▲大飯原発の再稼働が正式に決定されるようだ。
筆者は賛成だ。また、当然だと思う。
確かに原発ってものは、一旦、事故を起こせばその被害は甚大だ。
しかし、それは原子力のもっている「力」の負の部分だ。
正の部分から言えば、これだけコンパクトでこれだけ高出力のエネルギー源は存在しない。
だからこそ、今でも世界では建設されつづけている。
今、盛んに「脱原発」などという言葉が日本では溢れているが、本当にそれでいいのか。
この原子力という「力」を、見直す議論があってもいいはずだ。
筆者は、福島の原発事故の「惨状」を前にして、「だからこそ、更に安全な原発を建設すべき」という意見であり、また、「そういう原発の開発が可能とすればそれはきっと日本人の叡智によるものだ」と信じて疑わない。
以下、新聞から抜粋。
政府は16日、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を正式に決める。
福井県の西川一誠知事が再稼働への同意を野田佳彦首相に官邸で伝える。
昨年3月の東京電力 福島第1原発事故後、国内の原発の再稼働決定は初めて。
政府は再稼働で、電力不足による産業や生活の混乱回避を狙うが、安全規制組織の刷新や事故の 検証を待たずに決めることで、抜本的な安全対策を置き去りにしたとの批判も強まりそうだ。
首相は知事から同意の報告を受けた後、枝野幸男経済産業相ら関係3閣僚との会合を開き、 地元の一定の理解が得られたことを確認、再稼働を最終的に決定する。
▲補足、感想など
原発に替わるかもしれないエネルギー源候補である風力発電とか太陽光発電とかが、あまりうまくいっていないようだ。
風力発電など特にそうだ。
低周波音による環境被害とか、落雷とか、コストと見合わないとか、様々な障害がでてくる。
つまり、代替エネルギー源として候補は様々あるものの、原発にそのままとって替わる程のものはまだ見えないというのが実情であろう。
まぁ、常識的にはもう20-30年程度の時間が掛って、やっと原発に代替可能になるくらいかなぁ。
だから、それまでは、どういう方向性でエネルギー政策を考えるとしても、原発を稼働させ、エネルギーを確保なければならない—まず、そのことを直視しよう。
その意味で、筆者は大飯原発の再稼働に賛成であり、また、順次、他の原発についても再稼働すべきだと考える。
それにしても。
記事にある「抜本的な安全対策」とは一体なんのことだろう。
こういう「言葉」だけが一人歩きするは、どうなのかな。単に世間の人々の不信・不安を煽っているだけではないのか。
予備の電力を確保するために電力線を他の電力会社エリアからひっぱってくる—とかの意味かな。
大飯原発なら、中国電力から予備の電線を引きこむ工事をするという意味なのか。
ただ、それにはやはり時間が掛かる。
この「抜本的」などという表現は、もっと用心して使用すべきだろう。
これは、先日、津波の高さをm9.0で想定した数字をポンと公表したことに通底する。なにか、イタズラに不安を煽っていないか。
技術系の人間の視点からすると、これは「短期的」「長期的」と複眼的に対応すべき—ということを指し示している。
原発の点検にしても、「短期的」には、従来の点検作業で充分だ。
「長期的」には、例えば2年くらいの期間をみて、中国電力から予備の電線を引き込む工事をする—と決断することであろう。
これぐらいすれば、まぁ「抜本的安全対策」をとった、と言えるのではあるまいか。