 いが苦手だったが、先輩住民が無理に話しかけてくることはなく、自然に時間 が経過した。
 数日後、山本さんが翌日の予定を尋ねた時に初めて、藤井代表が 「こんな仕事情報もあるよ」と、畑の草刈りアルバイトを紹介。住民に草刈り機の動かし方などを教わりながら、農作業を始めた。
 今はシェアハウスに客が訪れると、お茶を出したり、子供に折り紙を教えた りと自ら動く場面が増えた。藤井代表は「変化が分かるのがうれしい」と話す。


 2017/04/29()
 過去に、批判の的となった場所があった。それが「戸塚ヨットスクール」だ。
 1976年、選手の育成のため設立されたが、その後、独自の指導方法が情緒障害などに効果があるとされ、 ヨット選手育成から生活指導へと切り替わった。
 しかし体罰をも辞さないスパルタぶりで、訓練生が死亡してしまう事件が相次いだ。
 校長の戸塚宏氏は傷害致死に問われ、懲役6年の判決を受けた。
 今、戸塚ヨットスクールはどうなっているのか?まだ入所する若者たちはいるのだろうか?
 愛知県知多郡美浜町にある戸塚ヨットスクール。事件後も、スクールは存続していた。
 存続する理由、それはここを求める生徒が絶えないからだ。
 しかし、2006年以降も、寮生の飛び降り自殺が複数報告されている。
 戸塚ヨットスクールの1日に密着。起床は朝6時。男女問わず、同じフロアでの共同生活だ。
 屋外で点呼し、20分間の早朝トレーニング。
 食事は朝昼晩、生徒のみで作っている。ヨガの次は清掃、そして7時過ぎに朝食だ。
 食事中、私語は厳禁。姿勢を正し、正座で食べる。
 続いてそれぞれのカリキュラムで勉強をこなす。スクールにきた理由は各々、違うものの訓練終了を目標に、与えられたものを一生懸命クリアする姿勢が見て取れた。
 午後はヨットでの海上訓練。そこに77歳の戸塚校長が現れた。
 年を取ったとはいえ、その眼光と威圧感は相変わらずだ。
 戸塚校長はヨットに乗り込み、 生徒より先に海に出る。
 生徒達は死に物狂いの形相でヨットを操る。
 戸塚校長は険しい表情で見守るのみだった。
 海上訓練は命の危険を伴う。2時間もの間、死と隣り合わせの環境に置くのがその目的だという。  戸塚校長は「死を身近に感じる環境に晒すと本能の『生きる』が強くなり、社会のストレスに対応できるようになる」と語る。
 「生きる力が一番大事なんだ。生きる力をいかに大きくするか!みんな弱いからイジメられて自殺する、叱られて自殺する。ヨット自身が体罰をしてくれる。死ぬというのが最高の不快感、それをヨットで作り出すとだんだん慣れてくる。それに比べたら社会の不快感なんて大したことない」。
 現在、スクールには12歳から44歳まで、8人の生徒が寮生活をしている。
 彼らはなぜここに来たのだろうか。
 17歳の男性は「今まで悪い事をいっぱいしてきたから自分で入所した。こんなに厳しいとは思ってなかった。 まだ全然治ってないけど、他人に謙虚になる事を学べたんじゃないかと思います」と答えてくれた。
 また27歳の男性は「戸塚校長と面談して、世間の噂と違い、この人は正しい事を言っていると思った。入ってみて、自分が今更ながらいい加減な生き方をしていたと気づかされた。
 一つずつ丁寧になんでもやっていくのが近道。 今までうまくいかなかったのは自分が雑にやっていたから」と反省の言葉をも口にした。
 戸塚校長に、今の日本の教育について聞いた。
 「教育がいいはずない!大学を卒業して3年後を調べてみると53%がニートになっている。
 教育が間違っているからだ。このままでは日本がつぶれる。 キレイ事でイニシアティブを取ろうとするからいけない。
 善悪が分かってないのに、日本中が"体罰は悪です"と言う。マスコミのおかげで日本は潰れるんだ。
 教育勅語がいけないと言ったのはアメリカだ。
 教育勅語で教育されたら、また日本がアメリカに刃向ってくるから。
 男をダメにすれば、その国はダメになるんだ。
 教育勅語で大和魂を培われたら、また立派な国になる。
 今度こそ『負けないぞ』って向かってくる。
 だからヨーロッパの間違った精神論を正しいとして与えておけば、 今のように教育が失敗して男が出来ない。
 森友の理事長は俺と同じ事を言う。俺と似とるやつが居るなあと思った」と、森友学園にまで言及。
 --ここまで--

 こうしたら、ひきこもりから回復するという事例をしめした。
 で。
 表題のモンスターがどうたらという記事をみよう。

 2019531
立川志らく(落語家)
「育てた伯父伯母は高齢なので責任を問うのは酷だが(略)もっと早く何とかできた、こういうモンスターを作り上げる前に、小遣いを顔も見ずに与えてた、どんどん甘やかしてたわけでしょ、それがこういう恐ろしい人をこしらえてしまった(略)もっと早く国に相談すべきだった」

立川志らく(落語家)
「育てた伯父伯母は高齢なので責任を問うのは酷だが(略)もっと早く何とかできた、こういうモンスターを作り上げる前に、小遣いを顔も見ずに与えてた、どんどん甘やかしてたわけでしょ、それがこういう恐ろしい人をこしらえてしまった(略)もっと早く国に相談すべきだった」

2019531
溝口紀子(柔道家)
「再発防止には(略)ひきこもりの高齢者が61万人もいて、全部が悪魔になるとは思わないが、予備軍になっちゃうようなひとが、もしかしたらいるかもしれない。その人達に対してどういうふうにケアしていくか」
補足、感想など

 ひきこもりにしない教育方、抜け出させるために—という文章をみよう。

 --ここから--

 今回は、わが子を引きこもりにしないための教育法や、抜け出させる策について考察したいと思います。
 引きこもりは精神的にも孤立している
 本来、心が成熟した人間は、ひとりでも誰かと一緒でも、満足できる時間を過ごすことができます。 仮に物理的な状態としては孤独であっても、精神面では孤独ではないですし、自ら人間関係を遮断するわけでもありません。
 しかし引きこもりは、自分の方から人との関りを避けて、物理的にも精神的にも孤立している状態です(なお、ここで言う引きこもりは、ウツや精神障害、疾病等で引きこもっている人を指すものではありません。それは医学的治療を受けるレベルの人ですので、ここでは対象外としています)。
 引きこもりになる人の多くは、プライドと自己愛が強すぎるのです。だからちょっとでも人間関係がうまくいかないと、すべてが嫌になります
 強烈な自己愛のため、自分の意見が受け入れられないとか、仕事ぶりを注意されただけで自分の全人格を否定されたように感じ、それがガマンできません。
 それでいて、むきたてのゆで卵のようにナイーブで傷つきやすい性格を持っています。
 さらに、承認欲求も非常に強い傾向があり、他人から認めてもらわなければ自分の存在価値を確認できません。
 そのため「誰も自分のことをわかってくれない」「認めてもらえない」「無視された」などと過剰に反応し、過剰に傷つきます。
 たとえば「独りランチ」が続いただけで、会社で孤立している、皆から浮いている、無視されていると感じてしまう。しかし実際には、周りは本人の気持ちを軽んじようなどという発想をそもそも持っていないことがほとんどなのですが、なぜか彼らは自分に敵意があるかのように受け止めます。

★なぜ「引きこもり」になるのか?
 なぜそういう性格が形成されるかというと、多くの場合、幼少期に親から十分な愛情を受けていないことに起因すると言われています。愛情不足で育ったために大人になっても強い愛情飢餓感を抱き、それが自己愛へと形を変えて自分にすがるようになります。
 だから何より自分が大事なのです。誰かに愛してもらいたい。周りに評価してもらいたいという欲求が強い。
 愛情不足とは単に放置されるといったことにとどまりません。高すぎる親の期待、親の価値観の押し付け、厳しすぎるしつけや服従の強要、過保護、子への迎合など、様々な精神的虐待を含んでいます。
 そのため、適切な自我や自己肯定感が育たず、つねに他人や社会からの視線を気にして、自分の思い通りにならないと、自分の存在が否定されたかのように感じてひどく傷つくのです。
 それを恐れて身動きが取れなくなり、人との接触を避けるようになります。人と関わることがなければ、自分が傷つくこともないからです。

★親が子どもにできること
 こうした事態を防ぐために、親ができることは何でしょうか。
 それは、子が適切な自己肯定感、自己有能感、自尊心、主体性を持てるような子育てをすることです。
 具体的には次のようなことが挙げられます。

<愛情をたっぷり注ぐ>
 親から「なんでこんなこともできないんだ!」「そんな子は知りません!」などと言われて育つと、子は自分の存在に不安定感を感じてしまいます。
 しかし親が子に無償の愛情を注ぐことで、子は「自分はここに存在していいんだ」「世の中は自分を受け入れてくれている」「自分は大丈夫」という感情を抱くことができます。
 それが「社会は自分の敵ではない」「人は自分に攻撃してはこない」という安心感が持てます。
 親は子にとっての安全基地ですから、子が甘えたいときは、親はどっしりと構え甘えさせることです。
<子どもの意志を尊重する>
 親があれこれ先回りしたり、親がすべて決めたり、親の価値観を押し付けたりすると、子は自分の頭で考える機会を奪われ、自ら主体的に何かに取り組むという姿勢を失ってしまいます。
 そこで、子の判断を促し、それを尊重することです。たとえば塾や進学などで親の価値観を押し付けない。勉強しろとか宿題しろなどと強制しない。大人でも強制されるのは嫌ですが、子どもはもっと鋭敏に感じてしまうものです。
 そして子がやりたいということは、なるべくさせてあげる。子の好奇心の目をつぶさないようよく観察し、子が夢中になれることを見つけるサポートをすること。そして子が没頭できる環境を整えてあげることです。
 自分で考えて自分で判断し、何かに没頭した経験は、集中力を養い、主体性を育み、自分はできたという自信につながります。

★子のために親ができること
<親が精神的に成熟しておく>
 親自身が情緒不安定だとか、夫婦喧嘩が絶えないという家庭では、子は自分の居場所がないと感じ、やはり精神面でも不安定になります。
 親は子の前では仲よくし、何があってもアタフタすることなく「大丈夫」という態度を崩さないことです。それが子にとっての全幅の信頼感につながります。
 親が他人の悪口や陰口を言う精神性では、子は無意識に耳にフタをするようになり、人の話を聞かない子になってしまいかねません。
 そして、子に対してウソはつかない。約束は守る、守れない約束はしない、もし約束を破ったら子に対しても誠実に謝ることです。

<子の話をしっかり聞く>
 親子の会話は信頼関係、つまり人間関係の基礎になります。なのに、いつも親は子の話を遮って「そんなことはいいから」とか「言い訳するな」とか「忙しいからあとで」などと対応していると、子は親に言っても無駄となり、親に対して不信感を抱きます。
それがつまらない話でも言い訳であっても、お小遣いの値上げ要求でもスマホを買ってくれというおねだりでも、最後までじっくり聞くことです。
 そして前述のとおり、否定や批判ではなく、子の意志をなるべく尊重してあげること。「親は自分のことを受け入れてくれる」「親は自分のことに関心を持ってくれている」という実感は、自尊心や自己肯定感につながります。

<ネガティブな言葉を使わない>
 親の思考は言葉に現れ、それが子に伝わります。親が豊富な語彙で論理的に語り掛ければ、子の思考回路もそうなります。罵声や乱暴な言葉、否定的な言葉を投げかければ、子もそうなります。
 子どもは自分に対する親の評価をそのまま受け入れ、そのとおりに行動するようになります。
 だから「おまえには無理」と言われれば、「そうか、自分には無理なんだ」と信じますし、「バカ」と言われればバカのように振る舞います。「〇〇ちゃんを見習いなさい」などと他人と比較されると卑屈になる。だからこそ、家庭内ではポジティブで発展的な言葉を使うことです。

<挑戦を称え、失敗を認め、努力をほめる>
 失敗や間違いを叱ると、できることしかやろうとしなくなります。そこで親は子が果敢に挑戦した結果の失敗は叱らず、むしろ称えることです。
 テストの点数が悪くても叱らず、「次はどうすればいいと思う?」と対策を一緒に考える。100点をとっても「100点とってえらいね」と結果を褒めるのではなく、「頑張ったね」と100点を取るためにやってきた努力を褒める。努力を褒めれば、点数に関係なく「努力すること」を重視するようになるからです。

★「引きこもり」を抱える親はどうするべきか
 前述のような人格形成は幼少期の親との関わり合いが大きな原因とは言え、すでに現実に引きこもりの子を抱えてしまった場合はどうすればよいのでしょうか。
 親ができること、その方法のひとつは、やはり家から追い出して「ひとり暮らし」をさせることです。
 引きこもりは、引きこもることができる場所があるからできることですが、親子ともに共依存関係に陥っていることが引きこもりを長期化させます。
 実家にいて親に依存していると、生活設計を考える必要がないですから、自立心が育まれない。 
 そのため、どうしても精神的に未熟になりがちです。
 親の方も「自活しろ」と言えず、むしろ子がそばにいたほうが安心だと依存している(あるいはあきらめている)わけです。
 多くの場合、親は子よりも先に死ぬ
 そうやって親子が相互にもたれあい、何の職業的スキルも経験も経ないまま年月を重ね、ずるずると婚期を逃してどうにもならなくなってしまう…。
 しかし、たいていの場合、親は自分より先にこの世を去るわけで、親の年金という収入源もいつかは消滅します。家事をしてくれる人もいなくなる。
 自立できていないのに、その後の約30年以上の余生を親無しで生きていかなければならないという、大きな問題をはらんでいるのです。
 だから仮に経済的にはしんどくても、当初はあまり人と関わらないアルバイトなどで稼いで自分で家賃を払い、水道光熱費を払い、自分で家事や食事をして、自分ひとりの力で生活を成り立たせる。そうやって「自分ひとりでもやっていける」という自信が、社会復帰への足掛かりになります。

★どうやって「自立」させるのか?
 ただし引きこもりの場合、そもそも会話が少なく親子の信頼関係が希薄である場合が多いため、いきなり「出ていけ」などという乱暴な対応は、本人を意固地にしてむしろ関係を悪化させることになりかねません。
 少ないサンプル数ではありますが、引きこもりから抜け出せない家庭では「親が見栄っ張りで、他人の目を過剰に気にする」「親自身が引きこもりを社会的落伍者と捉え、周囲に隠そうとする」「子の長所や個性を無視し、あきらめている」という傾向があります。
 そこでまずは、親は子を愛している、信用しているという姿勢を見せ、少しずつ会話する頻度を増やすこと。引きこもりは悪いわけでもないし、本人にも長所があり才能があり、価値があることを認めること。
 そのうえで、子がどうしたいのか、どういう考えを持っているかを否定せず引き出してあげること。 
 親の意向を押し付けるだけでは反発するので、子が感情的にならず自分の将来展望に思考が及ぶようになるまで、辛抱強く受け入れ続けることです。

★自治体や専門家への相談も視野に
 そうした自発性の芽が出てきたら、親には親の人生があり、子は子の人生があること、親自身ももう支え続けるのは難しいということ、そして自立してほしいと伝える。
 場合によっては、子をその家に残して、親が別の住まいに引っ越すなどの手段が必要かもしれません。
 むろん、それもできないほど重症の場合は、社会復帰支援や職業訓練支援といったサポートが必要で、それは自治体や専門家に相談する必要がありそうです。

 --ここまで--

 上の記事で、対応がそう間違っているとは思わない。
 筆者は、中村天風さんの自己暗示でも十分、回復可能ではないかと思えるのだが--

 ちょいと、中村天風さんの自己暗示の方法について。

 --ここから--

 夜、寝際には必ず
 「おまえは元気になれ」
 と命令暗示をかけた。翌朝は、
 「私は元気になった」と断定的な暗示を施す。
 これを電車の中でも、ところかまわずやった。

 「暗かったら、窓を開けろ。光りがさしてくる」
 この言葉は、「心がマイナスになったら、一層の積極精神を心がけよ。すると、大宇宙の生命力が注ぎ込まれ、生きる力が湧き上がる」と。

 --ここまで--

 一通り、対応策のようなものをしめした。
 冒頭で「議論が後ろ向きではないか」と書いた。
 上の記事には、日本人からの書き込みがあった。その後ろ向きの文章をみてみよう。

 --ここから--

2: だから挑発すんなってのに、この落語家は馬鹿なのか?

10:志らくの子どもいないの? どこの家でもあり得る問題なのに

75: どんなに裕福な家庭の子供でもあり得る話なんだよなあ

13: そう言う偏見が悪魔を生むんだよ 引きこもりと接したこと無いくせに無知を自覚しろ

17: 一般人と引きこもりが殺人を犯した数を比較してから言え

591: そもそも引きこもりは家から出ないしな 引きこもりの意味をもう少し考えた方がいい

21: さすがにこれはBPO案件 バカじゃね

26:モンスターを作ったのは社会全体やろ 引きこもりとか不登校の成れの果て

70: 61万人いて(実際はもっと多い)これだけしか事件起きてないのに何言ってんだ 柔道家の方が犯罪率高いんじゃねーの

71: 芸能人のほうが明らかに犯罪率は高い

72: 最近、ひるおび観てないけど、酷い事言うようになったね…。 志らくも柔道家もいまいち好きじゃないと思ったら…。

85: その61万人をテレビでモンスター扱いだからな 今更国が対策して本人が心入れ替えてやる気出しても誰もこんなの雇わないだろw

157: 論点がズレまくりやな引きこもりだけがモンスターちゃうぞ

2. これは酷い。謝罪と賠償を要求するニダ

5. 現代の魔女狩り

10. 犯罪してるのは引きこもりだけではないし、予備軍とか言ってるのはおかしくない?テレビ局の報道の仕方だって問われる問題だよ。

11. 引きこもりの人に対するヘイトですね。謝罪と賠償して下さい。

12. ワイドショー番組とは、何の専門性も無いコメンテーターが適当な事を言って、TV1日中見てるジジババ情弱が適当に見るだけのもの明日無くなってもジジババ情弱以外誰も困らない代物
地上波の大半がそうかも知れんが

17.重犯罪を1人でも犯したらその集団すべてがモンスター扱いになるのなら、もっとひどいモンスター集団が他にもいるだろ

19.日本の引きこもりは全部入れたら100万人以上だよ。61万人というのは3055才くらいまでの中高年。日本にはそれだけの数の怠け者が、毎日、しょうもないブログで暇を潰してるってことよ。社会のことゴミだよ!まったくな。

21. 日本人が主体の集団だと「○○は犯罪予備軍」アッチ系が主体の集団だと「あれはイレギュラーな存在、集団自体が悪いわけではない」 パヨクお得意のダブルスタンダードですから

22.引きこもりが発狂し過ぎだろ働きもせず親に集る寄生虫が迷惑な存在なのは確かだ

23. これはどの世代でもわかると思うけど、結局引きこもりとかを追い詰めるのって、こういう悪意にまみれて理由もなく人を見下しては攻撃するような性格の悪いクズなんだよね。具体的にいうとマスメディア関係者みたいな。

25.え、なに? つまりTBSは犯罪率の高い世代や芸能界をモンスター扱いして良いっていう表明?

31. まぁ、今の引きこもりが何か国益をもたらしてるかというと、0.01%ぐらいはいるかもしれんが
基本おらんでしょ。そういう意味でなら、悪魔ですわ。犯罪は引きこもり関係ない。人間性

35. 志らくの発言は軽率。この言葉は全ての引き籠りを発奮させる力はなく、むしろ呪いをかけた。噺家として言葉の重みを自覚していない。引き籠りには引き籠りになる理由がある。この呪詛は返して然るべき。

41. 甘やかし過ぎは確かにそうだとおもうが‥

45. マスコミってすぐレッテル貼って社会の敵を作り出すよね。少し前はオタクの人は犯罪予備軍とか言っていたし、最近はネットやっている人も悪だと言って攻撃していた。

52. 働かない働けないヒキニートが61万人いるのはすでに脅威なのだが税金でこいつらの未来を賄うとかやめろよ

55. 30年以上前から、日本社会が能力主義に転向すれば、相当な数の歩留まりが発生すると言われてけどね。終身雇用時代に引きこもりの面倒を看てたのが企業終身雇用の終わりと共に、彼らは必然的に労働社会から弾かれる構図。30年以上も前から言われてた話

 --ここまで--

 なにか、書き込みが混乱している気がするが、冒頭でふれたように、どう回復させるか--という本質の部分にふれた人が一人もいないのだ。

 筆者は、戸塚さんの能力を買っている。
 上でふれた。
 こんなオレでも、人間として生きていて、そのことに価値があり、こうして生きている喜びを感ずること。そして、この社会に対してなにか自分の力でお役に立つことをやりたい—と思うこと。

 できることからすればいいじゃないか。例えば、このような文章を書くことからでもすればいいのでは。
 そう思えば、ひきこもりから回復する。
 そう思うまで、戸塚さんのところで、ヨットの訓練をするもよし、山村で農作業をするもよし—ではあるまいか。