2018年6月6日水曜日

再生可能エネルギーが実用化される前に、現在稼働中の原発のタイムリミットがくる


また、中国が新型原発の技術を開発してしまう—という可能性がある。
 そのあたりかな。

 日本としては、原発建設の技術と技術者を未来に向けて残さなければならない---ということだ。
 そのことを理解して欲しい。

 以下、新聞から抜粋。

 日立製作所による英国の原子力発電所の建設計画が前進する。
 英政府は4日、日立と基本合意に至ったと発表。
 原発リスクやコスト増を巡り難航した交渉は、英政府が負担増を受け入れたことでようやく本格的に動き出す。
 日本政府は成長戦略として原発輸出を掲げるが、計画の多くが頓挫しつつある。
 今回の交渉が浮き彫りにしたのは、膨らむリスクやコストを前に民間主導でプロジェクトを進めることの限界だ。
  「重要な次の段階に入った」。英産業戦略相は4日(日本時間5日)、日立が英中部アングルシー島で進める原発2基の新設計画で基本合意したことを歓迎した。

 日立も5日、「これまでの協議の成果などを確認できた」との声明で応えた。
 既存発電所の老朽化などを背景に電力不足を懸念する英政府は、日立の計画に対し異例とも言える手厚い支援を実施する。
 総事業費3兆円超のうち、2兆円超の融資を全額負担。
 事業会社に対し、英政府・企業連合が3千億円を出資し1500億円をリスク対策費として拠出することを検討する。
 英政府の巨額支援は裏返せば、原発建設が民間主導では手に負えなくなっている現状を示す。
 今回の総事業費は当初想定から2倍に増えた。安全対策費などが雪だるま式に膨らんだためだ。

 2000年代、日本も含め世界各国がエネルギー政策の柱として原発の新設を打ち出した様子は「原発ルネサンス(復権)」とも言われた。
 だが東日本大震災による福島第1原発の事故に伴い、流れはガラリと変わる。
 国内の新設計画が一斉に止まった結果、日本政府と原発関連企業は、原発推進の方針を維持する国々のプロジェクトへの参画に活路を求めた。
 安倍政権は成長戦略としてインフラ輸出を20年に10年比3倍の30兆円まで拡大する目標を掲げる。高速鉄道などと並ぶ柱が原発の輸出だ。
 だが、日立の英プロジェクトを除くと多くの計画が岐路に立っている。
 三菱重工業が進めるトルコ・シノプでの4基の新設計画は事業費が5兆円規模に倍増。
 非常用電源など地震対策コストがかさみ「政府の電力買い取り価格を2倍以上に引き上げないと採算が合わない」(三菱重工関係者)。
 採算性が不透明になるなか、企業連合に名を連ねていた伊藤忠商事は計画から離脱した。

 東芝は米国での4基の原発建設計画で1兆円を超える巨額損失を計上し、建設を手がけていた傘下の米原子力大手ウエスチング(ウス(WH)は経営破綻した。
 世界で相次ぐ計画の後退は、エネルギー源の確保と膨らむ原発リスクのはざまで、各国政府が抱えるジレンマを如実に表している。
 日本政府はエネルギー基本計画で、電源構成に占める原子力の比率を足元の2%から30年に2022%に高める絵を描く。
 目標達成には30基程度の再稼働が必要な見通しだが、足元では関西電力と九州電力などの計8基にとどまる。
 稼働開始からの運転期間は原則40年とのルールもあるため新増設も必要だが、基本計画に明記していない。
 一方、老朽化する国内原発はこれから「廃炉時代」を迎える。
 国内で新設が難しい状況で、廃炉を担える技術者をどう保つか。
 「海外の新設プロジェクトでノウハウを維持したい」 (メーカー幹部)との声もあがる。
 原発新設コストの増加は電力料金など国民負担増を招き、英国などでは反対運動も広がる。
 日立と英政府のプロジェクトは、原発政策のジレンマや矛盾を浮き彫りにしながら、19年の最終合意を目指し本格交渉に入る。

日立、最終決着には課題 出資者集め難航も売電価格も壁に
 英政府と基本合意した日立の英原発建設計画は、2019年の最終投資決定に向け、なお課題が残る。まず出資企業を集めることだ。
 今回、日本政府・企業連合が英原発事業会社に3千億円を出資する形を想定する。
 政府系金融機関などに声をかけているが、いずれも出資に慎重なもよう。
 安定した原発運営に向け、日本勢は大手電力会社の出資も募りたい意向だが、難航が見込まれる。
 英政府による支援策の詳細を詰める作業も必要だ。
 重要なのは英政府による電力の買い取り価格の確定だ。
 英国で先行して計画が進む仏電力大手EDFと中国企業が出資する原発では、市場価格を大きく上回る契約を結び、議会などで批判を浴びた。
 このため英政府は売電価格をできる限り低く抑える枠組みを練り、日立もこの意向をくみ取ってきたが、価格の確定はこれからだ。
 事故など不慮の事態が起きた際の損害賠償責任の明確化も残る。
 英国では事故時に事業者が一定の有限責任を負う原則だ。
 有事に際した賠償の仕組みも焦点になる。

補足、感想など

 どこらに核心があるのかなぁ。
 エネルギーと食料は、他国に依存することはできない。
 自国の安全を脅かされるからだ。

 だから。
 エネルギー源をどこに求めるかということは、国家の命運を左右するほどのことだ。
 先の大戦時、日本が早々に、南進作戦を採用した理由を考えても見よ。

 冒頭で触れたとおり、原発に代替するエネルギー源が実用化されるためには、もう数十年が必要だ。
 代替エネルギー源が実用化される前に、現在稼働中の原発のタイムリミットが来る—ということこそが、最大の問題点なのだ。

 だからこそ、原発の製造・建築技術を維持し、技術者を確保していなければならない。
 そのために、世界のどこでもいいから、建築できるところで建築したいのだ。

 英国での可能性が一番高くなったというのが、現在の状況だろう。
 なんとしても、原発の建造・建築技術を継続していこう。

 また、突飛ではあるが、中国はこういう世界の潮流とは関係のないところにいる。
 中国で、まったく別発想の原発が建造される可能性すらもあるのだ。
 世界が、中国の新型原発で席巻されるということも考えられる。

 そう、考えると、この英国での原発建築をなんとかものにしたいと考えるのは当然ではないか。

 また、日本にある休止中の原発も早々に再稼働すべきであろう。
 記事にもあるように、一企業の努力でどうたらという話ではもう無理だ。
 安倍首相あたりが、もっと、積極的に原発の建設、また、休止中の原発の再稼働に向けて、発言し、推進する行動にでるべきだ。