▲中国のインターネットで「天安門」の検索が可能になったそうな。
さぁ、これはなぁ—と筆者は思う。
1960年代始め頃かなぁ、中国の共産党主導で「百花斉放」とか言われて、自由に意見を言え—とかいう運動がなされたことがある。
ところが、これがとんでもない食わせ物で、一種の「反逆者発見装置」となってしまった。
自由に言いたいことを言った人間が、どんどん姿を消していった。
上のインターネットでの「天安門事件の検索」って、「反逆者発見装置」そのものだろう。
「天安門」とキーワードを書きこんで検索すれば、検索した個人が特定できる—仕組みに多分なっている。
クワバラ、クワバラ—こんな「ひっかけ」にカンタンに、乗っかると痛い目にあうぞ。
以下、新聞から抜粋。
2012年3月26日、香港紙は、1989年6月4日に起きた「天安門事件」に対する 当局の検閲が緩められているようだと報じた。
中国の温家宝首相が 事件の再評価を非公式に提案したとも伝えられている。
民主化を求めて天安門広場に集結した大学生らを人民解放軍が武力鎮圧した天安門事件に対する中国政府の見解は「反革命暴乱」。
事件後、中国のインターネット上で 関連用語や画像を検索しても、検閲にひっかかり表示されることはなかった。
ところが、24日に米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の記者が試しに「六四天安門事件」で検索してみると、 中国の検索サイト「百度(Baidu)」で関連画像がヒット。
学生らに寛大な姿勢を示し、失脚した 趙紫陽元総書記を追悼する「記念館」がネット上にいくつも開設され、 趙氏を称賛する書き込みが溢れているが、これも黙認状態のようだ。
こうした変化について、北京の学者、張耀傑氏は 「中国政府が故意に検閲を緩め、民意を試しているのかもしれない」と指摘。
秋の中国共産党第18回全国代表大会(十八大)後に「政治改革」が本格化するとの見方が 広まっていることから、「まずはこの最大のタブーから着手しようとしているのでは」との考えを示した。
▲補足、感想など
先日、日本の裁判において、以下のような質問がなされた。
「あなたは、◇◇月××日に、インターネットで、<衣服についた血液の落とし方>というキーワードで検索しましたね」と検察側が被告に質問する。
昨年、金沢で起こったカメラマンが主婦を殺害したという事件の裁判でのことだ。
えっ、キーワードまでサーバーに記録されているのか。
グーグルクロームというソフトを使って、インターネットを使っている人の場合、キーワードとか時間までが全て記録されている。
ここまでソフトが発達していることを考えると、上掲の記事の「検閲が緩められている」とかいう文言がいかにも「ひっかけ」ぽく聞こえないか。
おそらく、これはインターネットを使っての「百花斉放」と考えるのが順当であろう。
相手は、あの中国共産党だ。
ひっかかるまい。ひっかかるまい。クワバラ。クワバラ。