2012年6月1日金曜日

広がる日本脱出—という記事の胡散臭さ。


▲なにか、最近、日本脱出という記事をみる。
いや、そういう人もいるかもしれない。
しかしなぁ、筆者はどうしてもこの記事の内容に納得できない。
内向的な日本人がそんなに簡単に外国に住めるわけがない。
イエローに対する人種差別の激しい、ろくに美味しい食事もない、治安の悪い国家にどうして住めるんだ?
こういう記事を掲載するところに、なにか隠された意図があると解する方が正しいのではないのか。
おそらく、日本人の不安を煽っているのではないのか。中国あたりの指示で。
そして、それは日本人・日本の弱体化を狙っているのではないのか。
以下、新聞から抜粋。

2012 05 30
「命とお金、しばらく日本を離れてみませんか」という文句がトップページに浮かび、コンドミニアムなど物件情報の代わりに掲載されているのは、日本の公的債務残高や財政破綻シナリオなど、格付け機関かと見間違うかのような情報の数々だ。
こうした「日本からの逃避」を指南するサイトは急速に増えており、財政破綻を懸念する預金者が、 資金の安全な避難先として海外不動産を探すのに一役買っている。
日本経済の先行きに対する悲観論の 深まりを背景に、書店では「日本脱出 この国はあなたの資産を守ってくれない」などの本がベストセラーとなり、ニュージーランドからマレーシアといった国々では、日本人によるセカンド ハウス購入がブームとなりつつある。
k氏が東京都内でセミナーを行うとき、日本の債務残高が国内総生産の2倍を 超えたという「恐ろしい統計」が、聞き手の注意を引く。
k氏によれば「お金を海外に 出したいのは2つの理由がある。一つは震災がまた起こるかも知れないという点。もう一つが国の財政破綻」だという。
こうした個人金融資産の海外逃避は、まだフロー自体は比較的細い。
しかし、日本は国内の貯蓄だけで 財政赤字をほぼ100%賄っているため債務危機は避けられる、という議論には一石を投じるものであり、さらに多くの個人マネーが海外に逃避すれば、日本国債の安全神話が変わる可能性 がある。
マレーシア不動産の購入セミナーに参加していたaさんは、「人生 設計をする年齢なので、もちろん結婚して子どもを作ることを考えている。状況によっては海外に住む ことも選択肢」だと。
「日本の財政が崩壊すれば社会自体も崩壊する。その環境で子供を育てるの は難しい」と、日本の将来に対する危機感を隠さない。
日本人の海外不動産購入ブームは過去にもあった。
しかし、昨年の東日本大震災と福島原発危機を契機 に大きく変わったのは、それがもはや、富裕層や年金生活者だけにとどまらないことだ。
中流階級や若年層の間でも、マレーシアやニュージーランド、シンガポールで不動産を購入するために 銀行口座を開設する動きが増えている。
彼らは購入する物件を数年間は賃貸に回すが、ゆくゆくは自分 たちがそこに住む心積もりで物件を探す。
k氏はプレゼン用ノートPCに映し出されたスプレッドシートを指さし、「11月以降、マレーシア で25人ほどのコンドミニアム購入を手伝った。
このなかで富裕層は3人だけだった」と述べた。
しかし、最近の新たなブームはいまだ震災の傷がいえない国民の心に 訴えかける内容であり、海外脱出のハウツーを売り物にする本の広告は月を追うごとに増えているという。
約1カ月前に店頭に並んだ「日本脱出 この国はあなたの資産を守ってくれない」は、出版元によると、すでに約4万部が売れるヒットとなり、同社から発売される通常の新作の約3倍の売れ行きを示している。

▲補足、感想など
なんとも、うさん臭い話だと筆者は思う。
不動産のことは、ひとまず、置いて、日本人が外国で暮らすということができるかどうかという点をみたい。
子供の頃に住んでいたとか、海外勤務で数十年住んでいたというのなら、別だ。
ちょっとエクアドルに在住の日本人の意見があった。ご紹介したい。
--ここから
まぁ、音楽家としてなら、移住は有りかもですが、子供の安全なんて考えてるなら甘いと言わざるを得ない。
おいらは一応仕事も決まってたし、家族も言語的、出身地的に有利だったからあんまり問題が大きくならなかったけれど、それでも色々あるんですわ。
査証一つ取っても、日本と 同じ考えなら泣きますよ。
金にあかせて弁護士に任せるって手はありますが、それでも 出頭は必ず必要だし、面接もある。
何より家族が耐えられますかね?先進国だって良い人ばかりじゃない。
確実に人種差別は 有ります。
そりゃね、最初から日本人だって判ってる人なら別ですが、英国で東洋系の地位は決して高く無い。
原発の放射能が怖いから、なんて中途半端な考えなら、確実に挫折すると思いますね。
本人はロックの聖地ですから、良いでしょうが、妻子はそれと関係無い。
おいらなんかでも、お金がいただけるのなら、アフリカの奥地でも、ヒマラヤの山中でも行くし、実際に行っていますけれど、そこで暮らそうとは思わない。
ましてや妻子をそこで 養おうなんて無理以上です。
海外に行く事と生活することは、確実に異なる事象です。
我が家みたいに、南米生まれで言語の問題も大きくない人間が、同じ南米に住む事ですら 簡単じゃないわけで、予言しますが日本の良さを知って引き上げてくるのが関の山じゃ無いでしょうかね。
3年持てば良い方だと思いますね。
--ここまで--
話は英国へ移住するとかいうロック歌手のことだ。それでも3年ぐらいで帰国するだろうと予測している。
えっと、海外へ脱出する理由として挙げられていたのが、あ、震災の発生 い、日本の経済破綻 か。
あ、日本で地震が発生するということは避けられない。それでも昨年の大震災のようなマグニチュード9.0なんて規模のものは、千年に一度だ。逆にいえば、もう千年は発生しないということではないか。
い、日本の経済破綻か。こんな言葉に扇動されるのか。
いや、もし、日本が経済破綻するというなら、なぜ、こんなに円高なんだ? それを疑問に思わないか。
お金と生命を守るって。
こんな安っぽい陽動作戦に簡単に乗せられるなよ。きっと後悔するそ。
物価が安いということの裏側には、治安が悪いとか、インフラが未整備だとか、法制度が正常に運用されていないとかの黒い部分があるのだ。そのことに触れていないだけだ。
こんな記事、震災をネタにして日本人を騙してやろうという工作の一部だとでも理解した方が余程正しかろう。