▲昨年の大震災の際、先生方、児童に多くの被害を出した大川小学校の校長先生が退職する。
直接の責任はないとはいうものの、校長先生という立場上、止むをえないものだろう。
せめて、裏山へ登る階段でも設置してあれば---という子供を亡くした親達からの「怨嗟」の声に耐えられなかったともいえそうだ。
以下、新聞から抜粋。
東日本大震災の津波で児童74人、教職員10人が死亡・行方不明になった宮城県石巻市立大川小学校の柏葉照幸校長(58)が31日、依願退職する。
県 教委が23日、教員人事の発表に合わせて明らかにした。
8日付で退職願を提 出し県教委が受理した。
柏葉校長は震災発生時、娘の卒業式のため石巻市外にいた。
今月18日、遺族 との話し合いで訓練の不備などを指摘され、「危機管理意識が低かった」と謝 罪した。
県教委によると、遺族らが求める震災発生時の避難対応などの検証に は「退職後も必要な協力はする」と話しているという。
▲補足、感想など
三陸地方の言い伝えである「津波てんでんこ」というのは、各自が判断しててんでばらばらに逃げろ—という意味だ。
そして、助けられず亡くなった方も、助かった人間を恨まない—ということ意味した昔からの伝承だ。
でもなぁ、と思う。
確かに理性では分かる。
しかし、感情の部分でどうしても納得できないのだろうなぁ。
すぐ側<そば>にあるあの裏山をよじのぼっていたら先生方も生徒達も助かったはずだのに—という思いがどうしても心の奥底で熾き火のようになっているのだろう。
津波対策というなら、裏山を登る階段を設置するのが第一だったはずだ—と。
こういう児童達の親の思いも分かってあげるしかない。
大震災当時の責任者たる校長先生が、「責任」をとった形にすることで、親達の気が多少でも抑えることができるのなら—と、柏葉校長先生が決心したものだろう。
柏葉先生の真っ当な判断であろう—と思える。