▲どうも、パナソニックの津賀社長のコメントが気になる。
まるで、アメリカのなんだっけ、mba
とかの経営者が好みそうな「判断」をしている。
もう、アメリカのmba
などの発想と一線を画せよ。
べつにmba
を馬鹿にしているつもりはない。
でも、彼らには「技術」というものへの畏怖の・畏敬の念がない。まるで、「技術」を小道具のように考えるのだ。
端的な例が、コダックであろう。
コダックはやはり、映像部門でなんとか生き残りを賭けるべきだったのだ。
不採算部門を切るのはいい。しかし、肝心なデジカメの開発でも、「生き残りを賭ける」というほどの懸命さを持っていなかった。
結局、ドイツのアグファ、アメリカのコダックと銀塩フィルムの2大メーカーが転進に成功せず、潰れていった。
今、パナソニックの社長の話しぶりの記事を見ながら、このコダックの社長の姿とかぶる。
パナソニックは、映像部門を残すべきだろうな。
画像の二次元での表示ではもう、中国のメーカーに価格では太刀打ちできないということを言っているのだろう。
ならば、3次元ならどうだ。
ホログラムのような、3次元の—空中に浮かぶ映像-を表示する---そんなものを考えるタイミングではないのか。
技術に畏敬の念のない経営者というものは、「技術上での夢」が語れないのだな。
以下、新聞から抜粋。
今年、ラスベガスで開催された家電見本市、
コンシューマー・エレクトロニクス・ショーは、韓国メーカーや中国メーカーの勢いと、
対照的な日本メーカーの元気のなさを感じさせた。
視察に訪れたパナソニックの津賀一宏社長はこう言ったという。
「もう日本の家電はダメだな。一目瞭然だ。韓国、中国と価格競争してもしようがない。うちは儲ける道を別に探す」
津賀氏が言う「儲ける道」とは自動車関連事業や、住宅関連事業のこと。
たとえば、ブレーキ、照明、洗面、風呂である。
そうした分野はメーカーが
価格決定権を持ち、単価が高く、従って利益を出しやすい。
「“お風呂やブレーキを売るためにパナソニックに入ったのではない”といった
反発の声が社内にあることは確かですが、
津賀さんは気に掛けていない」
社内に反発があるという話題になると、津賀氏は決まって次のように言うという。
「そんな奴がいたからパナソニックはダメになった。それがまだわからないのか」
同社の2014年3月期の決算では、売上高は7兆7365億円だったが、当期利益は1204億円の黒字。
2012年3月期、2013年3月期と2期連続で赤字を計上したことからすると、急速な業績回復である。
編集長が話す。
「テレビ部門を縮小するなど
家電事業に見切りをつけ、自動車関連事業や住宅関連事業に重点をシフトした戦略が功を奏し始めています」
その戦略を推し進めるのが、2012年6月に社長に就任した
津賀氏にほかならない。
同氏の戦略は“ツガノミクス”として投資家からの覚えもめでたい。
▲補足、感想など
確かに、パナソニックはプラズマにのめり込み過ぎた。
あれは、前社長の経営判断の間違いであろう。
今の津賀社長の判断の根底にあるのはこれだろうな。
早急に不採算部門を切って、今は、とにもかくにも「黒字を確保」するということだろう。
でも、と思う。
ソニーがロボット部門を切って以来、なにか精彩に欠けている。
技術者には「夢」が必要だ。
夢を賭けるものが、ブレーキ・照明・洗面・風呂 では、技術者はもたない。
黒字化が最優先だとしても、黒字が定着すれば、冒頭でふれたように、ホログラムとか、グーグルのメガネ型の映像装置のような部分を考えるべきだ。
なんども繰り返すが、ソニーがロボット部門を切り捨てたような判断ミスをすべきではない。
技術者に夢を与えよ。
これからは、3次元の映像装置だ。