2016年2月18日木曜日

原油価格の下げが一応ストップ。

さすがに、サウジアラビアが原油の増産をやめるようだ。
 対抗する勢力をつぶしてやろう—という捨て身の攻撃であったということだろうな。

 まず、産油国側の動きから。

--ここから--

◇露、OPECと減産協議か 原油価格引き上げ目指し
 有力産油国のロシアが、原油価格の引き上げを目指し、石油輸出国機構(OPEC)との協調減産の可能性について協議する見通しとなった。
 タス通信が、ロシア国営の石油パイプライン会社であるトランスネフチの首脳の話として伝えた。
 ロシアのエネルギー省と石油会社の幹部がOPECとの話し合いに合意したという。
 ロシアはこれまでOPECとの協力に消極的だった。

 OPECのバドリ事務局長は、ロシアをはじめとする非加盟国に対し減産を呼び掛けた。
 OPEC内部では南米のベネズエラが減産を訴えているが、盟主であるサウジアラビアは非加盟の有力産油国が減産で足並みをそろえなければ、価格上昇は見込めないとして、OPEC単独の減産に否定的な立場だった。

◇サウジ、最大5%協調減産を提案  原油価格引き上げ狙う 
 ロシアのノバク・エネルギー相は、石油輸出国機構(OPEC)の盟主サウジアラビアから産油各国が生産高を最大5%削減するとした提案があったことを明らかにした。
 OPECの加盟国と非加盟国が協調減産に乗り出し、歴史的な低水準にある原油価格の引き上げを目指すのが狙い。
 ロイター通信が伝えた。ノバク氏の発言を受け、北海ブレント原油先物相場は急伸し、一時1バレル=35ドル台を回復した。

--ここまで--

 ロシアとしては、歳入の多くが原油の輸出にあるものだから、これ以上、原油の下げには耐えられないのであろう。

 で。

--ここから--

◇NY原油続伸、32ドル台
 ニューヨーク原油先物相場は続伸し、指標の米国産標準油種(WTI)3月渡しが前日比0・85ドル高の1バレル=32・30ドルで取引を終えた。
 ロシアが石油輸出国機構(OPEC)と原油価格の安定に向けて協調する可能性があるとの観測から、買い注文が優勢となった。
 ただ、双方はシェア争いをしており「協調は考えられない」(市場関係者)との思惑も交錯、上値は重かった。

2016.2.17
 菅官房長官「産油国の動向を注視」 サウジなど4カ国の原油増産凍結合意に

 菅義偉官房長官は会見で、サウジアラビアやロシアなど4カ国が、他の有力産油国の同意を条件に原油増産の凍結で合意したことについて「主要産油国の動向は原油市場に大きな影響を与えるので、しっかり注視していきたい」と。

--ここまで--

 日本の物価が上がらないのは、この原油価格を含めているため—という理由もありそうだ。
 少なくとも、原油価格が下がらない状態であれば、緩いインフレへもっていくためには都合がよくなるということか。

 徐々に原発の再稼働も始まり、原油価格も30ドル付近だということは、日本のエネルギー価格という視点からみれば、いい状況となっているということだろう。
 また、ロシアをあまりに追い詰める状況となるのも、北方領土の交渉に不都合だし--とか考えているのだろう。
 菅官房長官の「注視」というのはそのあたりの意味だろうなぁ。