▲北朝鮮という国をみていて、まだ、自分のことが理解できないのか—と呆れてしまう。
北朝鮮は、アメリカという国に追い込まれ、隅の隅に追い詰められてどうにもこうにもならない国なのだ。
ロシアのプーチンさんが、中国の習国家主席が、「金一族の体制維持」を保証してくれたか?
アメリカは、あらゆる手段というか選択肢をもっている。
経済的にトコトン追い込む、金融的にトコトン追い込む、ある日突然に、北朝鮮のあらゆる軍事施設に「巡航ミサイル」が飛んでくる---どれでも、お好きに選べばという環境なのだ。
そこまで追い込まれて、いまさら、ミサイルを飛ばしてみる---という行動にでる。
もう、やけくそとしか思えない行動であろう。
もう、残った選択肢は、一つなのだ。
北朝鮮は、合理的な言動、合理的な行動をせよ。
合理性に則った行動をするだけで、国の未来が開けてくるのだ。金委員長の体制維持も可能かもしれない。
まず、新聞から抜粋。
外信「北ミサイル発射」緊急打電…「金正恩、制裁緩和しない米国に怒り」
北朝鮮が4日午前、約1年6ヶ月ぶりに短距離ミサイルを発射したことが確認された中で、主要外信たちもこのニュースを緊急速報に乗せた。
対北朝鮮制裁と関連して強硬な立場を固守している米国政府と世界各国に向けた挑発という分析が出ている。
私たちの合同参謀本部は、北朝鮮が4日午前9時06分ごろから27分ごろまでホド半島一帯から短距離ミサイル複数を北東方向に発射したと発表した。
発射されたミサイルは70〜200㎞ほど飛行したものと推定されている。
韓米軍事当局は北朝鮮が発射したミサイルに関する追加情報を精密分析中であると述べた。
北朝鮮のミサイル挑発は2017年11月29日大陸間弾道ミサイル(ICBM)の火星15号を試験発射して核武力完成を宣言した後、約1年6ヶ月ぶりだ。
米CNNは、このような発表内容を伝えて「韓米両国は北朝鮮の追加発射に備え、監視と警戒態勢を強化し、緊密に協力し、完全な態勢を維持しているとした」とし「この日のミサイル発射は北朝鮮が『新型戦術誘導兵器射撃試験』を実施したと発表してから数週間で行われた」と伝えた。
先に北朝鮮の朝鮮中央通信は先月17日、金正恩が軍施設を訪ね、新型戦術誘導兵器射撃実験を指導したと報道している。
CNNはアナリストを引用して「この日発射されたミサイルは、過去、北朝鮮が発射したよりもサイズがはるかに小さいものと見られる」とし「今回発射された短距離ミサイルは、北朝鮮が非核化交渉の一環として、米国に実験中断を約束したカテゴリの武器ではないだろう」と伝えた。
米国ワシントンの政策研究所国益センター(the
Center for the National
Interes)のハリー・カジアニス研究員はCNNに、「北朝鮮はすべてのミサイル実験を完全に中断することを約束しなかった」とし「米国本土を打撃できるICBMなどの長距離ミサイル実験中断を約束しただけだ」と指摘した。
今回のミサイル発射は米国との交渉が不発になったことに対する不満を表わしたという分析も出ている。
先にドナルド・トランプ米国大統領と金正恩は、2月ハノイで開かれた第2回首脳会談で非核化交渉を進めたが、「対北制裁」に関する意見を狭められなかった。
結局会談は決裂に終わった。
カジアニス研究員は、「北朝鮮は『最大圧迫』政策を固守し、北朝鮮に対する制裁緩和措置をしていないトランプ米政府に怒っていることは明らかである」と述べた。
また「北朝鮮は全世界、特に米国に、北朝鮮の武器能力が強化されていることを思い出させようとしているものと見られる」と付け加えた。
CNNによると、ジョン・ボルトン・ホワイトハウス国家安全保障会議補佐官は、トランプ大統領に北朝鮮のミサイル発射のニュースを伝えた。
これと関連して米国防総省のスポークスマンは、「トランプ大統領に報告され、状況を継続注視している」と述べた。
ロイターも合同参謀本部が発表した北朝鮮の短距離ミサイル発射状況を伝達し、「金正恩北朝鮮国務委員長は、もう核兵器やICBMを実験しないと約束したが、最終的には再び武器実験を敢行した」と伝えた。
それとともにロイターは「今回のミサイル発射は過去米朝首脳会談で米国が北朝鮮の核プログラムの廃棄を圧迫した後に行われたものだ」と伝えた。
日本のマスコミも、北朝鮮のミサイル発射のニュースに注目した。
NHKは日本防衛省幹部を引用して、「北朝鮮が発射したミサイルは日本に直接影響はないことが確認された」とし「米国に対する一種の牽制次元でミサイル発射を実施したものと見られる」と報じた。
NHKはまた「北朝鮮は今年2月、米朝首脳会談が決裂した後、米国に不満を示したが、今回発射したミサイルは弾道ミサイルではないことが確認された」とした。
また「これは国連安全保障理事会の制裁に違反していないラインで北朝鮮制裁に屈しないというメッセージを示そうとしたもの」と分析した。
朝日新聞も「韓米当局は北朝鮮の短距離ミサイル発射に関する詳細を分析中」とし「現在短距離ミサイルは国連の制裁に含まれていない」と伝えた。
▲補足、感想など
北朝鮮の経済状況をみようか。
--ここから--
2019/05/04(土)
北朝鮮の1~4月食料配給、過去最低水準に
さらなる削減の可能性も
国連は3日、北朝鮮が年初来の食料配給量を年間の同じ時期として過去最低水準にまで削減しているとの報告を発表した。
国外からの支援がなければ、北朝鮮は配給の追加削減を迫られる可能性があるという。
国連の食糧農業機関、世界食糧計画の分析によれば、北朝鮮では過去10年で最悪の飢饉(ききん)の後、人口の40%に当たる約1010万人が深刻な食料不足に見舞われている。
両機関の専門家らは昨年11月と今年4月、北朝鮮の食料安全保障状況を評価するため同国を訪れ、集団農場のほか、農村部、都市部、配給施設を視察した。
調査団によると、北朝鮮国民の多くが政府の配給制度に食料を頼る中、今年1~4月の配給量は1人1日当たり300グラムと、昨年同期の380グラムから削減を余儀なくされていた。
たんぱく質の摂取量が著しく少ない世帯が多く、コメや白菜キムチを食べて持ちこたえているという。
調査団を率いたニコラ・ビドー氏は「心配な状況だ。多くの地域がすでに極度に脆弱(ぜいじゃく)な状態にある上、
ただでさえ最小限にまで削減されている食料配給がさらに減れば、深刻な食糧危機に陥る恐れがある」と指摘した。
報告は「大規模な外的支援がなければ、
作物の収量が最も減少する6~10月の危険な時期に配給がさらに削減されかねない」と警告している。
--ここまで--
なんせ、科挙制度の影響で、肉体労働を卑しむ民族だから、農作業なんていやなんだろう。
日本の安倍さんが、金委員長との話し合いを持とうとしている。
冒頭でふれた、アメリカのトランプ大統領の「動き」と連動した行動であろう。
「隅の隅まで追い込まれ、もう身動きがつかない」という北朝鮮の状態の中で、安倍さんが金委員長と会談して、拉致問題の決着をつけようとしているのだろう。
安倍さんの独自の動きというより、トランプ大統領との連動して動くということに眼目があるのかな。
ちょいと、そのあたりの記事をみよう。
--ここから--
【中央日報】尋常でない日朝接触、韓国政府は機敏な対処を
2019年05月04日
日朝関係が急速に動いている。安倍晋三首相は2日のインタビューで「条件を付けずに金正恩(キム・ジョンウン)委員長と会って虚心坦懐に話し合ってみたい」と述べた。
これに関連し、9-12日に訪米予定の菅義偉官房長官はニューヨークで北朝鮮側と高官級接触をしたいと平壌(ピョンヤン)に伝えたという。
安倍首相が金委員長に会おうとするのは、多ければ数百人と推定される日本人拉致問題の解決のためだ。
2021年9月退任予定の安倍首相は2年余り残った任期中に拉致問題を解決しようという意志が強い。しかし米国と共に「最大限の対北朝鮮圧力」に集中してきた立場で突然、北朝鮮と対話をするのは容易でなかった。
その安倍首相が電撃的に日朝首脳会談の意思を明らかにしたのは、米国から確実な「OKサイン」を受けた結果と解釈される。
安倍首相は先月26日にワシントンでトランプ大統領と4時間以上の首脳会談をした結果、「拉致問題解決のための日朝首脳会談に米国は全面的に協力する」という共同声明を引き出した。
2分間の単独会談で共同声明なく終わった4・11韓米首脳会談とは対照的だ。
こうした中、日本は11年間にわたり国連に提出してきた北朝鮮人権決議案を初めて保留し、外交青書から「対北朝鮮圧力を最大限まで高めていく」という表現も削除した。
ハノイ米朝首脳会談の決裂以降、対米交渉が壁にぶつかった北朝鮮としては、このように日本と接触して突破口を開くのが有利だと判断する可能性がある。
金正恩委員長が文在寅(ムン・ジェイン)大統領の代わりにトランプ大統領と親しい安倍首相を通じて念願の制裁緩和説得を要請すれば、日本が韓国の代わりに新しい「仲裁者」となる可能性もある。
韓国政府は北東アジア情勢の新たな変数に浮上した日朝接触の動きから感じるものがなければいけない。日本が北朝鮮との対話の機会をつかむことになったのは、米国との連携を最優先にして外交の出発点としたからだ。
安倍首相はトランプ大統領との首脳会談で日米安全保障の最優先順位は「北朝鮮の完全な非核化(FFVD)」であることを明らかにし、その対象も核兵器はもちろん、すべての大量破壊兵器(WMD)の全面廃棄であることを強調した。
「ビッグディール」への言及を避けて「制裁緩和」ばかり叫んできた韓国政府とは接近方式から違った。
このため米国の信頼を受けて北朝鮮に対話を提案し、融和策も駆使する基盤を得ることになった。北朝鮮としても、米国と話が通じない韓国よりも、トランプ大統領の支援を受けた日本の方に視線が向かうだろう。
もちろん日朝間には両国民の敵対的な世論など暗礁が多く、首脳会談の実現は楽観できない。
しかし昨年の南北首脳会談、米朝首脳会談の局面で「蚊帳の外」と言われた日本としては、対北朝鮮接触のきっかけを作ったことだけでも存在感を回復したと評価されるだろう。
韓国政府の機敏な対処が求められる。
米国との徹底的な連携の上で韓日米間で緊密に情報を共有しながら、日朝接触が非核化交渉のプラスになるよう力を注がなければいけない。
歴代最悪の韓日関係を改善するきっかけにもする必要がある。
韓日関係が良ければこのように日本が韓国を避けて北朝鮮と接触することはなかったはずだ。
--ここまで--
日本と北朝鮮との会談に、韓国は関係ないではないか。
仲裁がどうたらなんぞ、関係ない。日米が連動して動いているのだ。
日韓関係は、事実上、断交状態だ。
日朝会談に、韓国はなんの関係もない。
★追記
上の北朝鮮のミサイル発射につき、アメリカのトランプ大統領がコメントしている。それをみよう。
--ここから--
5/4(土)
トランプ米大統領は4日、ツイッターで、北朝鮮が核・ミサイル実験を停止していることを念頭に、金正恩朝鮮労働党委員長は私との約束を破りたいとは思っていないと述べた。
北朝鮮が飛翔(ひしょう)体を発射したことに対し、静観する構えを示した。
トランプ氏は「正恩氏は北朝鮮の素晴らしい経済的な潜在性を認識しており、それを損なったり、絶ったりすることをしないだろう」と主張した。その上で、「(非核化の)合意は実現するだろう!」と述べ、米朝交渉継続に意欲を示した。
さらにトランプ氏は「彼(正恩氏)は、私が彼と共にいることを知っている」とも指摘し、首脳同士の友好関係は続いていると強調した。
--ここまで--
冒頭でふれた。
アメリカのトランプ大統領は、北朝鮮の金委員長を「隅の隅」まで追いこんでいるのだ。もう、「身動きもつかないほどに」。トランプさんはうまいなぁ。
※追記
アメリカのポンペオ国務長官が「違反ではない」と発言している。
その記事をみよう。
--ここから--
ポンペオ国務長官「北ロケット、ICBMモラトリアム違反ではない」
マイク・ポンペオ国務長官が5日(現地時間)、米国のメディアとのインタビューで北朝鮮が4日、短距離ロケットを発射したことについて大陸間弾道ミサイル(ICBM)モラトリアムの約束を破ったとは見做さないとして、対北交渉の意志を強調した。
ポンペオ長官は同日、ABC放送の時事番組「ディスウィーク」に出演して「我々はまだ完全な非核化という交渉の結果を得ることができる機会があると信じている」と強調した。
「私たちはキム委員長が、この週末の行動(ミサイル発射)が(非核化交渉に)邪魔にならないことを願う」とし「我々は交渉のテーブルに戻ることを望んでおり、対話を続けることを望んでいる」とした。
彼は第2次北米首脳会談がハノイで開かれた後も双方が通信をしており、進展を収めたと言及もした。
ポンペオ長官は、北朝鮮の発射体が米国と同盟国に脅威にならなかったとも強調した。射程距離が短くICBMモラトリアムに違反したものではないと主張している。キム委員長は昨年、シンガポール首脳会談で核とミサイルについてのモラトリアムをドナルド・トランプ米国大統領に約束している。
ポンペオ長官は「(北朝鮮のミサイルは)いくつかの時点でも、国際境界を超えた」とし「これは北朝鮮東海公海上に落ちたため、アメリカや韓国、日本に脅威を与えていない」とした。続いて「我々は北朝鮮のミサイルが比較的短距離のものであったことを知っている」とし「ICBMではないことも知っている」と述べた。
(引用ここまで)
うーん。
ポンペオ国務長官は「ミサイルはアメリカとその同盟国に脅威を与えていない」、
「ICBMではないのでモラトリアム(一次停止)には反していない」、「我々は対話を求めている」と発言。
一昨日のミサイル実験で北朝鮮はアメリカを動かせなかった、と見るか。
アメリカが動かなかった、と見るか。
微妙なところ。
キム・ジョンウンはシンガポールでの米朝首脳会談において「ICBM打ち上げと核実験を行わない」という宣言をしていました。
それに対しては違反しなかったとアメリカは見做している。
すなわち信義違反ではない。
そして「我々は北朝鮮との対話を求めている」という言葉については、ハノイでの会談が決裂した当日から話していること。
つまり、アメリカは事態の変化を拒絶したわけです。
制裁はそのまま継続するし、対話の条件も「完全な非核化」で変わらない。
どちらかといえば「アメリカが動かなかった」……かなぁ。
その一方で「南北双方がお互い、陸海空での敵対行為を禁じる」としたピョンヤン宣言には違反していることは間違いない。
この面で「実質的な終戦宣言だ」とはしゃいだムン・ジェインはメンツを失っているわけです。
そして、この点のみポンペオの言葉に間違っている部分があります。
実験で使われたものが北朝鮮製のイスカンデルであるとするなら、韓国全土が照準に入っているわけですからね。
ですが日本は射程に入らない。
射程が400kmであればなにも問題なし。公称の400kmではなく500kmであるとしても対馬がぎりぎり射程に入るかどうかといったところ。
日本にとっては脅威にはならないのは間違いない。
というか、同時に発射されたKN-09の300ミリロケット弾だけだってソウルにとっては大きな脅威ですからね。むしろイスカンデルよりもよほど現実的な脅威です。
「北朝鮮の実験はアメリカ、日本、韓国にとって脅威ではない」という言葉は、どうやらアメリカが韓国を見捨てはじめているんじゃないか、と思わされるには充分な言葉じゃないかな……と感じます。
--ここまで--
要するに、アメリカは北朝鮮と直接、交渉すると決断しているということ。韓国の意向も仲裁も不要だといっているのさ。
繰り返せば、アメリカにはすべての選択肢がある。ある日、当然に北朝鮮全土に巡航ミサイルを打ち込むという選択肢もあるのだ。
こうして、寸毫も身動きのつかない状態にしたまま、制裁を続けて、北朝鮮を「完全に干してしまう」という戦術かもしれないな。
上の北朝鮮のミサイル発射につき、アメリカのトランプ大統領がコメントしている。それをみよう。
--ここから--
5/4(土)
トランプ米大統領は4日、ツイッターで、北朝鮮が核・ミサイル実験を停止していることを念頭に、金正恩朝鮮労働党委員長は私との約束を破りたいとは思っていないと述べた。
北朝鮮が飛翔(ひしょう)体を発射したことに対し、静観する構えを示した。
トランプ氏は「正恩氏は北朝鮮の素晴らしい経済的な潜在性を認識しており、それを損なったり、絶ったりすることをしないだろう」と主張した。その上で、「(非核化の)合意は実現するだろう!」と述べ、米朝交渉継続に意欲を示した。
さらにトランプ氏は「彼(正恩氏)は、私が彼と共にいることを知っている」とも指摘し、首脳同士の友好関係は続いていると強調した。
--ここまで--
冒頭でふれた。
アメリカのトランプ大統領は、北朝鮮の金委員長を「隅の隅」まで追いこんでいるのだ。もう、「身動きもつかないほどに」。トランプさんはうまいなぁ。
※追記
アメリカのポンペオ国務長官が「違反ではない」と発言している。
その記事をみよう。
--ここから--
ポンペオ国務長官「北ロケット、ICBMモラトリアム違反ではない」
マイク・ポンペオ国務長官が5日(現地時間)、米国のメディアとのインタビューで北朝鮮が4日、短距離ロケットを発射したことについて大陸間弾道ミサイル(ICBM)モラトリアムの約束を破ったとは見做さないとして、対北交渉の意志を強調した。
ポンペオ長官は同日、ABC放送の時事番組「ディスウィーク」に出演して「我々はまだ完全な非核化という交渉の結果を得ることができる機会があると信じている」と強調した。
「私たちはキム委員長が、この週末の行動(ミサイル発射)が(非核化交渉に)邪魔にならないことを願う」とし「我々は交渉のテーブルに戻ることを望んでおり、対話を続けることを望んでいる」とした。
彼は第2次北米首脳会談がハノイで開かれた後も双方が通信をしており、進展を収めたと言及もした。
ポンペオ長官は、北朝鮮の発射体が米国と同盟国に脅威にならなかったとも強調した。射程距離が短くICBMモラトリアムに違反したものではないと主張している。キム委員長は昨年、シンガポール首脳会談で核とミサイルについてのモラトリアムをドナルド・トランプ米国大統領に約束している。
ポンペオ長官は「(北朝鮮のミサイルは)いくつかの時点でも、国際境界を超えた」とし「これは北朝鮮東海公海上に落ちたため、アメリカや韓国、日本に脅威を与えていない」とした。続いて「我々は北朝鮮のミサイルが比較的短距離のものであったことを知っている」とし「ICBMではないことも知っている」と述べた。
(引用ここまで)
うーん。
ポンペオ国務長官は「ミサイルはアメリカとその同盟国に脅威を与えていない」、
「ICBMではないのでモラトリアム(一次停止)には反していない」、「我々は対話を求めている」と発言。
一昨日のミサイル実験で北朝鮮はアメリカを動かせなかった、と見るか。
アメリカが動かなかった、と見るか。
微妙なところ。
キム・ジョンウンはシンガポールでの米朝首脳会談において「ICBM打ち上げと核実験を行わない」という宣言をしていました。
それに対しては違反しなかったとアメリカは見做している。
すなわち信義違反ではない。
そして「我々は北朝鮮との対話を求めている」という言葉については、ハノイでの会談が決裂した当日から話していること。
つまり、アメリカは事態の変化を拒絶したわけです。
制裁はそのまま継続するし、対話の条件も「完全な非核化」で変わらない。
どちらかといえば「アメリカが動かなかった」……かなぁ。
その一方で「南北双方がお互い、陸海空での敵対行為を禁じる」としたピョンヤン宣言には違反していることは間違いない。
この面で「実質的な終戦宣言だ」とはしゃいだムン・ジェインはメンツを失っているわけです。
そして、この点のみポンペオの言葉に間違っている部分があります。
実験で使われたものが北朝鮮製のイスカンデルであるとするなら、韓国全土が照準に入っているわけですからね。
ですが日本は射程に入らない。
射程が400kmであればなにも問題なし。公称の400kmではなく500kmであるとしても対馬がぎりぎり射程に入るかどうかといったところ。
日本にとっては脅威にはならないのは間違いない。
というか、同時に発射されたKN-09の300ミリロケット弾だけだってソウルにとっては大きな脅威ですからね。むしろイスカンデルよりもよほど現実的な脅威です。
「北朝鮮の実験はアメリカ、日本、韓国にとって脅威ではない」という言葉は、どうやらアメリカが韓国を見捨てはじめているんじゃないか、と思わされるには充分な言葉じゃないかな……と感じます。
--ここまで--
要するに、アメリカは北朝鮮と直接、交渉すると決断しているということ。韓国の意向も仲裁も不要だといっているのさ。
繰り返せば、アメリカにはすべての選択肢がある。ある日、当然に北朝鮮全土に巡航ミサイルを打ち込むという選択肢もあるのだ。
こうして、寸毫も身動きのつかない状態にしたまま、制裁を続けて、北朝鮮を「完全に干してしまう」という戦術かもしれないな。