2018年6月22日金曜日

ブロック塀を作った業者も、点検した人間もおかしい


技術者の端くれとして、このブロック塀の倒壊はどうもおかしい。
 そもそも、なぜ、こんなブロック塀が作れたのだろうか。
 また、アブナイと指摘されて、点検したが「大丈夫だ」と発言できる---その感覚はなんだろうか。

 お金が絡むから?
 公立学校だから、予算とか業者の選択とか様々な手続きが必要だろう。
 それが面倒だから?

 とりあえず、倒れそうもないから、後回しでもいいのではないか—とかだろうか。
 日本人の感覚で言えば、こんなところだろうなぁ。

 福島原発で、バックアップ用の発電機の燃料タンクを地上に設置している感覚と同じか。
 津波等のリスクを指摘できる。でも、とりあえず、大丈夫だろう—というところに落ち着いたのだろうな。

 まず、いくつかの記事から抜粋。

 女児犠牲の塀、市教委が2年前に「安全」 小学校が危険性を報告も
 市教委は職員を現地に派遣して、ブロック塀をハンマーでたたくなどして安全性を点検 。
 その結果、校長に「安全性に問題はない」との報告をしたという。
 校長は取材に対し、「問題がないとの結果だったので、それ以降は安全性に疑問を感じなかった」と話した。

[産経 2018.6.21]

※補足
 校長によると、2015年度に開いた防災研修の際、外部から招いた講師に学校周辺の危険箇所について指摘された。
 その中に、今回の地震で倒壊した学校のプールの塀も含まれていた。このため、田中校長が市教委に伝え、市教委が調べたという。
 市関係者らによると、講師は防災アドバイザー。
 市教委が16年2月にブロック塀をハンマーでたたくなどするテストを実施して、安全である、と学校側に伝えたという。

補足、感想など

 冒頭でふれた。
 この点検などの過程で、「技術者の視点」が皆無のようだ。
 そこらに、この「オカシなブロック塀」が存続しつづけた理由が潜んでいるのではあるまいか。

 つまり。
 これは、教育委員会という部署に、技術系の人間がいない—ということを意味しているのだな。
 お金が絡むことであり、ここで面倒を引き起こすな・嵐を引き起こすな—てな感じで教育委員会の論争が終結したのだろう。

  こういう高槻市のモタモタをあざ笑うように、このブロック塀の倒壊により、女子生徒が亡くなったということを奇貨として、箕面市は、全ブロック塀を取り壊すと発表した。

 --ここから--

 大阪府箕面市は、市内の公立小中学校に設置されたブロック塀をすべて撤去する方針を決めた。
 該当するのは5小学校で6カ所、3中学校で3カ所の計8校9カ所の学校外壁とプール外壁。
 市建築室によると、法令違反に該当するものはなかったが、「子どもたちに不安を与える」として、すべて取り壊すことにした。
 今月下旬にも撤去工事を始め、フェンスなどに取り換えていく。

 --ここまで--

 なにか、潔い決断だと思える。
 すべての学校でできることかどうかはわからないが、安倍さんも決断を示していたな。

 --ここから--

ブロック塀倒壊「二度と起こさぬ」首相、大阪被災地を視察

 安倍晋三首相は21日、大阪府を訪れ、同府北部で震度6弱を観測した地震の被災地を視察した。
 視察後、小学校のブロック塀が倒れ女児が死亡した事故について「二度とこうした悲惨な出来事を起こしてはならない」と語った。
 「全国でブロック塀を緊急点検し、子供たちの命をしっかり守りたい」と強調した。
 被災した自治体の応急復旧対応を財政面で支援するため、普通交付税を前倒しで配分する考えも示した。
 「自治体が財政上の不安を持たずに全力で応急対応に当たれるよう、必要な財政措置を取る」と述べた。
 首相は高槻市内の小学校で登校中だった女児がブロック塀の倒壊で死亡した現場を視察。
 大阪府の松井一郎知事ら被災自治体の首長らとも会談し被災状況や今後の対応について意見を交わした。

 --ここまで--