2011年10月9日日曜日

普通の男は0.8パーセント。

▲若い女性がいう「普通の」という形容詞が、いかに普通ではないか…ということがなかなか理解されないようだ。

 なんだっけ、普通の容貌で、普通に話ができて、普通の企業に勤めていて…という表現に、その難しさがあるということだろう。

 これはなぁ、と思う。

 条件を並列に並べるということに肝心要があるのだ。

 高校で習った確率で考えてみよう。

 まず、普通の顔で…を10人のうち、6人程度だとかんがえると、6/10 つまり、0.6の確率だ。

 その考え方で、普通に話ができて…も10人中6人だとすると、6/10 0.6の確率となる。

 ただ、これを並列にならべ、

 普通の顔で普通にしゃべれる人…となると、0.6×0.6 で0.36となる。つまり、4割くらいだ。

 同様に、普通の企業につとめていても0.6とすると、0.6×0.6×0.6 となり、0.22 となる。

 この調子で、普通のなんとか…という条件を後2つくらい、並列させると、表題の0.8パーセント程度になってしまう。

 これは、結局、条件の軽重を考えよ…ということを、上の数学的思考の結果は指ししめている。

 これだけは譲れないという条件を2つくらいにして、他の条件はケースバイケースで考えるという風に考えると間口は随分広くなる。

 以下、新聞から抜粋。

 ある日、書店で本と出合うことができた。

 コンサルティング業だった男性が婚活ビジネスに参入し、数字で読み解くという内容だ。

 ウキウキしながら即購入。

 さてその中身は…。

 たとえば「どの女性も言う『普通の男でいい』の普通は0.8%しかいない」

 「自然の出会いで交際する確率は0.24%」「年収600万円以上の男性を巡る競争率は10倍以上」など、心をわしづかみにされるような数字のオンパレード。

 どれもコンサルタントの著者が、統計などから導き出した数字らしい。

 独身彼氏ナシの30代女にはゾっとするような数字ばかり。

 それも32歳彼氏ナシの女友達のぼやきを聞いたばかりだったからだ。

 彼女は以前から結婚しても生活水準は下げられない、夫の家の娘にはなりたくないと言い続けている。

 友人なので彼女の幸せを心から願っているが、その結婚条件を聞いていると、結婚はできないだろう断言できる。

 私も彼氏ナシ。いつまでたっても0.24%の可能性にかけている自分を鏡で見たような気がして怖い。

 これからの時代は5人に1人が生涯独身でいるというデータも紹介されていた。

 願わくば誇張された数字であってほしい。

▲補足、感想など

 誇張された数字であって欲しい…か。

 まぁ、誇張といえば誇張かなぁ。

 0.8パーセントという数字は、冒頭で説明しているように、「普通の」という条件を5つ並列にならべるとこういう数字になりますよ…と記述したものだ。

 そもそも、「普通の」という条件を5つも並べるかと問われれば、3つか4つくらいが常識的だろうから、1-2つくらいの条件増は、誇張と言えなくもない。

 記事中の他の数字がどう導きだされたものか、筆者には見当もつかない。ただ、感覚的には、そうおかしくもない数字だろうが、上と同じで、3つか4つが常識的なところを、1つ・2つくらい増やした数字になっている可能性が高かろう。

 さて、結婚というものは、人生において大きな意味をもっている。

 どのような配偶者を得るかということは、人生を左右するほどのものだ。

 その意味で慎重とならざるを得ないのかもしれない。

 ただ、結婚というものは完成された人間同士の結びつきではない。

 未完成な人間どうしが、互いに敬(うやま)い、互いに労(いたわ)りあって、やっと続いていくものだと思える。

 二人で協力し・努力して家庭というものを築いていくものだ。…なにか言い古された言葉なのだが、その通りだと思える。

 記事に不平家の女性がでてくるか、まぁ、結婚はできまい。

 仮に結婚したところで、夫婦関係を維持できまい。

 結局のところ、

 慎み深く、互いに敬(うやま)い互いに慈(いつく)しみあおう…という気持ちを持たない限り、結婚相手も見つかるまい。