2012年5月28日月曜日

別に菅さんを責めているのではない。


大きな未知の騒動にぶっつかった時、人は混乱する。
この世になにもかも知り得たスーパーマンなど存在しない。
大きな地震そしてそれに続く原発の事故。
誰しも混乱するし、今、下した判断が正しかったかどうかさえ分からない。
だからこそと筆者は思う。
昨年の原発の事故への対応は、きちっとした報告書として残しておかなければならない。
世界中にどれだけの原発が存在しているか。
それらの一台がなんらかの事故に遭遇した時、この日本の福島の経験がどれだけ活かせることか。
この福島の事故への対応処理は、世界中への貴重な「宝物」なのだ。
そのことを菅さんは分かって頂きたい。
未知の現象が発生して、それに対してどう判断し、どう行動したか、そしてその結果はどうだったのかそれらすべてが、世界の原発を所有する国々の技術者への貴重な贈り物ではないか。
別に菅さんを卑しめる気はない。
しかし、自己弁護だけでは、立派なレポートはできない。そのあたりのことを理解して頂きたい。
上で述べたように、混乱の中で常に正しい判断ができたとは誰も思ってはいない。
振り返ってみて、誤ったなと思っても、それも含めて正直に証言して頂きたい。
それは、次に起こるであろう世界のどこかの原発事故への貴重な指針となるのだ。
以下、新聞から抜粋。

「過酷事故に対応できず」 法律不備に責任転嫁
・菅直人前首相は28日午後の国会の東京電力福島原発事故調査委員会(国会事故調)で、「原子力災害対策特別措置法は過酷事故に対応できず、事故の想定が不十分だった」と法律の不備を指摘し、責任を転嫁するような発言で弁明した。

・菅直人前首相は28日午後の国会の東京電力福島原発事故調査委員会(国会事故調)で、  「私は現在の原子力災害対策特別措置法で、首相の権限が弱かったとは思っていない。
 それよりも、同法のもとで事務局を務める原子力安全・保安院が、きちっとした状況把握、きちっとした対策案を(首相に)提示できるような組織でないといけないし、それが不十分だった」と述べた。

▲補足、感想など
もう、17年になるか。
阪神大震災の後、同じような調査分析がなされた。
兵庫県の貝原さんという知事だったかな。
今の菅さんを同じように、自己弁護に終始した。
だからと思う。
冒頭でふれたように、菅さんとか貝原さんを責めているのではない。
あったことをあったように、判断したことを判断したように証言してもらいたいだけだ。
未知の現象にぶっつかった時、誰しも混乱する。間違った判断をすることもあろう。
そのことを責めているのではない。
日本人って、なぜ、こう自分を突き放したような証言ができないのかなぁ。
菅さんは、組織で働いた経験もなかったなぁ。
今なされていることは、自分を糾弾するためになされているのでない。いつか世界で起こる、いつか未来で起こる原発の事故にどう対応するかという貴重な基礎データを蓄積しているのだ。
そのことを分かってほしい。
17年前の大震災の際、どう判断したかという貝原さんの証言も大事だった。それは昨年の東日本大震災の発生した時点での「対応」に活かされたはずだ。
元首相の自己弁護より、未来へ送るきちっとした報告書の方が余程大事だ。