▲カダフィ大佐が死去したようだ。(なにか死体を市内で引き回したとか--いったい、いつの時代の話か)
これで民主化…とか書いてあるが、筆者はどうかなぁと思う。
リビアって、そもそも歴史上一度も民主国家であったことはない。
つまり、日本で言えば明治維新のようなものだ。
日本でさえ、始めて選挙が行われたのは、明治も23年になってからだった。
民主主義というものに一足飛びにはなれない…ということだ。
北アフリカの諸国で発生した騒動の根底にあるものは、インターネットの普及によるもので、それまでは隠蔽・制限されていた情報を誰しもが得ることができるようになったためだ。
19世紀半ばとこのインターネットが普及した時代を同じ視点でみるのもどうか…といわれればまぁそうだろうなぁ。
しかし、民主主義を支えるには、その当事者である国民の教育のレベルなどと密接に関わっている。
現在のイラクを見てみよ。
2006年のフセイン大統領がなくなってから、5年を経過したところだ。
そこにあるのは、自爆テロを恐れ、まともな病院すらもない悲惨な生活だ。(戦争の時使用したウラン弾の放射能で障害をもった子供が多数生まれているようだ)
独裁者を取り除けば、すぐに豊かな生活を約束する民主主義国家が出来上がるものではない。
独裁国家 → 民主主義国家の間には、とんでもない距離があることを認識せよ。
以下、新聞から抜粋。
42年間の独裁を敷いたリビア元最高指導者カダフィ大佐の死やカダフィ派最後の拠点シルト陥落を受け、反カダフィ派連合体「国民評議会」は、「全土解放」を22日に宣言する見通しだ。
ロイター通信が20日、国民評議会当局者の話として伝えた。
全土解放という勝利宣言を機に、大統領選などに向けた政治プロセスに本格着手する。
国民評議会のナンバー2、ジブリル暫定首相は記者会見で、「新たなリビア、統一されたリビアを立ち上げる時だ」と語った。
アブドルジャリル代表は8月、 8カ月以内に大統領選挙と議会選挙を実施する意向を示していた。
一方、中部ミスラタに搬送されたカダフィ大佐の遺体について、国民評議会当局者は、速やかに秘密の場所に埋葬する考えを示した。
埋葬場所がカダフィ派残党の「聖地」になるのを避ける狙いがあるとみられる。
▲補足、感想など
アフガニスタンという国も、タリバンからの解放からもう何年たった?
10年くらいか。
しかし、タリバンの勢いはまた活気づいているようだ。
これはなぁ、と思う。
水を飲みたくない馬を水場へもっていっても、飲みはしない。
結局、民族自決という原則へ帰っていくしかない。
タリバンの女性に対する<女性に教育はいらないとか、仕事をする必要はない>…とかいう主張も、外国人の目からはどういうことかと思うが、アフガニスタンの国民の大部分が「そりゃおかしい」と思わない限り、どうしようもないことではないか。
結局、アフガニスタンでは、タリバンの後もタリバンなのだろう。
いかにカルダイ大統領が世界に向かってキレイゴトを言おうと、肝心の国民はついてはこない。
このあたりだなぁ。
冒頭でふれたように、独裁国家と民主主義国家の間の距離は、気が遠くなるほどの距離なのだ。
リビアでもそうなのだろう。
カダフィ大佐の後も、カダフィ大佐(その2)が出現しそうだなぁ。