▲若い女性がいう「普通の」という形容詞が、いかに普通ではないか…ということがなかなか理解されないようだ。
なんだっけ、普通の容貌で、普通に話ができて、普通の企業に勤めていて…という表現に、その難しさがあるということだろう。
これはなぁ、と思う。
条件を並列に並べるということに肝心要があるのだ。
高校で習った確率で考えてみよう。
まず、普通の顔で…を10人のうち、6人程度だとかんがえると、6/10 つまり、0.6の確率だ。
その考え方で、普通に話ができて…も10人中6人だとすると、6/10 0.6の確率となる。
ただ、これを並列にならべ、
普通の顔で普通にしゃべれる人…となると、0.6×0.6 で0.36となる。つまり、4割くらいだ。
同様に、普通の企業につとめていても0.6とすると、0.6×0.6×0.6 となり、0.22 となる。
この調子で、普通のなんとか…という条件を後2つくらい、並列させると、表題の0.8パーセント程度になってしまう。
これは、結局、条件の軽重を考えよ…ということを、上の数学的思考の結果は指ししめている。
これだけは譲れないという条件を2つくらいにして、他の条件はケースバイケースで考えるという風に考えると間口は随分広くなる。
以下、新聞から抜粋。
ある日、書店で本と出合うことができた。
コンサルティング業だった男性が婚活ビジネスに参入し、数字で読み解くという内容だ。
ウキウキしながら即購入。
さてその中身は…。
たとえば「どの女性も言う『普通の男でいい』の普通は0.8%しかいない」
「自然の出会いで交際する確率は0.24%」「年収600万円以上の男性を巡る競争率は10倍以上」など、心をわしづかみにされるような数字のオンパレード。
どれもコンサルタントの著者が、統計などから導き出した数字らしい。
独身彼氏ナシの30代女にはゾっとするような数字ばかり。
それも32歳彼氏ナシの女友達のぼやきを聞いたばかりだったからだ。
彼女は以前から結婚しても生活水準は下げられない、夫の家の娘にはなりたくないと言い続けている。
友人なので彼女の幸せを心から願っているが、その結婚条件を聞いていると、結婚はできないだろう断言できる。
私も彼氏ナシ。いつまでたっても0.24%の可能性にかけている自分を鏡で見たような気がして怖い。
これからの時代は5人に1人が生涯独身でいるというデータも紹介されていた。
願わくば誇張された数字であってほしい。
▲補足、感想など
誇張された数字であって欲しい…か。
まぁ、誇張といえば誇張かなぁ。
0.8パーセントという数字は、冒頭で説明しているように、「普通の」という条件を5つ並列にならべるとこういう数字になりますよ…と記述したものだ。
そもそも、「普通の」という条件を5つも並べるかと問われれば、3つか4つくらいが常識的だろうから、1-2つくらいの条件増は、誇張と言えなくもない。
記事中の他の数字がどう導きだされたものか、筆者には見当もつかない。ただ、感覚的には、そうおかしくもない数字だろうが、上と同じで、3つか4つが常識的なところを、1つ・2つくらい増やした数字になっている可能性が高かろう。
さて、結婚というものは、人生において大きな意味をもっている。
どのような配偶者を得るかということは、人生を左右するほどのものだ。
その意味で慎重とならざるを得ないのかもしれない。
ただ、結婚というものは完成された人間同士の結びつきではない。
未完成な人間どうしが、互いに敬(うやま)い、互いに労(いたわ)りあって、やっと続いていくものだと思える。
二人で協力し・努力して家庭というものを築いていくものだ。…なにか言い古された言葉なのだが、その通りだと思える。
記事に不平家の女性がでてくるか、まぁ、結婚はできまい。
仮に結婚したところで、夫婦関係を維持できまい。
結局のところ、
慎み深く、互いに敬(うやま)い互いに慈(いつく)しみあおう…という気持ちを持たない限り、結婚相手も見つかるまい。