▲これは一体なにを意味しているのだろう。
おそらく—と思う。
2つの方向性を示しているものと思える。
一つは、養殖への促進だ。
ただ、完全養殖は確かに出来たが、養殖がうまくいっているとは聞いていない。
幼生の時の食べ物がうまくいかない—とかだったかな。
二つめは、インドネシア産のウナギに移行するだろうな、ということ。
ニホンウナギは、マリアナ海溝あたりに産卵場所があり、ここから海流にのって、東アジア全域に広がっていた。<つまり、中国・韓国・カナダ・ベトナムなどのウナギはニホンウナギだということ>
これとはべつに、インド洋あたりに産卵場所をもつ(産卵場所は特定されていない)インドネシアウナギがいて、ジャワ島の南岸あたりにシラスが大量に押し寄せているのだ。
このシラスをジャワ島にある養殖場で大きくしている。
つまり、ニホンウナギは確かに絶滅危惧種であるが、インドネシアウナギは絶滅危惧種ではないというところがミソだ。
以下、新聞から抜粋。
ニホンウナギ
絶滅危惧種に指定
世界の生物の専門家などで作るIUCN=国際自然保護連合は、ニホンウナギについて、
近い将来、絶滅する危険性が高いとして絶滅危惧種に指定し、レッドリストに掲載した。
これにより、ニホンウナギの保護を求める国際的な世論が高まると予想。
IUCNでは、専門家のグループが、
世界の野生生物について絶滅のリスクなどを評価し、
「すでに絶滅」から「情報不足」までの8段階に分類したレッドリストを改定し発表してきました。
ニホンウナギについても、検討を進め12日発表されたレッドリストの最新版では、ニホンウナギは絶滅のリスクが上から4番目に当たる
「近い将来、野生での絶滅の危険性が高い」絶滅危惧種として分類された。
指定された理由として、IUCNでは、
生息地の減少や水質の悪化、海流の変化、それに乱獲などを挙げています。
絶滅危惧種のリストとしては
世界で最も権威のあるものとされるため、ニホンウナギが掲載されたことで、
今後、国際的な取り引きの規制など保護を求める世論が高まる。
今回、評価に当たった議長はコメントを発表、
「生息数などの情報を集めて評価が行われたこと自体は大きな前進だ。
今後は、保護へ向けた取り組みを進める」と。
ワシントン条約の締約国は、再来年に南アフリカで締約国会議を開いて絶滅危惧種の新たな規制などを決める予定。
▲補足、感想など
受精させて、幼生にすることはできても、この幼生がなんとも「食にうるさく」やっと、サメかなにかの卵を食べて—とかいう話を聞いたことがある。
完全養殖は可能ではあるが、大量に成体にすることができないのだろうなぁ。
検索して、ウナギの完全養殖の現状を押さえておこう。
--ここから--
2014年02月12日
完全養殖ウナギの安定生産に“道” 大型水槽でニホンウナギの仔魚を大量飼育する方法開発
養殖のニホンウナギは、捕獲した天然のシラスウナギを育て、生産されています。
しかし近年、シラスウナギの不漁が続いており、ウナギ養殖業の存続が懸念されていました。
水産総合研究センターは2002年、世界で初めて卵から育てたウナギ仔魚をシラスウナギに変態させることに成功しました。
2010年には、人工生産ウナギを親に育て、次世代を誕生させる完全養殖にも成功。
2012年から、大型水槽を用いた飼育開発研究に取り組んできました。
ウナギ仔魚飼育の研究開発にはこれまで、5~20リットルの水槽が用いられてきました。
しかし、個別に視認しながら手作業で飼育管理を行う必要があるため、透明な水槽に限られていました。
加えて、1水槽当たりの生産量の少なさ、細菌発生による生存率の減少などが問題になっていました。
今回の研究では、不透明な1,000リットルの塩化ビニール製水槽を使用しました。
2013年6月から約28,000尾のウナギふ化仔魚を飼育したところ、同年12月9日に184日齢で1尾がシラスウナギに変態。
2014年1月には、変態尾数が17尾となり、残りの仔魚も成長を続けているとのことです。
水産総合研究センターは、この水槽を用いたウナギの飼育手法について特許を出願中です。
今後も大型水槽を用いた飼育試験を継続し、シラスウナギ大量生産技術の開発に取り組むとのことです。
--ここまで--
上で紹介した、完全養殖ウナギは、一匹数万円の費用になるそうな。
対して、インドネシアウナギは。
--ここから--
インドネシア政府も、うなぎの養殖を国の成長産業と位置づけています。
インドネシア海洋水産省 養殖局長
「養殖業者や加工業者が増えれば、輸出が伸びる。経済成長は、ますます加速します。
うなぎ産業の、さらなる発展を期待している。」
--ここまで--
ウナギは、これからインドネシア産となるということだろうなぁ。また、アフリカ大陸の東海岸、マダガスカル島あたりにも別の種類のウナギ(つまり、産卵場所の違うウナギ)がいそうだ。