2014年11月3日月曜日

ユーロ圏が再び、不況に直面しているようだ。

そりゃそうだろうなぁ、と思う。
 日本の失われた✕✕年—と同じ状況なのだろう。

 そういえば—といくつか思い出した。
 リーマンショックが2008年か。
 2009年、2010年の春、日本の企業は、数千億円の赤字を計上していた。
 トヨタなど2009、2010年も2011年もだったかな。

 つまり、損失を計上して、b/sを健全なものとしたのだ。
 ところが、その時、ヨーロッパの企業はなにもしなかった。
 なにもしないとは、要するに”隠した”—ということだ。

 ちょっと、ドイツ銀行の記事があったのでご紹介したい。

 --ここから--
 :2012/12/06(木)
 英紙フィナンシャル・タイムズは、ドイツ銀行の元従業員が、 同行が最大120億ドル(約1兆円)の損失を当局に申告せず、結果として公的支援を受けるのを避けたと訴えていると報じた。
 元従業員らは米証券取引委員会(SEC)に不正を報告したという。

 ドイツ銀行は「訴えは2年半も前に出されたもの。慎重に調査がなされたが、まったく根拠がない。
 重要な事実や情報についての知識、責任のない人物が出したものだ」と疑惑を否定した。

 FT紙によると、元従業員らはドイツ銀が額面1300億ドルの一部のデリバティブ(金融派生商品)について、 時価で価値を算定しないことにより、2007年から09年の金融市場混乱時に発生した損失を隠したと主張している。
 この損失隠しがなければ同行の自己資本は危険な水準まで下がり、公的支援が必要になった可能性があるという。 

 --ここまで--

 損失を隠したまま、利益を計上して、それを配当に回した。
 日本の金融機関でもこれをやって、ボンボン潰れた。
 企業としての体力を失うのだ。
 もう、6年もそんなことをし続けているのか。ヨーロッパの企業は。

 また、ヨーロッパ諸国は猫もしゃくしも同じユーロを使っている。個々の国で諸事情が違うのに、同じユーロという貨幣を使っているものだから、国が単独として対応できないのだ。そのため、ドイツなどの強国におんぶにだっこ—という形になる。

 その上、階級社会というものが、牢固として形作られ揺るぎもしない。そのことで、その他大勢の人達の水準が低いままだ。ヨーロッパからロクな発明品一つ出てこないのはそのためだ。


 以下、新聞から抜粋。

 世界経済の低迷が続く中、海外メディアでユーロ圏の経済危機に警鐘鳴らす記事が目立ている。  多くは、1990年代以降の日本を例に挙げ、デフレスパイラルに陥る危険性を論じている。
 中でもポール・クルーグマン教授は、 「欧米は日本以上に深刻なスランプに陥った」と悲観的だ。
◆クルーグマン教授「我々は今、日本に謝るべきだ」

 クルーグマン教授は、日本の「失われた20年」は、「反面教師として、先進国経済が進むべきではない道を示してきた」とコラムで述べている。
 そして、自身も日本が取った政策を批判してきた一人だと。

 しかし、「我々は今、日本に謝らなければならない」と告白。批判は間違ってはいなかったが、認識が甘かったとしている。

 それは、欧米が日本の教訓を全く生かすことなく、 「起きるはずではなかった」失敗を積み重ね、日本よりもさらに深刻な状態に陥ったからだという。
 「特に2008年以降の失態は、日本の失敗が霞むほどに大きなものだった」と嘆く。

 その例として、ヨーロッパの緊縮政策や、「2010年以降のアメリカのインフラ支出の崩壊」を挙げている。
 また、欧州中央銀行がインフレを予防するために行った2011年の利上げは、 「積極的に成長を破壊した」致命的なミスだったと指摘する。

 欧米が日本の教訓を生かせなかった理由については、「我々の社会に巣食う根深い格差のためだと思う」と述べている。



▲補足、感想など

 はっ。
 日本の教訓を生かせなったのは、根深い格差のため—か。

 あんなになったのは、日本人がアホだからだ。我々は、賢いからあんな失敗はしない---とか失われた✕✕年の頃、欧米のエリート達は、日本をあざ笑っていたではないか。
 要するに、「日本人をアホ扱いして、あんなアホの真似ができるか」--と思ったということか。<そう言えば、1980年代の頃だったかなぁ。ヨーロッパの技術者が、日本人に頭を下げて教えを乞うなんてことは、絶対にできないとか言ったとか新聞で読んだなぁ。「100年遅れ」に頭を下げるなんて--という感覚があるのだろう

 人種差別というより、階級社会のエリート達というものは、自分に自信があるものだから、他者かの忠告(特に黄色人種の)など聞く耳も持たなかったのだろうなぁ。

 で、緊縮政策を採用した—ということか。
 日本のように、超低金利政策とか、金融機関の国有化などを考えなかったのか。

 不況で特に酷いのかフランスなどだという。
 書き込みから拾ってみる。

--ここから-- 

 ◇フランスですら全世帯失業率10%。
  若年失業率25%やで!!
  これでもまだマシな方で、スペイン、ギリシャ、ポルトガルは若年失業率4割超のこの世の地獄なのですよ。

--ここまで--
 
 日本の失われた✕✕年なんて、今のポルトガルなどに較べれば楽園のようなものだな。
 これで緊縮政策を取る—って一体、ヨーロッパの経済学者はなにを考えているのだ?

 これは、日本のバブル崩壊後、失われた✕✕年の頃、なにをやったのか—を教訓にすべきだ。
 
 そりゃ、日本を真似すればうまくいくという訳ではない。
 それでも、緊縮財政を取るなどというバカな選択はなかったろうし、金融機関の一時国有化などを考えることができたのではないのか。

 日本の不動産バブルの崩壊では、100兆円のお金がどこかへいったし、それなりに傷がいえるまで約15年の時間と、総額で1000兆円近いお金を要したという。

 15年という期間は長すぎると思うし、まぁ、日本も未経験のことで試行錯誤も多かったのだろうな。
 較べれば、ヨーロッパ諸国は、まだ6年ではないか。
 日本の例からみると、後10年近い時間が必要だろう。

 日本の失われた✕✕年の教訓がお役に立てればいいのだが。