▲大前研一という人が、提案しているのだが、こうなにか違うなぁ、と思う。
まぁ、言うのはいいさ。
でも、そうはならない。
ヨーロッパ諸国というところは、日本より約100年早く産業革命に突入した。
まぁ、そのお陰もあって、1960年代ぐらいまでは海外に植民地ももっていたし、それなりに繁栄したのだ。
破綻らしきものが明確になったのは、1960-1970年代くらいかな。
コンピュータというものに、ヨーロッパというところは「対応」できなかったのだ。
そりゃ、今では一応、ヨーロッパの企業もpcをつかってはいる。
そうではなくて、コンピュータを製造する—という面で、ヨーロッパ諸国はすべて脱落した。
じゃ、なぜ脱落したのか—ということだが。
核心は、西欧諸国とは「階層社会」だということにある。
社会が、上流社会というものと下流社会というものに完全に区分されているのだ。
「頭を使うのは上流社会層」「体を使うのは下流社会層」なのだ。
さて。
なんでもそうだが、新製品を造るというのは大変だ。
最後の最後は、現場でそこらにねっころがって、仮眠を取りながら、徹夜、徹夜が続く。
こういう生活が、上でふれた「上流社会出身の技術者」が耐えられると思うか?
だから。
ヨーロッパ諸国では、コンピュータ製造というものからすべて脱落した。
ここまで書いて、じゃ、西欧では下流階層出身の技術者というものはいないのか—とか考えるだろうなぁ。
上で、書いたように「下流階層出身」の人間には、「頭を使う」ことが求められていない。
そもそも「技術者」になろう—としない。
こうしてみると。
こういう西欧の社会と日本の社会とを一緒にする—というのは、そもそも無理というものであることが分かる。
以下、新聞から抜粋。
ユーロ危機に揺れたEUだが、さまざまな不安定要素を抱えつつも、多くの苦難を乗り越え、
27か国が一体となった「強み」を発揮しつつある。
日本はそのEUの“準加盟国”のように
振る舞う必要があると大前研一氏は指摘する。
今後は日本もEUを研究し、EUに合わせていく必要がある。
いまヨーロッパが経験している苦しみは、
150年続いた国民国家からグローバル統合システムに進化し、新たな仕組みを作るための“産みの苦しみ”だ。
国民国家を卒業するためにさまざまなトライをしているのだから、
あれこれ厄介な問題が起きるのは当たり前である。
それを日本は対岸の火事として傍観するのではなく、自分のゴーイング・コンサーン(継続するための関心事)として研究していく必要があると思う。
なぜなら、どんな国民国家でも、ヨーロッパが歩んできた道のりはいずれ通らなければならないプロセスだからである。
グローバル化は避けて通れない。
日本もいずれ 現在のような国民国家を卒業し、
ヨーロッパと同じ苦しみを経験しなければならない局面が訪れると思う。
したがって日本は2013年、EUの“準加盟国”のように振る舞い、ヨーロッパが直面している財政規律などの問題を自分の問題として捉え、それをクリアするためのソリューションを提供していくべきだと思う。
すでに日本は欧州債務危機を封じ込めるため、IMFに600億ドル(約4兆8000億円)の資金拠出を行なうことになっている。
だが、そんな大金を何のアピールもせずにそっと出したのでは意味がない。
日本はヨーロッパの一員であり、ドイツと同じレベルでユーロの維持にコミットする用意がある、というぐらいのメッセージを出さねばならない。
そうすれば、ヨーロッパの日本に対する見方は一気に変わり、「中国と違って、さすが日本は大人の国だ」ということになる。
産業界が彼らと一緒に世界標準を作ることもできるようになる。
それは世界市場で有利にビジネスを進められることを意味し、ひいては日本経済の発展にもつながるのである。
▲補足、感想など
上で、日本人からすれば、ヨーロッパ諸国の技術者など「使い物になるか」--とか思っていると書いた。
対して、西欧からすれば、日本人は産業革命に100年も遅れた「黄色いサル」だ—と思っているのだ。
そんな関係で、「日本がeuの一員」だ---なんて、日本人も西欧の人々も思うわけがないてはないか。
ヨーロッパというところは、冒頭でふれた「階層社会」というものに、風穴が開かない限り、「技術革新」など出てくるはずもない。
これはなぁ。
大前さんのヨタ記事のトンデモ提案だな。
日本とヨーロッパ諸国とは、「お金を出す・貸す」だけの関係で充分だ。
なにが、eu
の一員だ。バカバカしい。