▲なにか久しぶりに「胸のすくような」セリフを聞いたような気がする。
これはなぁ。麻生さんだから言える言葉だし、麻生さんが言うからヨーロッパとかアメリカに対しても効果のある言葉なのだ。
このブログで何度もふれた。
2008年の夏、リーマンショックというアメリカ発の世界的な金融危機状況に陥った。
世界的な金融の混乱状況の中で、その解決方法というか解決への方向性を明確に示せたのは、世界中の為政者の中で「麻生さんただ一人」であった。
ために、麻生さんは2008年秋から2009年の春にかけて、世界中を飛び回り各国の首脳を説得し、ともあれ世界的な恐慌状態となることを防いだのだ。
---まぁ、ついでながら、当時、日本においては自民党内で「麻生おろし」の真っ最中だった。武部さんとか、今、幹事長をしている石破さんとかが、「人徳がないからやめろ」--とか言っていたのだ。
---ついでのついでだが、筆者が「石破さん」という人をもうひとつ評価しないのはこれなのだ。
今、世界がどのような状況になっていて、麻生さんという人がどのような働きをしているのか—を明確に捉えていない
---つまり、石破さんという人は世界を俯瞰したような視点をもっていない--と。
こうして、麻生さんは「世界中を巻き込んだ金融危機」に対して、解決への方向性を示し、日本も多くの資金(1000億ドルだっけ)をimf
へ出した。こういう経緯をたどって時間は多少かかったが、金融危機も終息へと向かい始めたのだ。
このあたりで、麻生さんは、ドイツ、アメリカの首脳からその能力を高く評価されているのだ。
ついでの3乗ぐらいだが、「非コーカソイド」として、史上はじめて、全世界を相手に「指導的役割」を果たしたということであり、19世紀後半に明治維新というリセットを行なって、出発した日本という国が、当時の伊藤、大久保等の元勲達が望んでいた「欧米列強と肩を並べる」という夢を「現実に果たし得た」瞬間でもあったろう。
以下、新聞から抜粋。
麻生太郎財務相が、円高に対する言葉による攻撃をさらにエスカレートさせている。
ここ数年米国や欧州が自国通貨の大幅安を放置したことに苦言を呈し、
また、米国に対してはドルを上昇させることを要望する発言をしている。
安倍晋三首相率いる政権の通貨政策を握る麻生財務相によるこの批判は、
現在は通貨引き下げ競争になっていると同政権が解釈している
世界各国の潮流に対決姿勢を強めていることを改めて示すものだ。
今月中旬の総選挙では安倍氏が、円高が度を超しているとして、
その是正を自民党の選挙戦キャンペーンの目玉政策の1つに掲げて大勝利を収めた。
安倍氏とその周辺からの円水準に対する明確で強固な主張は、
日本が世界通貨戦争をあおりかねないとの懸念を引き起こしている。
しかし、麻生氏の発言もここ数年の円高による日本産業の世界との競争力減退に対する
国内に渦巻く深い苛立ちを示すものだ。
28日に行った財務相就任後の最初の報道各社向けインタビューでは、
米国はドルを強くするという本来の仕事をするべきだし、
その点はユーロもどうなのか、と語った。
さらに麻生氏は、各国が通貨の引き下げ競争は行わないと誓った
3年前の20カ国・地域(G20)の会合以来、
円はドルとユーロに対し大幅に高くなったと述べた。
その上で、G20メンバーのいくつの国がこの約束を履行していだろうかと疑問を投げかけ、
日本は約束に則って適切な行動をとってきたと強調、
「諸外国に言われる筋合いはない」、と述べた。
▲補足、感想など
品質で勝負できない場合、自国通貨を安くする—というのは、非常に強力な販売促進策だ。
今、韓国とか中国が使っている手法がそれだ。
日本の過去を振り返ってみると、昭和40年代後半に、「変動相場制」に移行した。
それまでは1ドル=360円だったのだ。今が1ドル=86円くらいだから、どれだけ、円安状態にあったか分かろう。
まぁ、上で変動相場制に—と書いた。
それ以前は固定相場制であった。だから、日本の円も実質的には1ドル250円くらいだったのだろうが、固定相場制ということで360円が維持され続けていたということだ。
まぁ、言葉を変えれば、当時の日本は「羊の皮をかぶった狼」状況だったのだろうなぁ。
昭和40年代に、今のパナソニック等がアメリカに小型のテレビ等を、「円安」状態を背景して、売りまくった。
お陰で、アメリカのテレビ製造会社は軒並み倒産した。
--今でもアメリカにはテレビ製造会社は存在しない--
あれ、話がどこかへいった。
不況の時、どの国も自国通貨を「安く」したいのだ。
ドイツという国は、共通通貨ユーロを使用しているお陰で、実質の価値より自然と安くなってしまう。(同じ、ユーロを使っている国にギリシャ、スペイン等があることを考えてみよ)--なんでも、日本円に換算してみると1ドル=150円相当になっているらしい。
そりゃ、ドイツ製品が売れるのも当然だろう。ウハウハ状況だろうなぁ。
アメリカも、通貨供給量を増やし続けてきた。---まぁ、円高の原因の一つがこれなのだが--
記事で麻生さんがいっている3年前の約束とは、リーマンショックをなんとか終息させたg-20の会議のことだ。
日本は約束を守ったのに、あなた達の国ではどうなのか—と。
日本が意図的に「円安状態」にもっていっているのではないか—という欧米各国からの疑念に対して「牽制」しているのだ。
まぁ、真っ当な・正統な意見ではないか。
麻生さんだからこそ、言ってもいいし、言って価値のある「せりふ」だと思える。