▲前神奈川県知事の松沢さんが、石原さんとのいきさつを書いた暴露本を出した。
騙されたとか思ったのだろうなぁ。
しかしなぁ、と筆者は思う。
これは松沢さんのカンチガイだ。そんなところに核心があるのではない。
要するに、石原さんからみて、東京都知事を任すだけの器量がないと判断されたということだ。
騙されたというより、もう数年間、勉強しろよ--とハッパをかけられたと解釈すべきだ。
それを自分で騙された--とか書いて、どうする?
自分で自分の将来をつぶしてしまったではないか。
次の都知事の選挙には、石原さんはでない--といっているのだ。
だから、今は歯をくいしばって勉強して、次の都知事の選挙にでれば、余程の対抗馬がでない限り、当選する可能性も高かったであろうに。
この事実は、松沢さんという人の難点を2点露呈している。
1.松沢さんという人は、近視眼的な発想しかできない人だということ。
2.松沢さんには、ロクなブレインがついていないということ。---だ。
そもそも、石原さんも次の選挙にはでないのだから、次は、松沢さんを想定していたにきまっている。
だから、石原さんは—そんなことを言わない方が---と言葉を濁しているのだ。
このあたりだなぁ。
人間の運・不運を決めるものは。
石原さんの行動を悪意にとる--という見方というか、視点が「不運」を招くのだ。
石原さんから、「今のままじゃ駄目だ。もう数年勉強しろ」--とハッパをかけられ、励まされたとなぜ解釈できないのか。
以下、新聞から抜粋。
東京都の石原慎太郎知事は定例記者会見で、前神奈川県知事の松沢成文氏が出版した、都知事選出馬断念の経緯などを書いた「内幕本」について、「彼のためにも、ああいうことを書かないほうがいいと思う」とやんわり批判した。
著書によると松沢氏は、石原知事から「今期限りで退任する」「都知事をやってほしい」と後継指名され出馬を決意。
石原知事が翻意して4選出馬したことを「信義にもとる」などと批判した。
石原知事は会見で「いきさつについては、ちょっと内容と違いますな」と反論したが、「とやかく言ってもしようがない」と多くを語らなかった。
▲補足、感想等
松沢さんは、もう都知事選には出られまい。
石原さんは、まぁ、松沢さんの能力を一応認めていた。
しかし、「東京都知事」を任せるだけの器量ではない—と土壇場で見切りをつけたのだ。
なにか、石原さんにそう思わせる言動が松沢さんにあったということだろうなぁ。
核心は対中国への姿勢かな。
例えば、石原さんの中国の尖閣諸島沖での中国船の衝突事件の際の言動を例示してみよう。
----ここから---
中国・北京市への来月中の訪問を予定していた東京都の石原慎太郎知事は、尖閣諸島沖で 起きた中国漁船衝突事件への中国側の強硬姿勢を受けて、「あんな不愉快な国には頼まれても行かない。
閣僚級交流を停止するというが、私は閣僚級以上ですから」と述べ、訪中を取りやめる意向を示した。
石原知事は同日開会した定例都議会の後、報道陣に対し、「中国がやっていることは理不尽な、 やくざがやっていることと同じ」と怒りを見せ、「何で政府は実行処置をとらないのか。
例えば日本の 潜水艦が韓国や北鮮、中国の領海を侵犯したら爆雷を落とされる。
何で日本はやらないのか。
防衛省はアメリカとの防衛演習を尖閣でやればいい」などと語った。
--ここまで—
どうだろう?
松沢さんにこれだけのセリフが言えるか?
中国からちょっとなにか言われると、愛知県の知事のようにオタオタ、フラフラしないか?
つまり、土壇場に立った時の「覚悟」があるまい—と値踏みされ、石原さんから「今のままでは駄目だ」と言われたのだ。
だから、今は歯をくいしばって勉強すればいい。
それを暴露本を出して、自らの「器の小ささ」を世間に広めてどうするのか。
松沢さんは自分で自分の首を締めたということだ。
不運といえば不運だが、自分の不明さ(確かに目を開けて見ているのだが、ちっとも核心が見えていない)、政治家としての判断力の鈍さがもたらしたことだろうなぁ。