2020年8月31日月曜日

伝統文化の継承? 中国人は、その自分の手で自分の指でなにもかも破壊したではないか

1960年代か。

 「造反有理」なるたわごとを大声で喚きながら、片手に白紙の答案を高々を掲げて行進する女子学生の姿を筆者はいまだに記憶している。

 1960年代の半ばから1970年代の半ばまでの10年間、文化大革命という「騒動」の中で、数千万人の文化人、教師、職人などが殺害され一部人肉食され、今、日本の京都にあるような名刹を、尽く紅衛兵なる若者が灰燼に帰してしまった。

 えっそれで。

 伝統文化の継承がどうたらと片腹痛い。

 紅衛兵で暴れまわった人間もいまだ壮健なままであろう。筆者よりも若い世代だったと思うが。

 以下、中国の新聞から抜粋。

  2020/08/31

 日本の歴史ある街並みを和服姿で歩きたがる中国人旅行客は少なくない。美しい伝統衣装を着用して、その土地の歴史文化を感じるというのは特別な体験であろう。近年の中国でも観光名所や街中で中国の伝統的衣装の1つである「漢服」を着て歩く若者たちが現れ、注目を集めている。

 「漢服」を着て歩く若者たちの姿は伝統の保存という観点で見ると良いことのようにも思われるが、中国メディアの百家号は26日、「日本の和服は正統なスタイルで現代にまで伝承されているのに、なぜ中国の伝統衣装である漢服は正統なスタイルで伝承できないのか」と疑問を投げかける記事を掲載した。

 記事はまず、「漢服」は漢民族にとっての伝統衣装であり、中国に暮らすほかの55の民族にもそれぞれ独自の伝統衣装があるとしつつも、日本の伝統衣装である和服と比較すると「漢服は正統なスタイルで現代に伝承されていない」と主張。というのも、漢服を着る中国人の若者のなかには漢服の正統な着こなしを理解せず、安価で売られる漢服風の衣装に運動靴を履く人の姿も見られるからだという。

 これは悠久の歴史を誇る国の国民としては「嘆かわしいことだ」とし、その要因として「多民族国家という背景、5000年にわたる歴史における王朝の変遷や生活の欧米化」などが、漢服の伝承の妨げとなったのではと分析した。

 こうした分析に加え、近年の中国で見られる傾向として、「漢服をコスプレ感覚で楽しむ若者達とそれを任意で取り締まる『漢服警察』が出現し、互いに対立している」と紹介。漢服警官は漢服の正統なスタイルを守りたいという正義感から、漢服の着方、髪型や靴などの間違いを公衆の面前で指摘することがあるが、「こうした口論によってますます漢服が敬遠される」という矛盾が生じているという。

 日本ではいつ、どこで和服を着ていても周囲から奇異の目で見られることはなく、むしろ凛とした姿には羨望の眼差しが向けられるだろう。日本では和服警察なる存在が必要ないほど、着る人は正統な和服のスタイルをわきまえているが、これは中国人からすると非常に驚くべきことであったようだ。


補足、感想など

 文化とは、儚(はかな)い。

 中国で過去なされた焚書坑儒、文化大革命のような騒動でも、あっという間に雲散霧消してしまう。

 記事にある日本の和服でさえ、明治維新後も西洋からの「洋服」と拮抗し、改善しながらなんとか命脈を保ってきたものだ。

 日本は、異民族からの支配を受けたことがない。価値観の転換ということが起こったことがない。

 それ故に、文化というものが多量に保存されてきたのだ。

 和服もそうだが、相撲とか、生花などの多種多様なものが、<いや、もっと正確にいえば、2千年近い日本人の試行錯誤>が、そのまま生き残ったのだ。

 今、この2千年近い期間でなされた「日本人の試行錯誤の記録」が、日本人の世界へ向けての「コンテンツの核」となっているのだ。

 日本からのアニメの核となっているのもそうだろう。

 ちょいと、洗脳ぽいが中国で「日本風夏祭り」がどうたらという記事があった。それもみてみようか。

 -ここから-

中国での日本風「夏祭り」が驚くほど本格的で、大人気となっている理由

中島 恵:フリージャーナリスト

新型コロナウイルスの影響で、日本各地では縁日や盆踊りなどの「夏祭り」がほとんど中止になってしまったが、中国では、“日本風”の夏祭りが大人気となっているという。露店の綿あめやヨーヨー、金魚すくい、盆踊り大会など、どこから見ても「まるで日本のお祭り」に見えるのだが、一体なぜ、中国でこのような現象が起きているのか?

今年でなんと8回目

大人気の「日本的な夏祭り」

「憧れの浴衣を着てお祭りを歩けるなんて、サイコー!」

「今年は日本に遊びに行けなかったけど、日本のお祭り、興奮するわ~」

「あぁ、早く日本に行って、墨田川の花火大会にも行きたいな!」

 8月下旬、上海市の西部、「虹橋天地購物中心」というショッピングセンターの中庭や通路などで、その名も「夏日祭」という夏祭りが開催された。私は上海に住む中国人と日本人の両方のSNSを見ていて、偶然このお祭りの存在に気付いたのだが、その後、中国のサイトを見てみると、上記のように夏祭りに参加した人がたくさんコメントを投稿していた。

3日間行われた夏祭りでは、各種の露店のほか、無料で貸し出される浴衣体験、音楽会、太鼓のパフォーマンス、生け花体験、花魁(おいらん)道中、浴衣クイーンコンテスト、写真展などもあり、盛りだくさん。入場は無料で、今年でなんと8回目を迎えるという。

 ほぼ同じ時期、上海の南豊城というショッピングセンターでも8月中に2回、夏祭りが開催され、私の複数の友人が参加していた。上海から2時間ほどの距離にある杭州の夏祭りにも友人が参加しており、調べてみると、けっこうあちこちで行われているようだ。

 それにしても「夏祭り」といえば、日本人にとっては季節の風物詩であり、身近なものだが、中国にはもともとそのような風習はない。春節のときに大きな公園などで行われる縁日(中国語では廟会〈ミャオホエ〉という)はあり、そこに露店なども出るが、日本の夏祭りとは趣が異なる。

 すでに数年前から起きている現象ではあるが、今年の様子を映像や写真などで見てみると、以前の夏祭りよりもさらに「日本化」が加速し、本格的、かつレベルアップしているように見える。

 何しろ、売られているものはたこ焼きやかき氷、お面、綿あめなど日本とまったく同じだし、販売している人も浴衣や法被を着ている。むろん、日本人の目で細部までよく見ると「?」と思う部分もあるが、それでも、日本的なお祭りの雰囲気は満点なのだ。

「日本旅行ブーム」で日本各地の夏祭りを知った中国人

 なぜ、ここ数年、このような夏祭りがさかんに行われるようになったのか?以前、日本に住んだことがある中国人の友人はこう言う。

2014年ごろから始まった日本旅行ブームはよく知られていますが、そこで多くの中国人は日本各地には夏祭りというものがあるのだと知り、すばらしい伝統文化だと思いました。当然ですが、中国には一切なかったものですから。中国人は自分たちが持っていないものにとても憧れるんです」

「日本の観光地での買い物や名所旧跡巡りももちろん楽しいのですが、もっと日本にしかないもの、“季節限定の体験”を追い求めた結果、夏ならば、各地で行われている夏祭りや花火大会などに行きつきました。それを、自分たちの国でも経験してみたいと思ったのではないでしょうか。そもそも中国では大きなイベントはありますが、地域の小さなイベントや娯楽は少なかった、ということも関係していると思います」

 奇しくも、中国人の日本旅行がブームになる直前の2013年ごろから、上海高島屋などで夏祭りが開催され始めており、それが人気になって、だんだんと他のショッピングセンターにも広まっていった。

数年前から上海の夏祭りに参加していたという日本人の友人も「以前は上海在住の日本人向けのような感じで、日本人の数が多かったですが、ここ数年は圧倒的に中国人が増えて、すっかり地元のイベントになりました。今年は新型コロナの影響もあって、参加者のほとんどが中国人。でも、盆踊りの踊り方とか、ホント、板についていてびっくりしますよ。一体どこで覚えたんですか?と聞きたくなるくらい(笑)。おそらくSNSとか動画で情報収集しているのだと思います」と語る。

 杭州で行われた夏祭りに参加した友人にも話を聞いてみた。杭州ではショッピングセンターではなく、セレクトショップやホテル、レストランなどが集積する文化エリアで7月末から3日間、「夏夜游園会」という夏祭りが開催された。約60の露店が出て、線香花火などで遊ぶイベントもあった。杭州市の繁華街から離れているにもかかわらず、若い女性などを中心に大盛況だったという。

日本人が想像する以上に日本文化が好きだという人が増えている

 この杭州の夏祭りに参加した友人は、何度も日本旅行をしているリピーター。彼によると、「日本に行ったことがある人だけでなく、行ったことがない人でも、アニメやドラマの影響を強く受けていて、日本の夏祭りのことは皆よく知っているんです。浴衣を着て花火をするのは、まるで自分が日本のドラマの主人公になったような気分になるもの。特別感があるんです。異文化体験であり、彼女たちが大好きなコスプレの一つでもありますね」

 そういえば、ここ数年、中国の若い女性の間では漢服ブームが起きており、中国国内の観光地などでは、漢服を着てポーズを決め、写真を撮っている姿をよく見かける。その中には日本のセーラー服姿や浴衣姿もあるが、彼女たちにとっては、それも一つの「自己表現」の場なのだろう。

 その友人によると、浴衣もセーラー服も中国の通販サイトで簡単に購入できるという。夏祭りの屋台で使う小道具などもすべて通販サイトで購入して取り揃えられるそうだが、綿あめを製造する機械まで購入でき、日本の夏祭りをそっくり再現できてしまうとは驚きだ。

 このように、中国、とくに上海や杭州などの大都市では、日本人が想像する以上に日本文化が好きだという人がいつの間にか増えており、そうした人々の嗜好が社会に広がっているように感じる。「MUJI」や「ニトリ」などの日用品や家具などを愛用する人も増えているし、日本食レストランで寿司を食べることも、いまや日常の一部だ。若者の間では、依然として日本のアニメは絶大な人気を誇っていて、生活と切っても切り離せなくなっている。

 浴衣を着て夏祭りに繰り出す人が増えているのも、そんな豊かになった社会を反映しているのではないかと思う。

 -ここまで-

 マユツバで見てもいい。

 ただ、盆踊りって、南米とかマレーシアなんかでも盛んではなかったかな。

 上でもふれた。

 日本人の2千年ちかい期間での試行錯誤が、世界へ訴えるなにか「コンテンツの力」をもっているということなのだろう。