▲この本は、単純な「日本アゲ」の本ではない。
日本・日本人の価値観が世界で通用する時代が来た—という感じかな。
または、世界が「日本化」しはじめた—とでも言えばいいのかなぁ。
最近、特に感じたのは、米映画・名探偵ピカチュウを見てからだ。
あのハリウッドで「かわいい」なんて価値観で、映画が作られたことがあったか。
駅馬車の、荒野の七人なんて世界だぞ。
アニメなどで、日本人のもつ価値観が世界でも通用するのだ、ということをいろんな例を挙げて説明されているのが表題の本だ。
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とても気持ちよく読みました。同感するところも多く久しぶりに一気に読み終えました。
また、発見することの多い本でした。ありがとうございました。
著者の視点はなかなかユニークなのは理解でき納得するところも多くあった。
本書の中で「アメリカは日本のことなど、それほど気にしてない」(P53)では、評者も同意するところが多くあったが、次の章で「日本もアメリカなどどうでもいい、という反応をすればいい」(P54)と、著者は提言している。
現政権がアメリカ追随政策を進めていることは明白であり、著者が支持する安倍首相と著者の提言していることとは少し異なるように思えたのは評者だけだろうか?
著者は、なかなか鋭い視点で日本から世界を俯瞰して、多くの例を挙げ提言することに納得するところも多くあった。
が、本書を読み終えたら、「中国の景気減速懸念に端を発した世界同時株安」とのニュースが新聞の一面で大きく取り上げられていたから日本が唯我独尊でいればすべてうまくゆくなどあり得るはずもないような気がしながら本書を読み終えたのです。
いくつになっても日下公人さんの頭の冴えが衰えていないと感じました。
日本の時代が本当にやってくるかどうかは、これからの日本国民の意識の持ち方にかかっていると思っています。
周辺国との様々な問題に直面しながらも、日本は持ち前の優れた国民性で困難を乗り切るであろうし、今後日本を尊敬する国が増えて行く、と説く一冊。
飄々とした独特な文体だが、世の中の動きや仕組みはかなり的確に捉えられているようだし、問題解決のための提言にも或る程度は聞くべきところはある。
ただ、恐らく著者が高齢に達しているためであろうが、特定の主題をじっくり掘り下げて論じるという姿勢がなく、思い付いたことをただ取り留めもなく次々書き並べているだけで、全体的に、あまり強い説得力はない。
また、やや極論に走っていると感じられる記述や、どこまで本気で主張しているのだろうという疑問が懐かれる記述も見られる。軽く読み流して多少の知識が身に付くとともに、日本の将来をあまり深刻に考えなくてもよさそうだ、という緩やかな気持ちになれるといった効果はある。
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日下さんは、1930年生まれ。15歳で終戦だった。
東京で昭和20年3月の爆撃を受けての多くの死体を見たそうだ。
以後、戦後の混乱、昭和30年代半ばからの高度成長期の日本も見てきた人なのだ。
そういう人が、世界で「日本人の価値観が通用するようになった」と言われているのだ。
その指摘は鋭いなぁ、と感じる。