筆者は、まぁ、そんなものだろうと思う。
それにしても、2009年春、トヨタが7千億円くらいの赤字にしたとき、海外からとんでもない反応が返ってきた。
(ついでに言えば、当時、トヨタは減価償却の期間を短くして、費用額を大きくした?・・とかの噂があった。おおっぴらに赤字が計上できるタイミングだと判断して、ここぞとばかりに危なそうなものを全て費用として計上したのだ)
こういうトヨタなど日本企業の対応に対して、2009年4月にイギリスのエコノミスト誌は、「信じがたいほど縮小する日本経済」という記事を書いて、日本経済は落ち込んでいると書いた。(なんだなぁ、英国のエコノミスト誌の記者って、会計学の知識もないのだなぁ。文章さえ書ければ、誰でも記者になれるのか?)
しかし、と思う。
2008年のアメリカのサブプライムローンを原因とした金融の混乱の傷は、どの国でも、どの企業でも受けていた筈だ。
しかし、日本の企業だけがその受けた傷を真っ当に露呈するだけの体力があったということだ。この7千億円の赤字の意味は。
ならば、ヨーロッパ諸国の諸企業は、リーマンショックで受けた傷を隠したまま、悪くいえば赤字でも配当しているということではないのか。(バランスシート不況の意味とはこういう意味であろう)
それはジワジワと体力を弱めていく。
最近、日本の企業のヨーロッパ企業のm&a が盛んだが、上記のような背景があるのではないのか。
以下、新聞から抜粋。
トヨタ自動車は、愛知県豊田市内の本社で株主総会を開いた。
豊田社長は「生産台数は前期並みを確保する。取り巻く環境は厳しいが、新興国を中心に販売拡大を図る」など。
トヨタの平成24年3月期の連結営業利益は前期比36%減の3千億円の見通し。
役員賞与の支給を3年ぶりに復活することも決議。年間配当は5円増配の50円とする。
▲補足、感想など
そうか、株主総会のニュースだった。
決算の数字を、別のソースから紹介。
--ここから-
売上高は、前期比0・2%増の18兆9936億円とほぼ横ばいにとどまった。
新興市場や中国などの旺盛な需要に支えられてきたが、東日本大震災の影響などで売り上げは頭打ちとなった。
本業によるもうけを示す23年3月期の営業利益は、4682億円と、前期のほぼ3倍となった。
最終損益は4081億円の黒字で、前期比94・9%増加し
--ここまで--
トヨタは随分回復していることが分かる。
この2年という期間は、2008年秋のリーマンショックにどう対応したか・・という各企業の対応策の差を示している。
冒頭でふれたように、欧米諸国の企業も、トヨタ等の日本の企業と同じような傷を受けている筈だ。
それを2009年の決算で、赤字にできるかできないかの差ということだろう。
当然、赤字にすれば配当ができないから、株主から非難を受ける。
このあたりだなぁ。
株主の言い分をどこまで聞かなくてはならないのか。
日本の株主と、欧米諸国の株主との違いが、こういうリーマンショックのような非常時の決算の時、顕在化するのか。
2009年に赤字にできなかった企業たちは、日本のバブル崩壊後、数年間も黒字決算を続け、結果として体力を失った日本の銀行などと同じだな。
自分で、自分の首をしめている。自分で自分の体力を失わしめているのだ。
これでは、一層、日本の企業による欧米企業のm&a が増えそうだなぁ。