2013年7月8日月曜日

耳をすませば症候群---か。

▲ジブリに「耳をすませば」という映画がある。
 中学生くらいで、人生の方向を決める—という話なのだが。

 同じ年齢くらいで、この映画をみたときはなんとも感じなくても、30代半ばくらいで、この映画をみると、自分の人生の方向がどうだったか—と映画の内容と比較するらしい。

 で。
 残念なことに—という人も多いらしくて、ウツになるらしい。
 それが「耳をすませば症候群」だって。

 う~ん。
 筆者くらいの年齢となると。
 残念もなにもありゃしない。

 まぁ、映画の内容について、一言言わせてもらえば。
 中学生くらいで、「人生の方向」を決めるには、いかにも早すぎる。
 人生は長い。
 10代から20代にかけて「疾風怒濤時代」があってしかるべきだと思う。


 以下、新聞から抜粋。

 映画「耳をすませば」は漫画家・mの同名作品が原作で、1995年にスタジオジブリによって映画化された。  中3の主人公・月島雫が、同級生・天沢聖司の好意に反発しながらも、ヴァイオリン職人への道をひたむきに進む姿に惹かれていく青春ストーリーだ。

 この作品が放送されると、掲示板では「いやああああ」といった叫び声が相次ぐ事態になった。  
 映画では、雫と聖司が結婚まで約束してしまうのだが、現実社会でこんな青春を経験できる中学生はほとんどいない。
 にもかかわらず、「こんな青春あかんわ…」「俺の人生つまんね…」と、青春時代を嘆く声が次々と書き込まれた。

 スレッドの題名は「『耳をすませば』自殺会場」。
 書き込みを見ると、「死のうか」  「ここでしぬう」と、人生を絶望視する声があふれているのだ。
 「耳をすませば」をめぐっては、1996年からネット掲示板で話題になっていた。

 ただ、当時は「雫ちゃん!」  「せいじ君、かっこよすぎ」と作品を賞賛する声がズラリ。
 「見てうつになった」という声も中にはあったが、「なんでうつになるのか さっぱり理解できん」「ただアニメだなーとしか思えない」といった意見が大多数だった。

 しかしその後、未婚率の上昇が深刻化。
 「耳をすませば」がテレビで再放送されるたびに  「またこの季節がやってきたか…」といった書き込みが増え続け、いまや阿鼻叫喚の地獄絵図になっている。

 「耳をふさげば」「首をつるせば」なんてフレーズまで出てくる始末。
 一部では「耳をすませば症候群」なんていわれる社会現象になっているのだ。
 ネット掲示板で悲鳴を上げているのは、多くが90年代後半に中高生だった30歳前後から30代半ば 付近の男性とみられる。

 夢と恋愛にまっすぐな作中の登場人物を見て、現実から逃げ出したくなっているようだ。
 30~35歳の男性の未婚率が47%を突破した今、「耳をすませば症候群」の“患者”は今後も重症化していく可能性が高い。


▲補足、感想など

 えっ。
 記事を読むと、未婚ということが「主たるウツ」の原因だと解釈しているのか。
 そうではあるまい。

 男性が30代半ばであれば、「自分の人生をどう生きるか」という「大きなテーマが決まらないことによる苛立ち」が核心であろう。

 映画では、主人公達は早くから自分がどういうテーマで生きるか—を決めてしまう。
 筆者は冒頭でいかにも早すぎるだろう—と書いた。
 でも。
 まぁ、主人公達のような人がいたっておかしくはない。

 自分で選択した職業とかテーマで必ずしも成功するとは限らない。
 それでも。
 人生のテーマが決まらず、モタモタするよりはマシだ。

 筆者なら、自分の選択したテーマを生涯を賭けて追い続ける方を選ぶ。

 30代半ばなら、若いものだ。
 今からでも、自分の人生のテーマを決めればいいことだ。
 もう40-50年を賭けてやれば、遅いってことなどありはしない。