2017年3月11日土曜日

原発復活への動きが進行中

どこらに核心があるのかなぁ。
 太陽光発電とか風力発電は、所詮、不安定な・補助的なエネルギー源でしかない—ということが、この6年で明確になったということだろう。

 また、原発に代替するエネルギー源の開発が、実に時間の掛かる・手間暇かかるものだ—ということが明確になったのだろう。
 多少でも有力なものが、地熱発電と潮力発電であるが、実用化にはまだまだ遠いということだろう。

 で。
 原発のコンパクトさ、効率の良さ・能力の高さが見直されてきた—ということだろうな。

 以下、新聞から抜粋。

 3.11から6年。原子力ムラが原発を再稼働させようと蠢いている。
 経済産業省元官僚・古賀茂明氏が、 原子力ムラの「原発完全復活」への動きに警鐘を鳴らす。

 原子力規制委員会が大飯原発(福井県)3、4号機の再稼働に「合格」を与えたのは2月22日のこと。
 決定を受け、関西電力が動きを見せている。
 同社の岩根社長が「大飯3号機、4号機が稼働すれば、燃料費メリット分を(ユーザーに)還元したい」と、電気料金の値下げに意欲を示した。

 関電は現在、運転差し止めの仮処分を受けている高浜原発の3号、4号機の抗告審を争っており、 この裁判で「運転適当」との判決が出れば、一気に4基もの原発を動かせることになる。
 電気料金の値下げ幅もさらに大きくなるだろう。
 電力大手10社は原油価格上昇を受け、今年4月まで3ヵ月連続の電気料金引き上げを決めている。各家庭にとって、その負担は小さくない。

 そんな折、関電が「電気料金を格安にします。安くなったのは原発を再稼働させたおかげです」とキャンペーンを打てば、どうなるだろうか?
 アベノミクスの失敗で実質賃金が大幅に落ち込み、庶民の暮らしはいまだ厳しい。
 電気代が安くなれば、家計が助かったと喜ぶ人がほとんどだろう。
 3・11以降、日本国民の半数以上が原発の再稼働に慎重な姿勢を見せてきた。
 だが、関電の電気料金大幅値下げをきっかけに、全国で原発再稼働を容認するムードが高まるかもしれない。

 行政の援護射撃も見逃せない。昨年11月、「パリ協定」が発効した。
 これは、地球温暖化防止のために 196ヵ国・地域が参加する国際協定で、批准国の日本は「2050年までに80%の温暖化ガス削減」を目標に掲げている現在、環境省や経産省が中心となって具体的なCO2の削減プランを策定中だ。

 だが、この目標をクリアするのは生易しいことではない。
 政府も関西電力と歩調を合わせるように、 「目標達成の最後の切り札は、CO2を排出しない原発以外にない」と、再稼働のメリットをPRしてくるはずだ。

 安倍首相は過去、所信表明演説で、「この国の原発依存度を可能な限り下げる」とぶち上げたものだった。
 しかし、すでに再稼働のお墨付きを得たのは6原発12基に達している。

 しかもここにきて、原発の代替エネルギーになると期待された自然エネルギーの前途にも暗雲が生じている。
 東北電力が、新たに基幹送電線を作らなければ、東北北部に発電所を新設しても接続できなくなると宣言したのだ。
 これで風力発電の開発は、一時ストップの事態となってしまった。

 一方で、東北電力管内である秋田県では、関電による出力130万kWの大規模「石炭」火力発電所の建設が進んでいる。CO2排出が最も大きな石炭を優遇しているのだ。
 また、停止中の東通(ひがしどおり)原発の送電線はがら空きのままだが、これも風力には使わせない。

 自然エネルギー潰しによる「原発完全復活」への動きが進んでいると見るべきだろう。
 つまり、すべてが“原発ありき”なのだ。
 3・11の反省もなしに、またぞろ原子力ムラが原発を再稼働させようと蠢いている。

 電気料金が安くなるのは、国や消費者が事故などの負担を押しつけられているからだ。
 本当に原発の再稼働を認めてもいいのか?
 あらためて私たちひとりひとりの見識が問われている。

補足、感想など

 冒頭でふれた。
 未だに、人類は原発に代替するだけのエネルギー源を見つけていない。
 そして、多少でも可能性のある地熱発電、潮力発電でも実用化までにはもう数十年かかる。

 それまでは、どうしても原発を再稼働するしか選択肢はないのだ。
 そのことを直視してもらいたい。
 原発に代替するエネルギー源を探し続けるという作業も、通常の生活を維持した上で行わなければならない。
 通常通りに電車が動き、食事の準備ができ、会社へいけばpc,機械が通常通りに動くという生活を維持しなければ、数十年というスパンで研究開発なんてできない。

 確かに福島原発事故の被害は甚大であった。
 しかし、日本人は、この福島原発という「重荷」を背負いながら、原発を再稼働し、原発に代替するエネルギー源を探し続けるという生活をするしかない。
 そのことを直視してほしい。

 上の記事は、原発に代替するエネルギー源に触れることなく、原発の危険性のみをアピールした、日本人をミスリードしてやろうという悪意に満ちた文章だ。

 ここで、徳川家康の人生訓を転記したい。

 --ここから--

 人の一生は重荷を負うて、遠き道を行くがごとし
 急ぐべからず
 不自由を、常と思えば不足なし

 心に望みおこらば、困窮したる時を思い出すべし
 堪忍は、無事のいしずえ
 怒りは、敵と思え

 勝つことばかりを知って、負くることを知らざれば、
 害、其の身に到る

 己を責めて、人を責めるな
 及ばざるは、過ぎたるに優れり

 慶長八年正月十五日

 --ここまで--

 家康の人生訓通りに、日本人は福島原発事故という「重荷」を背負いつつ、原発を再稼働し、原発に代替するだけの新エネルギー源を研究・開発しなければならない。
 いらだっては、この長丁場を乗り切ることはできない。
 そのことを直視して頂きたい。

 ※追記
 小泉元首相が、原発に関連してトンデモ発言をしている。
 まぁ、これだけ技術というものを理解せず、よくものが言えると感じる。
 --ここから--

 2017/03/11(土)
 小泉純一郎元首相はインターネット上に配信された情報サイト「AbemaTV」のインタビューで、安倍晋三政権が成長戦略の柱に掲げる原発輸出について「どうかしてる」などと批判。 

 小泉氏はインタビューで「原発に頼らないで太陽、風、地熱、水力、潮力、さまざまな自然エネルギーを使って経済発展させるほうがはるかに安全でいい国になる」と述べ、原発ゼロの持論を展開。
 その上で、原発輸出について「どうかしてるよ。安全でもないのに。その発想がわからない」と非難した。 

 安倍首相が原発政策を変更する可能性について「もうここまで行っちゃってるんだから無理だろう」と指摘。
 首相に原発政策の転換を促したと明かした上で「苦笑してるだけだった。反論はしてこない。安倍さんも信じちゃってる」などと述べた。 

 一方、自民党の半数程度が内心では小泉氏の持論に賛成しているとした上で「首相が『やる』といえばできる。国民だって支持する。
 (小泉氏が断行した)郵政民営化よりも原発ゼロの方が簡単だ。郵政民営化は全政党反対だったんだから」と主張した。 

 --ここまで--
 もう、小泉さん特有のお気楽発言とでも言えばいいのか。
 技術というものは、毎日毎日、少しづつ進むものだ。
 長足の進歩なんてものは滅多にありはしない。
 核心は、原発に代替するだけのエネルギー源の開発だが、実用化の目処のたったものは存在しない。

 上でもふれた。
 福島原発事故処理という重荷に耐えながら、少しづつ前に進むしか、日本人には選択肢はない。