▲1990年の日本のバブル崩壊後、サンザン低迷した経済状況だった。
あの時、欧米諸国の金融担当の高官達はなんと言ったか。
「あれは日本人がアホだからこうなったのだ。我々白人は優秀だから、ああはならない」…とか。
また、2008年のリーマン・ショック後、2009年の春、トヨタ自動車は7000億円くらいの赤字を計上した。
その時、イギリスのエコノミスト誌は、信じられない程凋落する日本…という記事にした。
今、欧州の金融担当の高官達は、欧州の金融と比較して、日本を日本人を笑えるか？
振り返って、2009年春にヨーロッパ諸国の企業も損失を明らかにして、巨大な赤字を計上していればこれほどの苦境に立たなかった筈だ。
いずれも、日本の経験というものを、「あれは日本人がアホだから、ああなったのだ。我々白人は優秀だから、もっとうまくやれる筈」とか思っていなかったのか。
黄色人種蔑視の人種差別という色眼鏡が、自分達の現実というものを直視する妨げになったのではないのか。
以下、新聞から抜粋。
ガイトナー米財務長官は９月24日、財務相らに対して、「欧州が悪化する債務危機を解決しない限り、連鎖的な債務不履行と銀行の取り付けリスクが世界経済の行く手に待ち受けることになる」と警告。
ガイトナー財務長官は自らの経験と教訓に基づいて発言を行った。
ガイトナー氏は リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの破綻を受けた混乱の中で、ニュー ヨーク連銀総裁として金融システムを支えるために力を尽くした。
財務長官は国際通貨基金（ＩＭＦ）の会合でこの警告を発したが、フランスとポーランドを訪れ、欧州の政策担当者に行動を訴えていた。
リーマン破綻の後、金融機関は約１兆ドル（約77兆円）の損失ないし 評価損を被り、Ｓ＆Ｐ500種株価指数は半年で40％下落した。
戦後最悪の景気後退に陥った世界経済は回復しきれておらず、過去数カ月は再び ほぼ失速に近い状態が続いている。
欧州の債務危機の影響で、７月１日以降に約13兆ドル相当の資産が失われたと試算。
コロンビア大学のロバート・マンデル教授によれば、欧州の悪夢のシナリオは金融の新たな大惨事の発生を意味する。
最悪の場合、欧州当局はギリシャのデフォルトを阻止できず、支払い不能を引き起こす投資家の反応が イタリアやスペインに波及する。
銀行のバランスシートに壊滅的な 打撃を与え、市場を揺るがして経済成長を妨げ、ユーロ圏を分裂させる恐れがある。
「ユーロの父」と称せられるマンデル教授はインタビューで、「リーマン破綻の直前の段階でも、その後起こったような出来事を誰も予想し得なかった。
われわれはまさに危機の渦中にある。
ソブリン債危機というだけでなく、銀行の危機であり、これは今や世界情勢となっている。米国にも影響が波及しようとしている」と語った。
ガイトナー財務長官の先月の発言は、世界各国の要人が相次いで行っている破局の到来への警告の一つにすぎない。
イングランド銀行の総裁は、金融危機が起きる可能性があると述べ、欧州中央銀行（ＥＣＢ）の トリシェ総裁も10月11日、「危機がシステム全体に影響を与える次元に達した」との 見方を示した。
オニール会長は、20カ国・地域（Ｇ20）財務相・中央銀行総裁会議からスタートする欧州連合（ＥＵ）とＧ20の一連の会議こそが、メルトダウンに歯止めをかける最後のチャンスだと指摘。
「カンヌで開かれるＧ20首脳会議で 何ら成果が出てこなければ、それこそ悪夢だろう」と。
▲補足、感想など
要するに、ヨーロッパもアメリカも、1990年代-2000年代に日本で起こったように「失われた☓☓年」に突入したということだ。
なにがメルトダウンだ。なにが悪夢だ。
日本のバブル崩壊後、どれだけの日本の銀行が倒産したか。今、それと同じことが起ころうとしているだけではないか。
日本の失われた10年というタイミンクでは、冒頭でふれたように欧米諸国から「日本人＝アホあつかい」され、誰からも手を差し伸べられることもなく、自分で地道に稼いで少しずつ傷が癒えてきたのだ。結局、1000兆円程度のお金がバブル崩壊の処理に使われたという。
だから…と思う。
ヨーロッパ諸国も10年くらいの経済の低迷を覚悟すればいいのだ。
それは、銀行も倒産するだろうし、失業率も高くなるだろう。
しかし、バブル崩壊後の経済への特効薬などありはしない。
地道に稼いで、傷が徐々に癒えるのをじっと我慢して耐えるしかないのだ。
教育に力を注ぎ、先端技術の開発にも資金を投じて、10年位の期間を我慢し続けるしかない。
それが日本人が経験した「バブル崩壊→失われた☓☓年」から得た教訓なのだ。＜さすがに現時点では、欧米の高官も日本人をあほ扱いにはできまい＞
